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魔王を倒した英雄~300年後に飛ばされ世界を統べる~  作者: 乱丸
第四章~混乱の大陸~

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生意気なSランクパーティー

依頼だってよ。


久々ね。でも冒険者だし、私達。


そうよね。でも依頼を選ぶ権利はあるわ。

     Sランクって言っても、同伴者があの人達じゃねぇ。


そうですわね。私達だけで、十分ですわ。


仕方ないさ。ギルド本部のメンツもあるからな。


メンツで命は守れませんわ。


アリューシュはキツイな。


私、傲慢な人族はキライなのですわ。

   一撃でケシズミにしてあげますわよ。」


やめとけ。



ギルド内がざわつく中、クイードが俺達を見渡す。

「ほ~う。こいつ等が噂の冒険者か。本当に強いのか」

 クイードは見下した笑みを向ける。

 まぁ、Sランクだ。調子に乗るのもわかるが、態度がデカいな。

 レイラの顔色が変わった。

「フン。アンタらこそ、本当にSランクかい。アリューシュより弱そうだけど。ぷークスクス」

 レイラが薄ら笑いを浮かべ、さらに上を行く。

 周囲の冒険者達に緊張が走り、息を潜めた。

 クイードは怒り、額に血管がうきあがる。

「そのエルフがアリューシュか。フン、 何百年も生きているバケモノと比べても仕方あるまい」

 あ、そんな事を言っては・・・

「ゴミムシ。今、何と言ったのかしら」

 アリューシュの顔つきが変わり、殺気が放たれた。

 レイラは「あ~あ」みたいな顔をして呆れている。

「ゴミムシだと!キサ・・・マ・・・」

 言い返そうとしたクイードが、アリューシュの眼光にたじろく。

「ゴミムシには目上に対する敬意と言う物がありませんのね」

 アリューシュの魔力が膨れ上がっていく。

 クイードは、剣の柄に手をかける。

「ふざけるな、エルフ。やるつもりか」

 クイード、声も体も震えているぞ。

 冒険者達も震えあがる。

 アリューシュの眼光が鋭さを増す。

「その薄汚い口は、永遠に消し去ってあげますわ」

 大気が震え、建物が振動する。

「害虫は排除しても宜しいですわね。グランドマスター」

 ジェサイスの顔は青ざめ、狼狽えている。

「バカな事を言うな。おい、お前ら。仲間だろう。何とかしろ」

 ベイルは両手を上げ、首を振る。

「ムリ」

 更に魔力が膨れ上がっていく。

「おい、やめろ」

 クイードは青ざめ、腰が砕けた。

 冒険者達は固まって動けない。

 受付嬢達はカウンターに隠れ、身を潜めている。

 マリュシェがアリューシュの前に立った。

「アリューシュさん。すみません。うちのバカが失礼な事を」

 マリュシェの顔を見つめたアリューシュの表情が変わった。

「あら。あなた、もしかして」

「はい。私もエルフの血が入っているのです」

 アリューシュの魔力が終息していく。

「クイードは口が悪くバカなだけで、根は良い人なのです」

 酷い言われようだ。

「謝罪致します。お許し下さい」

 アリューシュは優しい笑みを浮かべる。

「冗談ですわ。謝罪は受けますのよ」

「ありがとう御座います」

 マリュシェが頭を下げる。

「クイード、アンタも謝りなさい」

「チィ・・・すまなかったよ」

 クイードも不満そうな顔だが、頭を下げた。

「彼女に感謝しなさいね」

 アリューシュは何事も無かった様に椅子に腰かけた。

 やりすぎだが、いいクスリになっただろう。

 ジェサイスは気を取り直して俺達を見る。

「うちの冒険者の非礼を詫びる」

 ジェサイスが深々と頭を下げた。

「それで、討伐には行ってもらえるのだろうか」

 なんだ、ジェサイス。態度が変わったな。

「俺達のリーダーはベイルだ。ベイルの判断に任せる」

 ベイルは少し考え、口を開く。

「グランドマスター、被害はどれくらいなんだ」

「3つの村が、やられた。被害は町に近づいている」

「王都の警備隊は」

「知っての通り、アジミール方面に軍が派遣された。辺境の村までは手が回らない」

 ベイルは軽く頭を振った。

「なぁ、アリスト。世界も大事だが、目の前の脅威は見過ごせないよな」

「ああ、当たり前だろう」

 ベイルは笑顔で答える。

「その依頼、受けるぜ」

「そうか、行ってもらえるか。報酬はしっかり出すからな」

 ジェサイスは喜び、安堵した様だ。

 しかし、エンジェル・ウィングの面々は不満そうである。

「あんたら、不満そうだね。言いたい事があるなら、言いなよ」

 レイラはイラついている様だな。

 緑髪の戦士が反応した。

「俺は名はアディール。アリューシュ殿の実力は承知している」

「で、私達が実力不足だと言いたいのかしら」

「まぁ、そうだな。冒険者ランクはなんだ」

「アリストがAで私らがBランクよ。ご不満かしら」

 冒険者達がざわつく。

「おいおい、3つのAランクパーティーが全滅したのだぞ」

 アディールはあきれ顔だ。

 魔法使いの女性も呆れたように言う。

「グランドマスター。この方達では足手まといですよ」

 ジェサイスが話をする前に、レイラが反撃の口火を切った。

「ハッ!肩書でしか判断できないなんて、笑っちゃうわ」

 女魔法使いが攻める。

「Bランクごときが、生意気なのよ」

「Sランクも質が落ちたのね。それとも過大評価なのかしら」

「他人の手柄を勘違いしているのでしょ。なめた口を聞かないで欲しいわ」

 ののしり合いが始まってしまった。

 その時、アリューシュの眼光が再び鈍い光を放つ。

「レイラ、およしなさい。品がありませんわよ」

「姉様・・・ごめんなさい」

 鋭い眼光は、女魔法使いに向けられた。

「貴方、お名前は」

「な、なによ」

「お名前は・・・」

 たじろぎながら、答える女魔法使い。

「ソフィアよ」

「ソフィアさん。私が、認めた仲間を侮辱なさるのかしら」

 狼狽えるソフィア。

「いえ、でもそのランクでは・・・」

「ランクだけでは本当の強さを計る事は出来ませんのよ」

 アリューシュは俺を見る。

「Aランクのアリスト様は、私の何倍もお強いのです」

 冒険者達に、どよめきが起きる。

「ばかな、アリューシュ殿の何倍も強い」

 アディールは目を見開き、驚いている。

 クイードは信じられないと言う顔だ。

「嘘だ。死神アリューシュより強いなんて」

 ベイルが腕を組み、クイードの前に仁王立ちする。

「おい、あんた。アリストは世界最強だ。それとな・・・アリューシュは死神じゃねぇよ。雷神アリューシュだ」

「雷神・・・」

「そうだ。雷神アリューシュだ。よく覚えておきな」

「あら、ベイル。嬉しい事を言ってくれますわ」

「おう、当然だろ。雷神アリューシュ」

 ベイルはドヤ顔だ。なんかカッコいいぞ。

「しかし、他の3人のせいで。我々が危険な目に・・・」

 クイード達の言う事は当然だろう。

 見知らぬ冒険者の実力を簡単に信じる訳にはいかない。生死にかかわる事だ。

 しかし、最初の態度が悪かった。

 アリューシュは冷静に返した。

「危険・・・私の戦闘について来ましたのよ。実力はSランクですわね、アリスト様」

「ああ、間違いないな」

 クイードは言葉を返せない。


後ろから、ムフ、とか、デヘヘ、とか、妙な笑い声が聞こえる。

「ねぇ、私達Sランクの実力だって」

「まぁ、だいぶ強くなった実感はあるけどよ」

「お姉様やアリストに言われると、流石にてれるね」

 などと言いながら、ニヤニヤしている。

 見なかった事にしよう。

 ジェサイスが割って入る。

「クイード大丈夫だ。彼らは下位魔族を何体も倒したと聞いている」

「本当の話なのか」

 クイードの驚きが止まらない。

「ああ。確実な情報だ。後、レジェンド・グリフォンも倒したそうだぞ」

 クイードは口をパクパクさせている。

「クイードさん。俺達が足手まといになる事はないです。心配でしょうが、大丈夫ですよ」

「アリストと、言ったか。今は、信じよう。だが、実力不足だと分かれば、その時は・・・」

「見捨てて下さい。それで、かまいません」

「フン。覚悟だけは、ある様だな」

 クイードは一応、納得した様だ。

 強者になると、よくかかる病だな。アイツは。

 「他人を見下す」と言う病だ。

 まぁ、そのうち治る病だ。より強者に出会うか、死線を越えれば。

 ジェサイスが手を二回叩く。

「よーし。話はまとまったな。明日の朝、出発してくれ」

 明日出発だと。

準備期間無しか。強引なマスターだ。


冬山討伐戦なんて、何年ぶりだ。

        難易度マックスだぜ。


冬山は虫型魔物がいないから、気が楽だわ。


私は寒いのは苦手なのよ。

  早く終わらせましょう。


あら、私も寒いのはキライですのよ。

  だから、魔法を考えたのです。ご安心を。ニコ


もしかして、イヤイヤ魔法シリーズか。

  効果は良いが、名前が・・・・・・・・


それは言わないで下さいまし。

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