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魔王を倒した英雄~300年後に飛ばされ世界を統べる~  作者: 乱丸
第二章~王都、旅立ち編~

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クレイズの過去

クレイスさん、どんな過去を語るのだろうな。


酷い呼ばれ方していたからね。


ちょっと、心配ですね。


少し重くなりますわね。我慢してくださいまし。

クレイズはゆっくりと、自身の過去を話し始めた。


「ふざけるな。俺達はこの国の為に戦うのだぞ。その俺達に金を払えだと」

「しかし、私達にも生活があります。無償では食べていけません」

「生意気な。野郎共、ぶっ壊しちまえ」

「辞めて下さい」

「うるせ~」

 店主は暴行を受け死亡し、店は破壊された。

 騎士団も兵士団も戦争が近い事で、力がある物を必要としていた。

 多少の問題は見て見ぬふりだ。

 そんな中増長して限度を超えたのが、リーダー・ザムリスが率いる傭兵団15人。

 こいつ等の周りでは、こんな惨事は日常だった。

 ザムリスの所業を騎士団に告げた者は、翌日殺された。

 騎士団もいつ戦争になるかという緊張の中、民の声に耳を貸す余裕も無かったのだろう。

 いつの日か、誰もが口を閉じてしまった。

 冒険者ギルドも、沈黙を守っていた。

 冒険者達も1人、また1人と他の町に出て行く。

 そんな時、俺達が通りかかった店の前で事が起こった。

 目の前の食事屋で大きな物音がし、店主が外に吹き飛んできた。

 肌は焼かれ黒焦げになり、もう虫の息だ。

 明らかに火炎魔法で焼かれたものだった。

 仲間がすぐさま治癒魔法を掛けたが、しばらくして息絶えた。

 店から出て来た男が、鼻で笑う。

「ハン。そんなクズを助けてどうする。治癒魔法。バカか、もう遅いだろう」

 俺頭の中で何かが切れた音が聞こえる。

 気が付いたら、男は死んでいた。

 俺の剣が血を吸っている。俺が殺したのか。

 殺したのはザムリスの仲間だった。 

 俺への咎めも無く、住民には感謝された。

 暫くザムリス達は大人しく、町も少しは平穏に近づいた。

 俺達の存在が、抑止になっている。そう思っていた。

 それは、思い上がりだったのだ。

 

 ある日、不意に仲間が1人死んだ。

 いい腕の戦士だったが、後ろから刺され、あっけなく死んでしまった。

 犯人の証拠はない。

 騎士団に訴えたが、当然身の入った捜査はしない。

 だが、ザムリスの仕業だ。

 俺を含め、残り3人のメンバーは悲しみを堪え警戒を強める。

 翌日から、3人で行動を共にする事を決め、一旦別れた。 

 それが、いけなかった。

 仲間を見るのはそれが最後になってしまった。

 その夜、2人は死んだ。

 1人は毒殺だ。脅された食事屋の男が毒を盛ったのだ。

 技術の高い魔法使い。先走る俺を止めてくれる賢い男だった。

 もう1人は町の城壁から首を吊られ死んだ。

 魔法封じの手枷をはめられ、暴行された痕跡もあった。

 治癒魔法が得意の優しい女だった。


俺は頭がおかしくなりそうになり、悲しみに打ち敷かれ町をさまよう。

 翌日から、ザムリス達の横暴が再開した。

 家にこもり、死んでいるのか生きているかも分からなくなった。

 数日が過ぎた頃、窓から石にまかれた紙が投げ込まれる。

 紙には「最後はお前だ。仲間の様に無様に殺してやる」と書かれている。

 俺の仲間は死んだ。仲間は殺された。

 こいつ等に。

俺は正気を失う程に激高した。

 夜になり、俺は剣を握り締め、家を飛び出した。


奴らは宿屋を占領して根城にしている。店主は追い出されていた。

 窓から明かりが漏れている。

 扉を蹴破る。

 大きな音が響き、武装した男達が現れた。

「何だ、貴様はクレイズか」

 男達の奥から大柄の男がゆっくりと現れた。

 ザムリス・・・・

殺してやる。無様に・・・・


皆様、アリューシュですわ。

次回は、凄惨な表現が多き出てきますわ。

 心してお読みくださいまし。ペコ

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