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魔王を倒した英雄~300年後に飛ばされ世界を統べる~  作者: 乱丸
第二章~王都、旅立ち編~

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臭いのイヤとレイラの優しさ

所で獣人って奴隷しかいないのか。


山や、深い森に隠れ住んでいる者がまだいますわ。


そうなのか。


獣人は身体能力に優れ、嗅覚や聴覚が人族の何十倍もありますの。

 なので、何とか潜んでいる状態ですの。


自由に暮らせる日が来るといいのだが。


アリスト様はお優しいのですわ。

(うひょー、ステキすぎますわー)


アリューシュ、顔が・・・・・


コホン。私は「死神のアリューシュ」

 全てを狩りつくしますわ・・・・


本当は乙女ってばれているのよ。クス

 (クルーシ談)

 エルフの国に行く方法を考える為、数日滞在する事にした。

その為、冒険者ギルドに来た。

この町のギルドで承認をとれば自由に滞在できる。

「はい、承認致しました。これで滞在期限は無くなりますが、今日からの10日間で最低一つ依頼を受けて下さい。それが条件になります」

受付嬢がにっこり微笑む。

「ああ、了解した」

 ベイルも笑顔で頷いた。

「さて、どうする。早速依頼を受けるか」

「何か、適当な依頼あるかな」

「見てみましょうよ、レイラ」

 レイラとクルーシが掲示板を見に行く。

「皆来て、これなんかどう。内容の割に高額報酬」

 クルーシが手にした依頼書を見た。

「南の街道沿いに出る、オークの群れの討伐か」

 オーク、Ⅾランクの魔物だ。何でも食う雑食性の魔物。人肉を好む為、犠牲者が多い。

 今も昔もザコ魔物だ。多少数が多くても問題無いだろう。

 しかし、ザコの割には報酬金が高いな。

「これ、いいじゃない。ね、ベイル」

「でもよ、クルーシ。数がさ。出現予測50~80体って書いてあるぜ」

「そうね~」

 覗き込むレイラの顔引きつっていく。

「うぇ。そんなにいるのか」

「何だ、レイラ。何か問題があるのか」

「アリスト~」

 いつも気の強そうな顔が、情けない顔になった。

「オークってさ、臭いんだよ」

「はぁ」

「臭いんだよ。それも吐き気がするくらい」

「そうだったか?」

「そうだよ。それが50体以上だよ」

 レイラが必死だ。

「5~6体なら報酬が良いから我慢するよ。でもさ~」

 アリューシュが笑顔でレイラの頭を「なでなで」する。

「レイラ、いい魔法があるのですわ」

「お姉さま。いい魔法って、なあに」

「匂いを感じなくなる魔法ですわ」

「えー、そんな魔法聞いた事ないよ」

「当然ですわ。私の考えた魔法ですもの」

「すごーい。流石お姉さま」

 レイラは大喜びだ。

「これなら大丈夫だよ、クルーシ」

「そうね。受けましょうか。良いわよね、ベイル」

「よし、決まりだな」

 なるほど。オーク討伐の依頼報酬が高いのはこれが理由か。

 嫌がって受けるやつが居ないのだな。

「所でお前の魔法、なんて名前だ」

 聞くと、アリューシュは固まった。

「えっ。それは、えーと・・・・臭いのイヤ、ですわね」

「プッ・・・・・ゴホン」

 吹き出しそうになった。ダメだ、笑うな。堪えるのだ。

「そうか。分かりやすい名だ」

 アリューシュは真っ赤な顔で下を向いている。

 考えてなかったな。

それにしても・・・・センス無し。


 問題も?解消されたので依頼を受ける事に。

南の街道を南下している。

 東に見える山々は300年前と変わりはない。

 今も美しく聳えている。

 あの山の向こうはアジミール王国だ。

 知っている街道だと思うのだが、道幅が広くそれなりに整備されている。

 俺の記憶だと、この先は小さな漁村が2~3ある程度だった。

「レイラ。この街道を行くと、何処にいくのだ」

「ああ、アリストは知らないよね。この先には港町バラトーラがあるんだ」

「だから行商人の通行が多いのか」

「そうね、漁業が盛んで、大きい港町だよ」

 そうか。今では町になったんだな。

「行った事はあるのか」

「依頼で、一度ね。海の料理も美味しかったよ」

「いいな、海の食材は何年も食べてないな」

 前方から行商人が来る。

「魚、譲って貰おうか」

 レイラは行商人の元へ行き、交渉を始めた。

 見た目は冷たそうだが、思いやりのある優しい子だ。

「レイラはどうしたの」

 クルーシが不思議そうに尋ねた。

「魚、譲って貰うらしい。魚は久しぶりだ」

 ベイルは嬉しそうだ。

「いいわね、魚は美味しいものね」

 クルーシも喜んだ。

 アリューシュも笑顔で見ている。

 レイラは新鮮な魚を掲げ、笑顔で戻って来た。

 レイラは魔物の情報も聞いた様だが、オークの情報は無かった。

 日が落ちてきたので、野営の準備を始める。

「クルーシ、やっぱり塩焼きでしょう」

「レイラ、正解よ。この魚は、塩で直火焼きが一番だわ」

「外で食う直火塩焼は最高だぜ。酒が無いのが残念だけどな」

「ベイル、魔物が出たらどうするの」

「怒るなよ、クルーシ。冗談だってば」

 笑いが起こる。

 皆で、火を囲み笑いながら食事をする。

「アリスト、美味しい?」

「ああ、美味しいよ。レイラ、ありがとう」

「いいわよ。お礼なんて」

 少し照れるレイラ。

 魚か。何年ぶりだろう。素朴な味だが、美味い。

 こんなふうに食事をする事が、心から嬉しいと思う。

 レイラの優しい心に感謝しないと。


 食事も終わり、皆が紅茶を飲み始めた。

「明日はオークの襲撃のあった地点に到着しますわ。気を抜いてはいけませんのよ」

 アリューシュが、明日の為に空気を引き締めた。

「まかせろ」

 ベイルは力こぶを作って見せた。

 レイラとクルーシが笑顔で口をそろえて言った。

 衝撃の言葉を。

「まかせて。”臭いのイヤ”魔法が有るからね。」

 グッ・・・ププッ・・・いかん、堪えるのだ。笑ってはいけない。

 アリューシュは真っ赤な顔を手で覆い、下を向いてしまった。

 2人は気づいてはいない。そんな気持ちは微塵も無いだろう。

だが、これは無意識の嘲笑か。

 あの2人は鬼なのか。そうなのか。

 だが、しかし。何となく違和感があるのは俺だけか。

 辺境伯爵、いや、公爵邸に行ってからだ。

食後の紅茶。

 これが貴族かぶれ、と言う物なのか。そうなのか。

 アリューシュだけは絵になる美しさをかもし出している。

 これが王族の血と言う物なのか。そうなのか。

 と、そんな事はどうでもいいのだ。

 魔族の動向も気になる。早めにエルフの国に行く方法を考えなくては。

 港町も気になるが、致し方ない。

「なぁ、アリューシュ」

 まだ顔が赤い。

「はい」

「アジミール王国ってどんな国だ」

「そうですわね。最近は余りいい噂は聞きませんわ」

「そうか」

「ええ、初代の王は誠実な良い王でした。ですが今の王は欲望の塊の様な人物ですわね」

「欲望の塊ね」

「この国は希少な鉱山を複数抱えていますわ。それが欲しいのですわ」

「なるほどね」

「あの山を越えるのはどうだろう」

 東の山脈をさす。

「あの山々は険しい上に魔物の巣窟。何十日もかかる山越えは自殺行為ですわ」

「無理か」

 どうするか。やはりアジミール王国に入らないとエルフの国に行けそうもないな。

 とりあえず、依頼をこなす事を考えよう。


何かいい方法があるはずだ。



さぁ、久しぶりの冒険者の依頼だ。

 

腕がなるね。


ササッと討伐しましょう。


みんな、張り切っているな。


だって、臭いのイヤ があるからね。ムフフ


もう、忘れて下さいまし・・・・


悪い悪い。所で他にないのか、変わった魔法。


あ、ありますわ。


教えてくれ!


イヤ、イヤなのですわ。

 早く魔物討伐にいくのですわ。


ぴゅーーーーーー


行っちゃったよ。

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