『人前で邪険に扱えない』
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●人前で邪険に扱えない
「さて、とりあえず主人たち女性陣が温泉を堪能している間にお前に説明をしておこう。」
「あぁ、用心棒殿は人間なんでしたっけ。ここ1000年の間に人間界は魔神の存在をすっかり忘却しておられるようですからね。ええ、説明は必要でしょう。」
ユーシャが珍しく警戒して身を固くしている。
分かったか?普段勝手に情報をお前に知られてる恐怖が。
「ソラ様が一通りの情報を共有してくださいましたから。」
コウ殿はそう言ってにっこり笑った。
「まず、アカちゃんだとかソラ様だとか、アマネ様だとか、誰が誰のことを指してるのかがよく分からないんだが。」
「魔神族の方々は基本的に元になる音の名前、それをもとにした別の文字の名前、そこから意味をとった名前を持っているのです。」
僕はため息をつきながら紙に魔王様たちの名前を書く。
くっ、まさかここで僕が魔王様の名前について話すことになろうとは。コウ殿の手前適当に流すこともできない。
「魔王様の名前はシュキ様だ。」
「ああ、そうだな。」
「はっ?」
「何だ?続けていいぞ?」
何だその態度は。こちとらお前が魔王様の本名を知っていたかのような反応をしたことが気になって仕方ないんだが?
「……まあいい。シュキ様の文字としては朱姫という文字が当てられ、別名としてあかひめ様とも呼ばれているんだ。」
「だからアカちゃんなわけか。」
癪だが紙に書きながら説明してやる。
「たしかミンムーも眠夢とかいう文字が当てられてなかったか?エールやブールもそうなのか?」
「いや、普通の魔族は大体普通の名前だけだ。たまにゲン担ぎで文字を当てる魔族がいるだけだな。」
ユーシャは軽く頷いた。
「因みにアマネ様は天音と書きます。ソラオト様とも呼ばれるので私はソラ様と呼んでいるわけですね。」
コウ殿がそう言って身を乗り出して紙に説明を書きこむ。
「さて、由々しきことに人間界では魔神信仰が既にないとか。」
「魔神信仰?」
ユーシャが首を傾げる。本当に知らないんだな。
コウ殿がユーシャにおとぎ話を聞かせるように語る。
「魔神信仰とはその名の通り、魔神の方々を信仰することなのです。」
「人間界と魔界は同じ神を信仰してるんじゃなかったか?」
「そうですよ?」
ユーシャは怪訝そうに首を傾げる。補足してやるか。
「あー……。魔神族は基本的に地上に降りた、神直系の子孫だから。」
「は?!」
このことはユーシャも知らなかったらしい。
そうか、宗教関係へのリサーチは微妙なんだな?
勇「魔神が神直系の子孫?!」
魔「微妙に語弊がある気がする。次回でも説明は入るけど教会では、そういうことになってる、という話だ。コウがいるからブールもそっちに合わせて話しているので断定形で話してるだけだよ。」
勇「個人的には魔神の名前も面倒だな?まず音としての本名があって?」
魔「私で言うとシュキだな。」
勇「それに漢字を当てはめて」
魔「朱姫。」
勇「それを別の音で呼んで別名にするとか」
魔「あかひめって呼ばれることもある。」
勇「面倒すぎるだろう?!」
魔「気にするな。お前は私のことをシュキって呼んでればいいだけのことだし。」
勇「…………。次回は?」
魔「『魔神族について』『アマ姉のお人形』だよ!」




