『用心棒ユーシャの部屋』
●用心棒ユーシャの部屋
「とりあえず……ユーシャだったか?お前の部屋を用意してやったぞ。」
「用意してくれたのか?」
勇者が驚いているが、正直私も驚いている。
勇者を一番嫌ってそうなブールがそんなものを用意してくれるなんて……!!
デーン!!
「……これは……」
「テントです。」
だよね?!
何となく効果音をつけちゃったけど、城の中にデーンってテント設置されてるんだよ。
これ、部屋じゃないやつだよ?!
「ブ、ブール、さすがにこれは」
「ふむ。ありだな。」
「ゆーしゃぁー?!」
勇者は既にテントの中に入り寝そべっていた。
「え?これで良いの?部屋じゃないんだけど?」
「俺の基本的な寝床はそもそもテントなんだが。」
うわあ、旅人ってそういうとこありそう。
「つまりこのテントは」
「懐かしの拠点を思い出すな。」
懐かしの拠点……。
「それにこれならお前の部屋の真ん前に陣取れるからな!!」
「やめて?!」
「おまっ……ふざけるなよ?!それを用意してやっただけでありがたいだろう?!お前の寝床は地下のマグマ部屋だ!!」
ブールがそんなことを言う。
(それ、火耐性無いと継続ダメージ喰らうやつー!!)
「テントはありがたい。だが、貰ったからには自分の陣取りたいところに陣取る。以前は宿屋の前にテントを張らないで下さいと言われたこともあったが、今の俺はやりたいことをやると決めているからな。」
「宿屋の前にテント張ったの?!」
「注意されたので一応その時はやめた。」
「じゃあ今もやめてくれないかな?!」
「お前の部屋の中にテントを張らないだけ譲歩しているんだが……」
「そもそもの考えがおかしいんじゃない!?」
私の横でブールが笑顔を引きつらせている。
「魔王様。ここは僕が説教しますから、仕事にお戻りください。」
説教……。まあ、エールよりは力で言うことを聞かせようとはしないだろう。
それに笑顔が怖い。私は頷いてその場を後にした。
魔「別にブールが怖いわけじゃないんだけどね?」
勇「俺を置いていったくせに何を言う。」
魔「お前、ブールのこと怖がってないだろ?」
勇「まあな。」
魔「ですよねー?お前よりブールが心配だよ!」
勇「次回、『勇者のスキル』『悪魔ドン引き案件』だ。」
魔「お前本当に何をした?!」




