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1ページ目

蒼くんと言います。

もう一つの作品がなかなか書くことが出来ないので、練習も兼ねて新しく書いて見ました。

ポチポチ書いていくので、読んでくれれば幸いです。





名前 レオン

年齢 18

身長 185㎝

体重 84㎏


黒髪、碧眼のイケメン。誰にも媚びず、常に大胆不敵に笑っており、誰にでもタメ(ぐち)だが、何故か彼にはそれが許される魅力がありその姿はどんな状況でも変わらない。その威風堂々とした姿は周囲の者を安心させる。

魔力を出す気管が生まれつき閉じており、魔法が使えず幼少時に親や村の子供に苛められる。そんな中唯一自分に優しくしてくれたフィーと言う少女に一目惚れするが、ある日村がモンスターに襲われレオン以外は全滅。レオンも殺されかけるが、そこを引退した元冒険者のアル救われる。その時の弱い自分が赦せず、アルに戦いの技術を学ぶ。魔力を外に出す魔法は使えなかったが、体内で行う身体能力強化の魔法を覚える。通常、扱いが難しく、操作を誤れば命の危険があり誰も使わない身体強化の魔法だが、魔力を出す気管が無いと言うことは、体内で使う魔法に関しては無駄なロス無く魔力を魔法を使うことが出来るということ。その効果は一般の数百倍にであり、その腕力は巨人族と力比べで打ち勝つ。

そこに鍛え抜かれた極限の体術と剣技が合わされば、正に最強と言えるだろう。

15歳の時、邪龍ファーブルを討伐することでその力を継承している。その際、龍のみが使用できる魔法も使用できる様になっている。

大地を砕く随力、莫大な魔力、強力なブレス、聖剣すら跳ね返す鱗の防御力、魔法を無効果するシールド。討伐不可とされ、天災にカテゴリーされていた邪龍をどう倒したのかは未だになぞに包まれている。

その邪龍の亡骸は討伐時に漆黒の衣服と剣になっており、それを常に身に付け戦ったことから、漆黒の龍殺しの二つ名を付けられた。

さらに....






まで読み、遂に限界が訪れた。

表紙には「いつか解かれる第八試練(セキズオーダー)」と書かれており、経験がある人にはそれだけで頭を抱える代物だろう。



...やべぇ、どうしよう。



俺の名前はレオンではないし、漆黒の龍殺しとも名付けられていない。山本 総司というそこまで恥ずかしくない名前にザ・日本人という顔の21歳。


そんな俺は現在、他ならぬ自分自身の手で追い詰められている。


10月23日

至って普通な大学生活。特に目標もなく生きている俺は、短期バイトで稼いでは遊ぶという生活を繰り返していた。

今回も遊ぶ金ほしさに短期バイトを探し、今日が面接日だった。

内容としては職業体験のヘルプ。自分に合った職業を探すため高校生に様々な職業の体験をさせるらしく、俺は火事現場から逃げ遅れた一般人という設定らしい。

中々本格的で自分の身長や性格など具体的な自己紹介文を書かせ、それを元に自分にあった職業を探し体験させるらしい。

三日間だけだが、珍しいバイトだし時給もいい。すぐさま連絡、採用となり研修を受けることになった。


のだが、研修当日に寝坊した俺は焦っていた。

当日持ってくる用に言われた筆記用具諸々をろくに確認もせずにカバンに突っ込み、研修会場へ。

今日も職業体験をしているのか高校生の団体とすれ違ったが、今はそれを気にしている暇はない。

なんとか滑り込み会場で筆記用具を出したところで、心臓が止まった。



「いつか解かれる第八試練(セキズオーダー)


それは燃やし去りたい過去。

簡単に言えば、設定集。


中学の時に書いていた小説のネタ帳を、押し入れの隅っこで見つけた日は一日悶え続けた。家族に見つからずに処分しようと机の上に置いてあったのを間違えて持ってきてしまったらしい。

ノートには余すとこなく書き込まれており、余白が無い。

他の面接者から隠れるように中身を確認し、凍りついた。


なんだこれ。

誰だよ、レオン。いや、俺が昔に考えたんだけど。

第一、常に笑ってるとおかしいヤツだろ。なんだ、誰にでもタメ口とか。社会舐めんな。バイトしかやったこと無いけど、仕事で通用しないことくらい分かる。具体的には日々後退する親父の頭を見てたら分かる。後、無駄なロスって意味被ってるじゃねぇか。というか、なんで未だに謎に包まれているんだよ。エタッてるんじゃねぇよ。あと文章がなんか腹立つ。



とか、文句言ってる場合じゃない。


幸いにして研修自体はまだ始まっていない。今すぐこのノートを処分し、新しいノートを購入せねばっ。


そう思い、ノート片手に猛ダッシュする俺。


先程も見かけた高校生団体様の横をすれ違った瞬間、




世界が光に包まれた。













「こっ、ここは?」

「何が起こったの!?」


そこは先程までいた職場体験場ではなく、物語に出てくる祭壇の様な場所だった。校外学習として職業体験にやって来た僕達だが、急に光ったと思ったら景色が変わっている。

周りには一緒に体験していた班員の姿も見える..



(あれ?あの人は誰だろう...)



中、一人だけ見知らぬ男の人が立っていた。

全身を黒の服で揃え、腰には剣と思われる物を吊るしてある。まるでマンガの登場人物の様な姿。わけの分からない状況で混乱している自分達と違い、その整った顔には不安一つ感じさせず、寧ろ不敵な笑みさえ浮かべている。


何故か、その姿を見ることで冷静になることができた。

あの人の事は気になるが、まずは皆を落ち着かせることが先決だと思い声を張り上げる。


「みんな、ここは冷静に!全員いるか確認して!」


副委員長の肩書きが効いたのか、ひとまず静かになった班員。

皆を冷静にさせると言う第一目標をクリアし、次は状況把握に乗り出そうとした所で親友達が話しかけてきた。



「ねぇ、光希(こうき)。なんなのこの状況」

「知らねぇのかよ、明里(あかり)。これあれだぜ、異世界に呼ばれたんだ」

「はぁ?ふざけてんの、大地」

「ふ、二人とも落ち着いてっ」


強気な女の子の明里。

クラスのムードメーカー大地。

皆に優しい百合。


そんな、いつものメンバーが居ることに安心する。

反応を聞くに、3人全員がちゃんと居るらしい。


――よかった、みんな無事みたいだ――


「百合の言うとおり、今は喧嘩をしている場合じゃないよ。取りあえず、この状況を」


整理しよう、と言おうとしたのだがそれを遮る声が聞こえる。




「それなら、私が説明しよう。異界の勇者よ」



その声を聞いて


(あぁ、これは大地の予想通りか?)


諦めにも似た感情が過るのだった。













あれ、ここは?


黒歴史を抹殺せんと意気込んでいたが、急に光ったと思ったら何故か変な場所に変わっていた。


(な、なんだ!?何が起こった!誘拐?黒歴史持ってるのがそんなに悪いことなのっ!?)


激しく混乱する俺だったが、そこでふと違和感を感じる。

頭ではテンパって大暴れしているが、身体はピクリともしていない。と言うより、変わっていたのは場所だけではなかった。


(ナニこの服カッコイイ...じゃねぇ!俺はもう黒とか銀とかに憧れるお年頃は卒業したんだっ)


いつの間にか服まで変わっていた。腰にはこれまたカッコ...おかしな剣がぶら下がっている。



....?



どこか覚えのある服装を思い出そうとするが、それを謎の声に遮られる。




「それなら、私が説明しよう。異界の勇者よ」


その声の主はゲーム見たいな鎧(何故か殆どが布製の、身体を守る気のない鎧)を着こんだ美人。



「ここはシドニア王国、シドニア城の祭壇の間。そして私はシドニア王国女王騎士団(プリンセスナイツ)団長、セルビアだ」


美人の銀髪ねーちゃんが言うには、俺達は女神フォルティナの力を借りて発動する勇者召還の魔法によって、星を襲う邪神とやらを倒すために異世界から呼び出されたらしい。




なるほど、と思う。

ある程度は理解した。生憎、こういうパターンは嫌と言うほど知っている。何せ、昔はこういうのを日夜妄想していたものだ。


同時に、こうとも思う。

俺、邪魔じゃね?



先程はテンパって周りを見れていなかったが、落ち着いてみるとすれ違った高校生達がいる。

その子たちは茶髪のイケメンを筆頭にした美男美女のグループ。間違えなくあのイケメンが主人公たちだろう。




ここまで考察して、自分を振り替える。



男。21歳。童貞。



この時点で何でコイツが出てるのか分からない。



「今の貴殿らの身体は、貴殿らの情報が書かれた書物を媒介にこちらで作り上げたものだ。情報が不足している場合は女神フォルティナの御力で補われるはずだが、何か違和感はないかな?」


俺が心の中で涙している内にも話は進んでいたらしい。

どうせ俺は特に関与することなく死ぬんだ...と負の思考をしていたのだが、聞き逃せないことを聞いた気がする。



貴殿らの情報が書かれた書物?



それはおそらく職業体験の時に書いた自己紹介のことだろう。あれには自分の詳細を詳しく書いていた。だが、俺はその様なものを書いた記憶は...いや、待て...




(設定集(アレ)かぁぁぁぁっっ!?)




つまり、俺の身体は今、






「それと、こちらからも一つ質問させて貰おう。なんだ(・・・)、貴様」


俺を軽く睨み付ける銀髪のねーちゃん。それが合図だったのか、俺を遠巻きに囲うようにして甲冑の騎士達が槍を向けてくる。



(違うんです、誤解なんです。自分は一般人なんです。ですから、その槍しまって下さいお願いします)

「おいおい、人様を勝手に呼び出しておいてこの扱いはないだろう?こっちは無力な一般人だぜ?さっさと槍を下ろせよ」



誰にも媚びず、常に大胆不敵に笑っており、誰にでもタメ(ぐち)



誰だっ、この設定考えたの!?



「呼び出される勇者達は皆、人族のはず。しかしこの気配、魔龍《ドラゴン》に列なるものだろう。それが無力な一般人だと?笑わせるな。その剣は飾りか?」


(えぇ、飾りです。なんなら確かめてもらっても構いません)

「...へぇ、なら確かめてみろよ」



意味は一緒。だが、与える印象が真逆。コミュニケーションって難しいねっ。



「魔龍の中には姿を変える魔法を持つ者もいると言う。女神フォルティナの御力に引かれてやって来たか、邪神の眷属よ」


(いいえ、人類です)

「一応は人なんだが、アンタに言っても分からねぇか」


なぜこの身体はいらない言語を増やすのか。


「まぁ、いい。貴様の事は分からんが、これだけは分かる。かなりの強者だとな」


獰猛な目付きで剣を抜くねーちゃん。本来ならチビってもいい状況なのだが、この身体はチビらない。



「...もう一度聞こう。その剣は飾りか」

「もう一度言うぜ、確かめてみろよ」


俺が言い終わりるより速く、白銀が舞う。

おそらく周りの高校生には彼女が消えたように感じただろうが、


(恐っ)

「遅いっ」


初動から俺の目の前に来るまでを見切っていたこの身体は、彼女の振り下ろす剣をスレスレでかわす。


「シッッ!」

だが、相手もかわされるのは分かっていたのだろう。

振り切る直前に停止した剣が、跳ねるように俺の身体目掛けて突き出される。


「よっと」


その剣を、上半身を名一杯反らすことでかわしきる俺の身体。

更にそれだけでなく、バク転の要領で彼女の手首を蹴りつけ剣を弾く。


ねーちゃんは俺の追撃を警戒し、弾かれた剣には見向きもせず距離を取ったが、警戒された俺もそのままバク転を2、3続け、距離を取る。


弾かれた剣は俺とねーちゃんの丁度中心に在り、暫しの休戦が訪れた。



俺としては何を話しても喧嘩を売る形になってしまうので、黙っていたのだが...


「その顔、まだまだ余裕と言う事か。随分と舐めてくれるな、貴様」



どうやら俺の顔は無差別に喧嘩を売るらしい。



「その余裕、此処で叩き潰してくれるっ!」


気合いの入った掛け声と共に、こちらに手を向けてきたねーちゃん。その手には雷のようなエネルギー体が集まっており、なんとも危なそうにバチバチしている。

...ヤバくね?




「ライトニングボルトッ!!」



走馬灯を見る暇もなく、俺は雷に直撃した。










...あれ?生きてる。


反射ですら閉じなかったこの眼に見えるのは、放たれたであろう雷が蒼い障壁に阻まれている姿。

それどころか雷を吸収でもしているのだろうか、どんどん雷が小さくなり、何かが俺に流れ込んでくる。


そう言えば...




15歳の時、邪龍ファーブルを討伐することでその力を継承している。

大地を砕く随力、莫大な魔力、強力なブレス、聖剣すら跳ね返す鱗、魔法を無効果するシールド。




設定では、この身体は邪龍の力を継承しているらしい。

つまり、目の前の蒼い障壁は邪龍の持つシールドなのだろう。


「魔法を吸収...対魔力障壁かっ!?」



「ご明察。この障壁は魔法を吸収して自分の魔力に変換することができる。俺に魔法で攻撃しても魔力を貢ぐだけだ。」



「...」


最早無言なんだけど、絶対ぶちギレてるよこのねーちゃん。










「そうか..」


俺が戦々恐々としていると銀髪のねーちゃんが話し出す。

同時、その身体から溢れ出す光。



「成る程、確かに大口を叩く程の力は持っている」



その光は徐々に大きくなり、その形を変えてゆく。



「だが、一つ教えてやろう」



光はねぇーちゃんを護るように広がり、美しい羽衣へ。

手にはこの世の装飾を極めたかのような一振りの剣。



「なに、簡単な事だ」



気付けば俺の身体が腰に掛かる剣に手をかけていた。それは、俺の黒歴史が、百パーセント欲望で出来たご都合主義満点の『さいきょー』の身体が、危機を覚えていると言うこと。



「私はその上を往くっっ!!!」




――精霊降誕(エスペラント)――


もっとも神に近き存在である精霊の力を自身に宿す魔法。

『シドニアの精霊姫』とも呼ばれるセルビアの代名詞。

後々聞いたことだが、一騎当千の力を得るこの魔法は、通常魔王に連なる魔族や魔物の大軍を相手にする為の魔法であり、決して個人に発動するものではない。


しかし、



「上等っ!!」



迎え撃つは、漆黒の龍殺し()。

討伐不可と言われ、天災とされた邪龍の力を持つ規格外。

何より、恐るべきはその邪龍を単独で撃破したと言うところ。邪龍すら逃れられぬ剣撃の極致、神々すら見惚れる剣技にある。その業は如何なる困難すら切り裂き、越える。(設定集より引用)





「ハァァァァッッ!!」

「オォォォォッッ!!」





正に、最強対最強。


物語の一幕。


世界に残るだろう一戦は、




「双方そこまでっっっ!!!!」





可憐な少女の一喝で終わりを迎える。










なお、




(ふっ..ふつくしい...!)




途中から色々と諦めた当人は、動く度に揺れる胸やら登場した少女やらをガン見していた模様。













これは、黒歴史が紡ぐ、新たな歴史の1ページ。


ご意見、感想があれば言って貰えると作者が発狂して喜びます。

細かい所を書き直すかも。

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