ある文化の崩壊(計算したら大変なことに)
そこで見た恐ろしい話をしよう。
それはある文化が崩壊する様である。
東京23区の某区。
そこで日本文化が崩壊するような暴挙が行われていた。
某区某公民館。
そこでは年に二回、そこで活動するサークルが子供を集めて体験会を開くイベントがある。
私は例のごとく合気道の手伝いを……ではなく、ボランティアで技術スタッフとしてバックヤードを手伝っている。
地域のしがらみで仕方なく参加した。
その公民館では区議の関係者が琴の教室を開いている。
血縁なのかまではわからない。
だが、偉い先生なのだという。
もちろん夫が偉いから『偉い先生』なのか琴の先生として偉いのかは、琴の業界に疎いのでわからない。
だが公民館のスタッフの様子を見ると明らかにおべっかを使っているのが見て取れる。
少なくともやりたい放題が許される程度には偉いらしい。
私の第一印象は『頭悪そう』である。
「お前! 区議のXXに言ってクビにしてやる!!!」
どうやら公民館のスタッフとボランティアの区別がついてないらしい。
まるで我々を奉公人であるかのように怒鳴り散らしていた。
クビにしてくれるならこんなにうれしいことはない。
出入り禁止上等である。
だが大人としては波風立てるのも面倒くさい。
誰もが表面上は笑顔で応対しながら、親戚の区議には二度と投票しないと心に誓った。
そんな面倒くさいババァがトラブルを起こさないはずがない。
事件は開場から5分後に起こった。
子供の泣き声が開場に響き渡る。
「あのお婆ちゃんが叩いた!」
親とともに受付に怒鳴り込んでくる。
それも複数。
いや、会場に入った20人とその親全員だ。
全員が指すブースの名前……それは……
『琴を弾いてみよう』
なるほど。あのクソババァのブースだ。
我々が興味本位で駆けつけてみると、次の子供20人にババァが怒鳴り散らしながら、子供の頭を打楽器にように叩き指導している。
子供達はみな泣きながら嫌そうに琴を弾いている。
まさにやりたい放題である。
「あー。こりゃ(さっきのもあわせて)40人の子供が琴を嫌いになったわー」
公民館利用者協議会のの会長M氏がそうつぶやいた。
なんでも、ババァは10年以上もこの芸風で毎年二回の体験会を開いているそうだ。
もちろんこの芸風は小学校や幼稚園の親の中では有名で、『絶対行かないように』と注意されるレベルらしい。
だが、住民の入れ替わりの激しい我が区では引っ越して来たばかりの親がそのことを知らないで、琴のブースに行ってしまうのだ。
被害者数は一日300人以上!
毎年二回開催で年間被害者数は600人。
10年だから累計被害者数はなんと6000人。
そして親が二人いるとして琴のアンチになった人数は18000人。
さらに親兄弟、友人に言いふらすと考えるとその数倍が琴の敵に回ったと考えられる。
それがゆくゆくは全国に広がり、そのうち何人かは琴を潰そうとするかもしれない。
日本文化を破壊する凄まじい暴挙である。
ちなみにそのババアの関係者の区議さんの将来は決して明るくないだろう……
Mさん曰く「あのババァの関係者だったら次は投票しねえ!」
確かに無能な味方は敵より性質が悪い。