プロローグ 花が落ち、葉が落ちて、
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本作品はフィクションであり、実在の人物・団体・事件とは関係御座いません。
堀田雄二、独身三十三歳。
ブラック企業に勤めている、黒髪で普通体型の平凡な一人の男性会社員が、なんと太陽の下、帰路についていた。
ブラック企業でなくても、暗くなる前に帰宅できる会社は多くないかもしれないが、とにかく、俺にとっては驚愕に値する事態であり、現実感が無く、何となくフワフワとした感覚でゆっくりと歩いていた。
幸か不幸か、この状況の原因はクビになったからではなく、過労で倒れたからだ。
昼過ぎ頃、会社で仕事の真っ最中に俺は突然、意識を失って倒れ、早退して病院に行ったのだ。
勿論、流石はブラック企業…「病院が済んだら会社に戻って、早く仕事をしろ!!」と上司に怒鳴られたが、医師が会社に連絡してくれて、半休を貰えることになったのだ。病院って、こんなに親切だったっけ?
親切にして頂けた要因の心当たりとしては、疲れきった俺は診察中に限界がきたのか、医師と看護師の前でボロボロと泣き始めたことくらいだ。
大の大人が病院でボロ泣きしている姿は、珍妙かつ羞恥に塗れた情けない様だっただろう。
でもさ、仕方がないじゃん?
医師が「過労ですね。心当たりはありますか?お仕事はお辛いですか?」とか聞いてくるものだから、その瞬間、俺の頭の中で「仕事」「辛い」の二単語が勝手にグルグルと回り始めて、「あ、俺辛いわ」って急に自覚したら勝手に涙が出てきたんだから!俺だって泣きたくなかったよ!恥ずかしかったよ!!
通院しなければならないらしいのだが、次に行くのがもう億劫だよ!会社程ではないけどな!!
荒れる心中を他所に、周囲は現代日本では当然だが平和なもので、皮肉にも天気も最高だ。
暖かい日差しと心地良いそよ風が、ほんの少しだけ心身を癒してくれている気がした。
(あーあ......ペットを飼う余裕は無いから、植物でも買おうかな......枯らさないといいけど......)
体調管理はもちろんのこと、このストレス社会では己のメンタル管理も必須、最早、義務だ。己の管理を怠った俺は社会人失格だし、上司に怒鳴られるのも当然だった(※洗脳された社畜の個人的な見解です)。
「自分の面倒は自分で見なきゃな......」
溜息混じりに呟くと、何とも虚しい気持ちになった。
とりあえず、今後の対策のためにも植物を買うのは一案として悪くないだろうから、枯れにくくて育てやすい植物を買ってみよう。
そんなこんなで、歩きながら植物について考えていると、ふと通りかかった公園の花壇が目に入った。まだ学校にいる時間なのか、子供は一人もいない。それどころか、散歩している大人も一人もおらず、実に静かだった。
何となく、その公園に足を踏み入れてみた。
「へー、結構綺麗だな」
いったい、誰が手入れをしているのか......小さな公園の花壇だが、ずいぶん綺麗だ。
今の時代的に相応しくない言葉だが______“女々しい”と他者から思われるのが怖いので人前では言えないが、公園の静けさと、疲れもあってか、独り言が漏れ出た。
(俺にも花を綺麗だと感じる心があったんだなー......それとも、無意識に癒しを求めているから、より美しいと感じるのかな?)
公園には花壇だけではなく、木々も植えられており、緑色が目に優しい。
「勝手なイメージだけど、花は枯れてしまいそうだなぁ......種類によるのかもしれないけど。やっぱり観葉植物が良いよな?......おっとまた独り言が______」
「なら、私は如何ですか?」
「______えっ?」
俺の独り言......だったはずの言葉を、女性の優しくて綺麗な声が遮った。
声が聞こえた方______自分の右隣を見てみると、息を飲む程、美しい女性がしゃがんでいた。
「あっ、急にすみません。それで、私は如何ですか?」
「いやいやいや!本当に急すぎるし何も解らない!『私は如何ですか?』とは、どういった意味ですか?」
(......あれ?よく見るとこの美女、なんか......姿が変というか______“植物”っぽいぞ!?)
白い絹のように美しい肌や、春の太陽の柔らかい日差しを思わせる長い金髪はサラサラとしていて少し神秘的だし、大きな双丘のサイズは常人離れしているが、それとは別に、頭から生えているパッと見は髪飾りに見える白色の花、そして頭や首、手首に巻きついた蔓植物と少し大きな葉が、どう見てもアクセサリーには見えず、本物の植物のようだ。
特殊なファッションなのだろうか?白いワンピースだけは一般的な服に見えるが、金髪と若葉色の瞳からして外国人だろうし、日本人の俺にとっては変わったファッションを嗜んでいてもおかしくない......か?
そんな美女が、俺の質問に答えようと、外国人にしては流石に流暢過ぎる日本語で話し始める。
「______先ほど、植物を飼うお話をされていませんでしたか?勝手に独り言を聞いてしまったうえに、突然な申し出をしてしまって申し訳ないのですが......私はどんな植物よりも飼いやすいですし、癒しにも自信があるので、どうかなと思いまして」
「女性に対して、そのっ、『飼う』という表現はちょっと……!えっと、人間…ですよね?」
「いえ、緑の自然から生まれた葉女です」
「は、葉女!?!?なんですか、それ!?」
「人間で言うところの雪女のような感じで解りやすいかと思いましたので、そう表現してみました」
「えぇ…なるほど……?それで、単刀直入にお伺いしますが、俺と一緒に住みたいんですか?」
「はい!......いく所が無くて、どうすればいいのか解らなかったし、それに、実は人間さんの生活に興味があったんです」
「それで、丁度、俺の独り言を聞いて?」
「ワンチャンあるかなーと」
お茶目っぽくそう言って柔らかく微笑む彼女のその笑みには、確かに癒される。
それに、行き場の無い一人(?)の女性を放っておくのは心が痛む。
女性を自宅に連れていくのは常識的に考えて抵抗があるし、犯罪に巻き込まれるリスクがあるので、正直、怖い。
「恩着せがましいような気がして申し上げるか迷っていたのですが......何より貴方が凄くお疲れのように見えて、植物を優しい目で見て下さる貴方を少しでも癒したいと思ったんです。......もし良ければ私に癒させて下さいませんか?」
彼女は立ち上がって姿勢を正し、優しい瞳で俺の目を見ながら、俺に向かって握手を求めるように手を差し伸べた。
(ちょっとプロポーズみたいだな、と思った自分がキモい)
少し照れて顔に熱を感じながら、葉女さんの手を握った。
その瞬間、葉女さんは凄く嬉しそうにパァっと表情を明るくして「よろしくお願いします!」と元気良く言った。
その姿が可愛くて、さっきまで複雑な気分でいたことなんて忘れてしまったことに、この時の俺は気がつかずに、はにかみながら「よろしくお願いします」と答えた。
作者のデロアPS6-25です。お気軽にデロアとお呼び頂けますと、自分としても幸いです。
さて、私事で実に恐縮ですが、自分語りをさせて頂きます。
皆同じだと思いますが、自分も人生、本当に色々な事が御座いました。何度、苦しみ悲しんで、大切なものを諦めたのか。そして、自分は逃げたのだと無能なのだと散々責めたり、逆に時には諦めも肝心だと正当化したりも致しました。我ながら恥ずかしいですね。しかし、少々前に些細な変化が御座いまして、小説家になるという夢を分不相応ながらも追いかけてみようと決意致しました。些細な変化で変わる程、甘い人生ではなかった為ずっと俯き続きておりましたが、自分が少しでも前を向き、何よりも自分の小説を読んで頂いた方にほんの少しでも前を向いて頂いて欲しいという思いで活動に取り組んでおります。えー、一部、気持ち悪い不幸自慢のように聞こえてしまったかもしれませんが、ただ単純に、デロアも他の皆様も全員、生きていれば辛い事があるよね、だから少しでも元気になれるようにしたいね!というだけの事です。自分だけが辛いとは思っておりませんし、不幸比べ等も不要だと思うからこそ、前述した心持ちでおります。
大事な事をもう一つ。作者として、読者様になるべく不快感を与えないように配慮して小説を書いておりますが、作品のテンポを悪くしない為に全てを説明したり弁解する事はできません。何より、エロが好きな人もいれば、エロを不快に思う人もいます。その場合、両方に完璧に寄り添う事は不可能であるという事は、無論、ご理解頂けると思います。本作の前半、過剰な程にコンプラ諸々に気を遣って書いた結果、当然、通常よりも疲れました笑。炎上、イヤだ、絶対。しかし、気を遣い過ぎると筆が遅くなるので、程々にしてしまいます。どうか作者と読者の両方が楽しく作品を愛でられますように。
長くなりましたが、最後に作者デロアの自己紹介を!(癖がある為、以下は閲覧注意です)
好きなものは、平和、巨乳、美女、癒し、ロマン、エロ!
リアル趣味は、ファッション、メイク、美容、ネトゲ!
可愛いは正義!平和Love!何よりエロが最高!
追伸
本作品は疲れきった社畜を巨乳美女が癒してくれる日常系の主に男性向けの作品です。誰かが少しでも六葉ちゃんに癒されて頂けましたら嬉しいです!




