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藤原涼  作者: m@ho
13/13

涼と夢稔と千尋と梨沙


六本木に呼び出された涼は、黒のパンツにジャケットという装いに無難にしてきた。夢稔が社用車から降りてきて、いつものラフな姿を少し整えた感じである。

「いつもと変わんない感じだねえ」

「そんなに力入れてきたら、引かれるかなと。」

「なるほど」店に入りながら納得した感じの涼。少し早めかなと思っていたが、案内してくれたボーイが「お連れ様はお待ちしております」ということで丁度良かったようだ。

岡本巡査の横に外国人の女性がいた。

「こんばんは」

「藤原さんが驚いているので、先にご紹介しますね。友達の山崎梨沙です。」

「初めまして。山崎です。ブルガリアと日本のハーフなんです。日本しか知らないので、普通にお願いします。」安心した涼が話し出した

「藤原涼と大熊夢稔です。よろしくお願いします。びっくりしたー外人さんかと思った。」

「ですよね。特に梨沙は必ず英語で声かけられます。」

「ブルガリア語が少しと英語は日常会話なら話せます。母国語は日本語です」

「お母さんがブルガリア人?」夢稔が聞くと、不思議そうに山崎さんが聞く。

「そうですが、わかりますか?」

「いあ、大抵は父親の仕事で母国にいるだろうから」

「確かに」みんな納得。

ボーイが来た。「好き嫌いなければコースのしちゃう?」「いいですね。」「お腹は?空いてるでいいかな?」

「梨沙仕事は?」心配そうに岡本巡査が聞く

「再来週だから大丈夫。今日の分調整すれば良い。」

「仕事って?」不思議そうな夢稔が聞く

「モデルなんです梨沙」

「あ、食事少なめにして貰えばいい。岡本さんは普通でいいよね。」

顔色を変えたので、涼がすかさずフォローする「夢稔は仕事柄、体力使うだろうっていう意味ね。」「あ、ありがとう」夢稔が照れた

「すみません、このコースで、一人少なめで。野菜は多めかな?」頷く山崎さんと岡本巡査。

「みんな仕事があるから、シャンパンで乾杯のあとは、お茶かな?」反対はないようだ。ボーイが注文内容を復唱してから戻っていく。

「モデルだと体型維持が大変ですか?」

「みんなそこが気になるんですね」岡本巡査がすかさず答えた。

「体型のプロだから聞きたいよね。」

「モデルが全員体型維持に詳しいかと言うと疑問ですね。遺伝的なものが大半だと思います。太りやすい人が維持するのに詳しくはなると思いますが、糖質を抑えてタンパク質を取ることは全員共通なんじゃないかな。コントロールできない人は仕事が減るだけなので。」

「厳しい世界ですね」涼から思わず言葉がこぼれた。

「プロフェッショナルであり続けるか、少しだけ華やかな世界にいたいだけなのか。人それぞれ、考え方も人生も違いますからね」

「野菜入れますね」和服姿のウェイターが机の中央に置かれて沸騰している鍋に野菜を入れていく。

「藤原さん、今日は静かですね。」岡本巡査が笑顔で話しかけた。

「あっ、そうですか?」涼が応え終わる前に、夢稔が割って入った「女性との会食にこいつ慣れていないんですよ」「えっ、私には普通に話されてましたけど。」答えに困る二人。「仕事中の方なら話せるかなと思いますが、私用では何を話したら良いか分からなくて。」野菜を取り分けながら恥ずかしながら言う涼

「ありがとうございます。しかし銀行員だと女性の多い職場だし、お客さんとも話すこと多いでしょう。」分けてもらった野菜を食べながら岡本巡査が厳しくつっこむ。

「確かに」夢稔まで不思議に思い始めた。

「シャイな男性は業界には少ないので新鮮です」梨沙さんがフォローしてくれたようだ。

「岡本巡査に伺いたいのですが。」「何でしょう」ウェイターがお肉を持ってきた。

「私の事嫌いですか?」

「えっ」箸が止まる岡本巡査と梨沙さん。

「すごい直球できたね」肉を鍋に入れながら笑う夢稔。

「どうしてそう思うんですか? 嫌いならこう言う場をセッティングしないし」

「すみません、言葉の端々の言葉に攻撃的な言葉を感じて。」

「ごめんなさい。気をつけます」「千尋は昔から気になる人には攻撃的になる傾向があるのでわかりにくいかも知れない」

「藤原さんも結構攻撃的ですよ?」岡本巡査も反撃した。

「お互い様だね」夢稔が言う。「しかし、二人とも子供みたいだね」二人が赤くなった。

「そんな事ないですよ」「そんな事ない」

 同時に反応する二人に笑う夢稔と梨沙さん。

「まあ、まあ食べて」肉を取り分ける夢稔。

「そういえば、みんな兄弟は?」「多分一人」「一人」男性陣が先に答え。「3人」「2人」

 岡本巡査と梨沙さんが答えた。

「岡本巡査は男兄弟2人?」夢稔が聞く

「よく言われますが、兄と妹です」

「梨沙さんはお兄さんかな」「当たりです」「分かる気がする」

皆で同じ事を言い、お互いを見合わせ、卓上は笑いで包まれた。

「ところで、なんで多分1人なんですか?」岡本巡査が質問する。

「僕と涼が出会ったのが孤児院なんです。」

「えっ」女性陣2人は、言葉を詰まらせた。

「いやいや、びっくりするよね二人とも交通遺児なんですよ。僕は叔父叔母の所に行ったんですが、二人ともこの通り立派に。」ピリッとした空気が和んだ。

「交通遺児なら記録あるから多分というのは?」岡本巡査が聞いた。

「さすが仕事柄理解が早い。戸籍謄本では一人っ子。ドラマだと色々あるじゃない? だから多分と」岡本巡査は納得したようだ。

 家族がいて欲しいと願う気持ちが涼には痛いほど分かるのでいつも意見は言わないでいた。

 梨沙さんの夢稔を見る目が変わったようだ。

「華やかな記事しか見ていないから意外でした。」少し潤った目で見ている梨沙が答える。

「梨沙さんはお兄さんに可愛がられたでしょう。」涼が聞く。

「家族全員からかな」恥ずかしそうに答える梨沙さんを見て全員が笑顔になっている。

「お肉入れますが、お好みで皆さんお食べしますか?」

「ありがとうございます。自分達で入れますね。」涼が率先してお肉を入れていく。

「岡本さんは何故警官に?」夢稔が不思議に思っていた。

「こう見えて千尋は空手黒帯なんですよ」梨沙答えた

「すごい。」「空手もそうだけど、父も母も警官だったので、兄は頭が良くて検事になって、」

店に客が入りざわつく店、外の六本木には人が増え始め賑やかな町が今日も人を飲み込んでいく。

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