表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ユニーク英雄伝説 最強を目指す俺よりも、魔王な彼女が強すぎるッ!?  作者: 青色の鮫
第11章「恋敵の壊滅竜」

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

882/1346

第63話「ユニクとアールのお宝(珍獣)捜索記⑥」

「うおぉぉぉ!!《電荷崩壊刃(クーロンブレイカー)!》」



 雷光を纏わせたグラムが空気を切り裂き、直進する。

 その切っ先が狙うのは、黄金に包まれたカツテナイタヌキ・バビロン。



「させるか!!《タヌキ大節分ッ!!》」



 蹴り離した大地が音を発するよりも速く、次の一歩を踏みしめる。

 そんな俺の突撃を迎え撃つは、数千発の豆粒のような隙間の無い殴打だ。


 グラムを突き出し、殴打の渦を切り開く。

 剣諸共に飲みこまんとするそれを、ただひたすらに切って、斬って、霧になるまで壊し尽くす。


 その攻防は一進一退。

 だが、数千発の殴打の嵐が過ぎ去っても、俺の身体は一発も貰っちゃいない。



「どうした?タヌキの癖に攻めあぐねてんのか?」

「そのレベルにしちゃ、随分と戦い慣れてやがるな」



 一方、バビロンの全身は亀裂だらけだ。

 回避せずに攻撃を受けた鎧、その傷の深さは火を見るよりも明らか。

 浸透した破壊力によって、肉体にも相当量のダメージが入っている。



「まぁな。伊達に帝王枢機と戦っちゃいねぇよ」

「そうか。だが、俺はまだまだ、これっぽっちも本気を出しちゃいねぇ」



 バビロンは、明らかな強がりを荘厳不遜な態度で隠している。

 そのふてぶてしさは流石だと思うが……、タヌキが図太い性格をしてるのは、今に始まった事じゃない。



「来いよ」

「そうだな」



 重なった剣と両拳、その両者から激しく火花が散った。


 すれ違いざまに見たバビロンの黄金手甲は、既にボロボロの状態だ。

 一回打ち合う毎に外装の破片が宙を舞い、熱い火花となって世界へと還ってゆく。



「攻撃力も、スピードも俺の方が上。クソタヌキと同格の帝王と聞いて警戒していたが……、こんなもんか」

「ちっ、流石はグラム。硬い」



 パキャンという簡素な音を立てて、バビロンの手甲が砕けて落ちた。

 何度もグラムの破壊を重ね掛けした事により、ついに耐久値が尽きたようだ。


 絶対破壊を持つグラムにとって、原初守護聖界のような単純に防御力が高い魔法よりも、ランクが低い防御魔法の重ね掛けの方が破壊するのに時間が掛る。

 前者の場合は一度破壊すれば終わりだが、後者の場合は掛っている魔法の回数分の破壊が必要になるからだ。



「鎧は大したことが無く、頼みの帝王枢機も召喚できない。で、次はどうするんだ?」

「……。」



 確かにバビロンの鎧は、そんじょそこらの防具の比ではない強度だ。

 だが、神性金属の塊であるエゼキエルや、数百数千の魔道具の効果がインストールされたチェルブクリーブに比べれば圧倒的に劣っている。


 それに、帯電状態のような持続性のある破壊ならば、一度の攻撃で複数の防御魔法の破壊が可能だ。

 それを調べる為に色々と探りながら戦ってみた結果……、三撃もあれば壊せるようになっている。



「大人しく捕獲されるなら、痛い思いをしなくて済むぞ」

「そうだなぁ。やりづれぇし、それもありだな」


「やりづらい?」

「那由他様のお気に入りって符が張られてちゃ、本気なんか出せねー」



 カミジャナイタヌキの符?

 何のホラー話……、あっ、加護!



「それって、『儂の獲物に手を出すとは良い度胸じゃの』って加護の事か?」

「時々いるんだよ、那由他様のお気に入り人間」


「全く嬉しくねぇが……、タヌキにも効果があるなんて有能すぎる。って、トロイアには襲われたんだが?」

「アイツは馬鹿だから気付いてないんだろ」



 気付いていない、ね?

 あのポンコツ具合を見る限りそんな感じがするし、別にいいか。

 だが、コイツの行動まで納得するつもりはない。


 さっきから、バビロンの発言や行動に一貫性が無さ過ぎる。

 好戦的だったり、停戦を受け入れてみたり。

 まだ実力を見せてないと怒ったかと思えば、戦いを止めたそうな素振りを見せたり。


 いくらサチナの結界があると言っても腑に落ちない……、いや、これはもしかして……?



「なぁ、ちょっと聞きたいんだが」

「俺の口は堅い。それこそ、飯を食う時にしか開かんくらいにだ」


「さっきまで饒舌に話してたよな!?ちっ、栗ようかんは好きか?」

「そんなもん出されちゃ、口がプルップルになるぜ」


「……喰らえ!お得用・栗ようかんアタックッ!!」



 グラムの先端にようかんを突き刺し、全・力・投・擲!

 軽々と音速の壁を突き破ったよつかんは乱回転しながら進み、着弾。


 パンパンに膨れた頬袋を蹴り飛ばしてぇ思いつつ、疑問点を精査する。

 そうして導き出された答えは……、バビロンが既に魔王の手に落ちている可能性だ。



「あの奥の方に見える箱、あれって俺達が探してるお宝だよな?」

「箱には『お宝⑧』とか書いてあるな」


「率直に聞くが……、お前、宝を取りに来た人を妨害しろとか言われてない?」

「くっくっく、言われてるな」


「そうか。そうだよn……言われてんのかよ!?誰にッ!!」



 容疑者その一!腹ペコ魔王・リリンッ!!

 平均的なド天然で、カツテナイタヌキを即落ちペット化ッ!!


 容疑者その二!悪辣聖母・ワルトッ!!

 アホの子妹の影響で、タヌキ調教・習得済みッ!!


 容疑者その三!暗黒国王・レジェリクエシスターズッ!!

 唐突に起こった怒濤の超展開、発生したタヌキ因縁からは逃れられない!!


 容疑者EX!!アホの子・セフィナッ!!

 最早、何を仕出かすか予測不能ッ!!

 つーか、あんなに目立つアップルルーンに乗ってるのに見かけないんだけど、どこいったッ!?!?



「で、誰の入れ知恵だ?」

「サチナなのですー」



 ……。

 …………。

 ………………え?


 唐突に後ろから掛けられたそれは、紛れもない狐娘の幼声。

 鬱蒼と茂る深緑の葉の隙間から延びる太い木の幹、そこにサチナが腰かけている。



「……いや、なんで?」

「サチナは真っ当に勝負をしようと思ったです」


「うん。そうだよな。魔王共の中で唯一の癒し成分だし」

「でも、姉様がズルをしようとしたです。で、返り討ちにする際にサチナもズルをしたです」


「なるほど?記憶を読めるって話だってもんな?」

「これは不可抗力だったので仕方が無いのです……。一回やるのも、十回やるのも同じなのです」



 ……。

 要するに、サーティーズさん同様に他のプレイヤーの記憶を読んで、お宝の場所を把握しようとしていると?

 で、なんか居たバビロンを餌にして俺を足止めし、まんまと記憶を手に入れたと?



「帝主様がカードを4枚も持ってるとは思わなかったです。ご馳走様なのです」

「おう、俺も本気でやってるからな」


「じゃ、サチナは早速、カードの回収に行くです。あ、バビロン、もうちょっと足止めしてくれると助かるです」

「任せておけ」



 そうして、満面の笑みを浮かべたサチナは鬱蒼と茂る森へ消えた。

 なお、追従する影が何故か二つもあった。


 ……お前はサーティーズさんの相棒だっただろ!?

 キングフェニクース!?!?



「元々、分かっちゃいた事だが……、なんだこの宝探し。すっげぇ混沌」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ