第45話【責任・充実】
明くる年の1月。稽古も遠征もたっぷりと重ねて、新チームとしての経験も円熟しきった頃、春の全国選抜大会の予選が開かれた。
僕ら山内章領のオーダーは先鋒が木崎くん、次鋒に石原くん、中堅が坂間くん、副将が玉川くん、大将が僕。全員が新3年生だ。
みんな、他の強豪校の選手みたいに攻撃力があるわけじゃない。だから大事なのは、まず相手に点を与えないこと。そして、余裕があったら一本を狙いに行こうというのを、全員で徹底する。だから、よっぽど相手のチームに穴がない限りは、ズルズル勝負が引き延ばされて、僕がとらなきゃいけないことが多くなる。
そういう流れが一日中続くと言ったらそうでもない。案外みんな鍛えられているから、序盤戦だと前で決着をつけてくれる。ほら、1回戦も2回戦も僕に回ることなく価値が決まった。だけどこれが大会が進んでいくと、決着が伸びて、僕が引き分けも許されない展開が増えていくだろう。
はてさて、昨年のインターハイ準優勝校、光誠学園サマはどんな感じなんだろう。
先鋒から三枝、片倉、江藤、柴田、外田。整列すると先鋒から徐々に身長が上がってきて、最後外田くんで頭の位置がガクッと下がる。
たしか1年生が2人で三枝くんが広島、江藤くんが千葉の出身だ。それにしても片倉君がレギュラー入りとは。地元では結構強かったけど、光誠のレギュラーになるためにきっとすごい努力をしたに違いない。中学時代を知ってたから何となく嬉しい。
彼らの盤石な試合ぶりを見届けてから、自陣に戻って次に備える。




