第四話 わくわくドリームランド その一
初めて感想を一件いただきましたっ。『なんだか、心がほっこりするお話ですね』って。
読んでいただいている方が、どんなふうに感じられているのか、とても不安に思っていたので、とっても嬉しいです。
ありがとうございました。
王国各地では、ハーベスト領から広まった、手押しポンプの設置はだいぶ進んだが、上下水道の整備は資金的にたいへんで、長期計画となっている。
《杜のくまさん鉄道》の開通とともに、人や物の流通が飛躍的に拡大し、南北の農産物の取引や漁業の振興での水産物の流通が、商業の発展を促進し、そして王国の人々の生活を日々豊かなものへと変えている。
『だが足りないっ。人々を笑顔にするためには、足りないのだっ!!』
そこで俺は、誰もが楽しめる娯楽施設、遊園地の建設を計画することにした。
《シルバニア王国手つなぎ政策 第三弾 遊園地を作ろう計画》である。
建設地に選んだのは、ブルータスの街とハバナの街の間のある〘トロロの村〙、距離的に駅を設けた場所だが、何もない草原地帯である。
鍛冶ギルドで計画を話すと、にわかに皆の目の色が変わった。
観覧車にジェットコースター、回転木馬にトロッコの列車、人形たちの、あるいは動物達のメルヘンな城や建物、あとは皆さんのアイデア次第と言ったところで、壮絶な駆け引きが始まった。
〘誰か何を創るか、〙である。各人イメージが拡がってとどまるところを知らない様子で、意外にも夢のあるもの創りに飢えていたらしい。
結局、鍛冶ギルドの中で、プレゼンを行い決めるように落ち着いたようだ。
孤児院の中でも、ミーシャはメルヘンをこよなく愛する少女だ。
コウジに助けられた時、4才だった彼女も4年経ち、8才の年少組最年長に成長している。
ミーシャは、少女達が誰しも憧れる王子様や魔法使いの夢物語を、さらに想像を膨らませて、自分の物語を創ってしまう。
そして、その物語を描くのである。今では、孤児院の図書室に、ミーシャが描いたその種の絵本が何冊もあり、年少組の愛読書になっている。
そのことを知っている俺は、鍛冶ギルドの皆に『参考になるかも知れない。』と話したところ、次の日から孤児院の図書室は、鍛冶師達で溢れることとなった。
「ねぇ、おじちゃん、そのご本、おもちろいの?」 幼気な年少組の子達に尋ねられて、
「あぁ、おじちゃんは、こうゆうお城が創りたいんだよ。」そんな会話がなされたとか。
鍛冶ギルドの面々の分担が決まったとの報告を受け、俺はギルドへやって来た。
安全性の徹底とそのための技術指導のためだ。レールや車輪、車両の骨組は鉄製とし、シートベルト又は固定枠を、緩みなく作ることなど、多岐に渡り詳細に説明する。
子供達の予期せぬ行動にも対応できるよう、安全ネットを張り巡らせるなど、二重三重の安全対策を指示する。
「それぞれの施設は完成後、人形を使って、100回の試験を行い、もし一回でも事故が起きれば施設を撤去します。
再度の試験は一年後とし、すぐには認めません。じっくり安全と取り組んでいただきます。」
皆、その厳しさに声もない。安全第一だからね。
私の名はミーシャ、孤児院の年少組にいます。
コウジ兄ちゃんが《遊園地》というものを創るって聞いて、その中に私の夢見る《お城》が造られるって聞いて、もう大興奮です。
お城を造る鍛冶ギルドのおじさんが、絵に描いていない茶器とか花瓶とか天井の色とか、私に聞いてくるんです。その度に一生懸命考えて、でも、楽しみで楽しみで《わくわく》します。




