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異世界ランボーな生活《悪業には、天誅を。スマホ検索で、生活改善。俺の目指すのは、まわりのみんなの笑顔だよ。》  作者: 風猫《ふうにゃん》
第三章 俺の知識は、困ってる人々を救うためにある。
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第ハ話 子爵代行

 ハーベスト領のインフラ整備を始めてから、毎日、ハーベスト邸に通い、子爵の執務室で、子爵と並んで、次々と上がってくる、インフラ整備関係の書類の決裁を行っている。

 もちろん決裁権は、子爵の専有事項だが、大方針や重要事項以外の詳細については、俺にしか判断できないので、そうなった。

 おかげで、舘の皆には、『代行』と呼ばれている。

 別に、呼び名など、どうでもいいので放置していたら、いつの間にか、子爵が正式な役職にしたらしい。


 地震から、一年程が経ち、ほとんどの公共施設も完成した頃、俺は、子爵に話し掛けた。

 「そろそろ俺の役目も終わったようです。これから後のことは、子爵がなさってください。困ったことがあれば、その時には、お手伝い致します。」

 「そうか、今日まで、本当にご苦労であった。明日からは、少しゆっくりとするといい。だが、コウジ殿は、この私の代行であるから、私の身に何かあったときは、あとを頼みますぞ。」

 へっ、なんで、そうなるの? 跡取りは、レイネでしょう? おかしくね?

 「それは、どういうことでしょうか?」

 おそるおそる尋ねると、

 「なあに、となりの部屋に行けばわかるさ。」

 そう言って、それ以上なにも言わず、俺を送り出した。


 執務室の奥は、子爵の居住区である。

 俺が、今日で仕事を終えると、聞いたのであろう。

 「コウジさん、お仕事、ご苦労様でした。」 

 「コウジ様、今日まで本当にありがとうございました。」

 そう言葉を掛けられ、レイネと子爵夫人であるシモーネに迎えられた。


 「あのぅ、子爵から、万一のときは、あとを頼みますとか、言われたのですが、それは、レイネさんのお役目ですよね?」

 「ええ、本来は、そうと思います。でも、コウジ様がこれだけのことをなさいましたから、いまさら、レイネにあとのことを全て、というのも、酷なことかと思います。

 ですので、このあとも、領主代行として、レイネの補佐をお願しますね。

 それと、おいおいで良いのですが、レイネを貰っていただけないでしょうか?」

 はあ? レイネを貰う? 結婚てこと?

どうして、そうなる? 

 「あのぅ、もちろん領地の開発や整備についてお手伝いをするのは、やぶさかではありませんが。 そのことと、レイネさんを貰うとかは、別のことでは?」

 「コウジさん、私のことは、お嫌いですか? 私は、そのぅ、コウジさんが好きですっ。」

 顔を真っ赤にして、そう言うレイネを見て、ため息しか出なかった。

 「俺もレイネのことは、嫌いじゃないですが、レイネも俺も、結婚とかは、まだ早すぎると思います。これからもっと仲良くなれば、そうなることもあるかと、、、。」

 そう答えるのが、精いっぱいだった。 

「はいっ、がんばりますっ。」

 いや、そうのは、がんばることじゃないのだが。 

 ともかく、俺は、レイネと『付き合う』ということになった。

 はあ、まわりの皆に、なんて説明しよう。俺は、深いため息を吐きながら、孤児院へ帰って行った。

 

 ちなみに、このことを、ナターシャさんに、ため息混じりに、打ち明けたところ、

 「今さらですか。皆、とっくにそう思ってましたよ。はあっ、もう。 レイネさんを呼び捨てにする時点で、そういう関係だと思うでしょっ。」

 えっ、そうなの? そんなこととは、つゆ知らず、いろんなことに夢中になり過ぎてたと、深く、ため息を吐く俺だった。

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