第五話 宝さがし
当面の皆の暮らしをゲルで凌いで、パネル工法の家ができるのを待つ。
ただ、その費用を捻出しなきゃならない。
ゲルを購入した費用は、カルロ商会に、酒のレシピを教え、売上の10パーセントを貰っていた分で賄ったが、パネル工法で家を建てるとなると、そんなものじゃ済まない。
子爵家にそんな資金力がある訳もなく、もちろん領民に払える訳もない。
俺は、温めていたプロジェクトを発動させることにした。
ブルータスの街を流れるキスカ川の上流で、川が大きく曲がった場所に目をつけ、ボッシュを連れ、砂金の調査を行った。
すると、やはり見込みどおり、砂金が見つかった。となると、川の上流のどこかに金鉱がある。
その日から、ボッシュと二人、川をさかのぼり、1キロごとに砂金の採取を行った。
そして40キロもさかのぼった山間で、砂金が採れないのを確認すると、周辺の地形を入念に調べ、そしてついに、金鉱を発見した。
この間、約二ヶ月。俺達の苦労は、報われた。
山を下ると、ハーベスト子爵邸に向かい、このことを伝え、鉱夫を手配し、発掘を開始することとした。
金鉱発見のニュースは、瞬く間に領民に伝わり、それがバネル工法の家の建築費用になると知ると、誰もがその発見を喜び、苦労して発見にこぎつけた俺達を讃え、ボッシュコウジ金山と名付けられた。
多大な協力をしてくれたボッシュには、カルロ商会の最高級酒をプレゼントしたが、この酒の為なら、もう一度、金山を見つけてやると、言われ、呆れてしまったのは、余談だ。
こうして、俺のプロジェクトは成功したが、『二ヶ月も会いに来てくれないなんて』と、レイネに、長々とお説教を賜り、この責任を取ってくださいねと、デートの約束をさせられたのは、全く不可解だ。




