いつかの声
三千年前――
「何で? 何であたしを独りにするの! 一緒にいようって言ったでしょう! あれは嘘?――嘘なんてついたことないじゃないですか、いつもあたしには正直だったでしょう? ねえそうでしょ――何で唯一の嘘が……選りによってこれなんですか……? 他にしてください――他の嘘ならどんな嘘でも、怒ったり責めたりしないから……」
二千年前――
「……忘れたのですか。忘れることが許されるとでも思った? 忘れていないというのなら、なぜそんなことをしようと言うのですか! あなたのせいであの子たちはたった三人にまでなったというのに? それともこのことを知ったわたくしに、なお留まれと言うのですか」
「もう守らない。もう何も守ったりしない。そんなことがこのわたしに許されるはずがない! もう一度会ってちゃんと話したいけれどそれも出来ない! あの人が命より大切にしたものを差し置いて、他の何を守れるという! わたしがあの人を殺したのよ――」
千五百年前――
「もう何もしてほしくない。答えてくれるだけでいい。――あたしは、あたしたちは、そんなことのために命を捧げさせられた人たちのために戦ったの?」
千年前――
「お願いします。わたしを最後にしてください。あの子にこんなことはしないで。――願いには代償が要りますか? でももう無いの……全部あなたに捧げたのだから」




