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子竜の進む異世界成り上がり  作者: 夜桜
二章 進出、人類領域
19/55

無限廻廊

更新、遅くなって申し訳ありません。理由はデータが飛ぶと言う悲惨な事がありましたからです……(泣)


報告

パッシブスキル超直感が超感覚になっていましたので修正致しました。

パッシブスキル五感上昇を超感覚に変更致しました。

パッシブスキル超思考を特殊スキルへと変更致しました。

翌日のまだ日も明け切らぬ早朝。防衛都市アクウェリウムの門の前に俺の姿はあった。


「まさか、こんな朝早くからいるとはな……」


俺の視線の先にいるのはその美しい容姿にそぐわぬ、膨大な魔力を秘めた女性。アクウェリウムにある冒険ギルドのギルドマスター、エステル・フォレスティーアその人だ。


「そりゃあ君をこちらの都合で危険な場所へ送るんだ。これくらい当然の事さ」


エステルはそう言って微笑む。美しい容姿をしているだけにその表情はとても絵になる。大抵の男はこの笑みを向けられただけで顔を赤くしてしまうだろう。だが俺の目は誤魔化せない。エステルは表情こそ笑顔だが、その雰囲気は暗い。


「はぁ……この依頼を了承したのは俺だ。お前が気に病む事は無い。それに俺としても死ぬつもりなどさらさら無いしな」


俺はエステルに向かって苦笑しながらそう伝える。


「ふふっ、やっぱり君の目は誤魔化せ無いか……ありがとう、少し気が楽になったよ」


それを聞いたエステルは少し驚いた表情を作るも、直ぐにホッとしたような表情になり、纏っていた暗い雰囲気が僅かに晴れた気がした。


「じゃあ俺はそろそろ行く。ま、あまり期待はしないでいてくれ」


俺はその言葉を最後にエステルに背を向けて歩き出した。背後からはまだこちらを見ているエステルの気配を感じたが、俺が門を出たらその気配も消えた。おそらくギルドに戻ったのであろう。


門を出てから10分くらい歩き、周囲に人の気配が無いのを確認した俺は、竜化を行い、体長15メートル程の混沌竜(カオスドラゴン)へと姿を変える。そしてそのまま巨大な翼をはためかせて大空へと飛び上がり、無限廻廊へと向かう。勿論闇魔法での隠蔽も忘れていない。


「あーあ……あと数週間後にはトウテツとか言う化け物との殺し合いをしないと行けないかのか……死にたく無いな……」


大空を高速で飛行する俺のそんな呟きに答える者はただ一人としていない。


***


大空を高速で駆ける事約1週間。俺の姿は無限廻廊に近くに位置する防衛都市グランビエルにの冒険者ギルドにあった。

俺の前にいるのはこのグランビエルにある冒険者ギルドのギルドマスター、ゲイル・グランテスト。

40〜50代に見えるその男には、一つだけ今まで会って来た者達とは違う特徴があった。それは頭に生える犬耳だ。

40〜50代の厳ついおっさんに生える犬耳とか誰得だよと思わなくも無いが、こう見えて見た目の10倍は長生きしている獣人族だ。


「お前がエステルの言っていた少年か……随分と早い機動力を持っているじゃないか。流石エステルのお墨付きを貰うだけある」


ゲイルは見た厳つい見た目通りの渋い声でそう言うが、その声は何処か元気が無かった。だが今の状況を考えればそれも仕方ないだろう。

今のグランビエルは活気が無く、普段はそれなりの数がいる冒険者や商人も今や数える程しかいない。こと、住人達に至っても外を出歩いている者の姿は殆ど無く、皆さっさとこの街を去るか家の中で家族と共に終わりの時を待っている。


トウテツが現れた事はグランビエル全体にすぐさま知れ渡り、その分素早く箝口令が出された。そのためこの街から去る者達から情報が漏れる事は無い筈なのだが、人の口には戸は立てられ無い。幾ら箝口令を出したところで他の国々にこの事が知れ渡るのも時間の問題だ。

もし仮にこの事が世間に知れ渡ったらこの街は本当に終わりだ。早い話トウテツをどうにかしない限りこの街に未来は無い。だがその未来を明るい物とする壁は高く、厚い。


「先に言っておく。今の俺じゃあトウテツになんて絶対敵わない。勿論全力を尽くすつもりはあるがそれでもトウテツと言う存在はデカ過ぎる。上手く行ってギリギリ撃退出来るかどうかだ。そこは理解して欲しい」


それ故俺は正直に話す。だって仕方ないだろ?トウテツはSSSランクから特SSSランク。それに加え、エステルの言っていた悪魔族の強さは定められているランクより2ランクは上乗せして考えろと言う言葉。どう考えても勝ち目なんて無い。


「ああ、分かっている。こちとら【破壊王(デストロイ)】に断られた時点でもう諦めてたんだ。そんな中来てくれたお前を感謝こそすれど、責める事は決して無い」


ゲイルの言葉には確かな重みがあり、流石は防衛都市の一癖、二癖もある冒険者達を纏めているだけある。それ故俺も安心し、ゆっくりと席を立つ。


「なら話は終わりだな。明日の朝には無限廻廊に向けて立つ。そう簡単に死ぬつもりは無いが、数日経っても俺が帰って来なかったら死んだと判断してくれ」


そう言って俺はゲイルと話していた執務室を後にした。


***


翌日、俺は混沌竜(カオスドラゴン)の姿になって無限廻廊へ向けて飛んでいた。


「これが中級種の悪魔族の力か……まだ何十キロも離れていると言うのにここまで威圧感が伝わって来るとはな……」


現在俺がいる場所はまだ無限廻廊から数百キロは離れている場所だ。それにも関わらず強大なプレッシャーが大瀑布の如く押し寄せて来る。


「チッ、やっぱり引き受けるんじゃ無かったな。失敗した」


押し寄せて来るプレッシャーに顔を顰めながらも、俺はそう思わざる得なかった。


その後数日間の飛行を行い、遂に俺は無限廻廊の入り口に着いた。

無限廻廊は巨大な洞窟型のダンジョンであり、その入り口は何者も喰らい付くすと言わんばかりの威圧感を放っている。それは本能的に足を踏み入れるのを躊躇わせ、薄暗い洞窟の内部に所々で光輝く何かは俺の恐怖心を煽って来る。

押し寄せて来るプレッシャーは先程までとは比べ物にならない程強く、濃密な物になり、「竜覇気」である程度の相殺をしていないと俺でも意識が危ない。


「こりゃあ確かに普通の人間達じゃ無理だな……」


「竜覇気」はドラゴン族特有の物であり、他の種族がこれを覚える事は出来無い。勿論人間族や妖精族と言った人類側にも竜覇気に準じる能力はあると思うが、使える奴がいればとっくにこの話はそいつに行っているだろう。最もその人物が受けるか否かは分からないけどな。


「行くか……」


無限廻廊は巨大なダンジョンの事を呼び、出入り口は魔族領側に一つ、人類側に一つだけだ。つまり一度入ったら次に光を見る時はもう魔族領だ。


俺は意を決してダンジョンの入り口を潜る。


入り口は竜化した状態の俺が縦に10体いても問題無く通れる程高い。これなら大型の魔物だろうと問題無く通れてしまうだろう。トウテツの大きさはまだ実物を見て無いから不明だが、流石に150メートルを超えるとは思え無い。そう考えると今まで人類領が無事であったのは幸運だと言えよう。


「ふーん、ここが無限廻廊か。名前通りだな。もし今ここにトウテツがいなければ散策してみたいところなんだがなぁ……」


無限廻廊とは、似たような空間が永遠と続き、訪れた者の心を折っていく事から名付けられた名であり、その由来通り内部は同じような光景がずっと先まで続いていた。ここは探索系の魔法が無いと間違い無く迷ってしまう。


「むっ?」


俺が無限廻廊を進んでいると、奥の方から何かゲル状の生物が現れた。早速神魔眼で調べてみる。


ーーーーーーーーーー

ムゲンスライム・・・スライム型。いくら攻撃しても生きている限り無限に高速再生を繰り返す。体は強力な酸で出来ており、魔法以外の攻撃ではダメージを与える事が出来無い。特Sランク。

ーーーーーーーーーー


「なるほどな……」


呟きながらシュヴァルツ・ヴァイスを構え、魔力を込めて目の前のムゲンスライムに向けて引き金を引く。


ドパンッ!


放たれた魔力弾は、何かが破裂するような音を立ててムゲンスライムへと着弾し、ムゲンスライムの身体を吹き飛ばす。


「へぇ、これが高速再生か……」


魔力弾の直撃を受けて、体の7割を失った筈のムゲンスライムだったが、そのダメージも巻き戻しのようにどんどん戻って行き、数秒後には元のムゲンスライムへと戻っていた。


「ならこれが一番効率的だな」


そう言って俺はユニークスキルである「混沌魔法」を使う。


「『混沌ノ陣』」


俺がそう言うと、ムゲンスライムを中心とした白と黒が混じったような色合いの魔法陣が現れ、一瞬光ったと思った時には、既にムゲンスライムは核を残して消えていた。


俺が使った魔法は魔法陣を起点として小さな異次元空間を作り出す魔法だ。これはアイテムボックス系統の物に使われている時空間魔法と似ているが、空間を作り出してその内部の時を操る時空間魔法とは違い、混沌魔法は呑み込んだ物を問答無用で消滅させる魔法である。


「さて、ムゲンスライムを頂くとするか」


俺は残されたムゲンスライムの核を拾うと、「弱肉強食」を使用してそれを喰らった。


『ムゲンスライムの捕食を確認しました。スキル【高速再生】を獲得しました。パッシブスキル【自動治癒】を獲得しました』


脳裏に響く世界の理を聞きながら、俺はたった今獲得したスキルの能力を確認してみた。


先ず「高速再生」はその名の通り傷を高速で回復させるスキルであり、確認の為自分の手をそこそこの深さ切ってみたところ、発動させて1秒も掛からず傷口を塞ぐ事が出来た。これは傷の大きさにより回復時間は前後するんだろうが、それを踏まえた上でもかなりの高性能なスキルだ。

次に「自動治癒」。これは世界の理も言っていた通り、パッシブスキルであり、傷を負っても自然に回復してくれるスキルだ。これも名前を見たところ回復系スキルなので再び自分に傷を作って試してみたところ、先程高速再生を試した程度の傷なら5〜6秒で回復させてくれた。


「どちらも回復系スキルだがかなり便利だな……これは使い所も多いだろうな……」


これに加えて何か別の回復系スキルを獲得すればかなり便利なスキルに統合されそうだ。それに今回のムゲンスライムで新たな事が判明した。今までは統合でしか手に入らなかったが、パッシブスキルだったが、「弱肉強食」でパッシブスキルも獲得可能だと言う事が分かった。やっぱりこのスキルは強力だな。


「さて、そろそろ行くか……」


押し寄せて来るプレッシャーは進むたびどんどんと強力になって来る。それに先程の混沌ノ陣で向こうもこちらの存在に気付いたようで、向こうからも少しずつ近付いて来る。


「これはもう逃げられ無いな……覚悟を決めるか……」


更に言えば混沌魔法はその特殊性によりかなり察知され易い魔法だ。それ故、ムゲンスライムとの戦闘を察知したのはトウテツだけでは無いだろう。俺にはこちらに近付いて来る馬鹿げた魔力を纏う存在の他に、Sランクや特Sランク相当の魔力を持つ存在も複数察知出来た。

馬鹿げた魔力を纏う存在は間違い無くトウテツだ。この感じだとトウテツとの接触までは 後一時間半と言ったところか。


「ならそれまでに他の魔物を片付けとか無いとな」


トウテツとの戦闘はかなり厳しいものとなる筈だ。そんな中他のSランク以上の魔物に構う余裕など有る訳が無い。

俺は竜神刀とシュヴァルツ・ヴァイスを構えてもう直ぐそこまで近付いて来ている魔物達との戦闘に備える。


ーーーーーーーーーー

Name: ガドウ


Rece: 混沌竜(カオスドラゴン) (魔人)


unique: 「混沌魔法」


Special: 「弱肉強食」「竜化」「海竜化」「神魔眼」「超思考」


Skill: 「闇魔法」「竜覇気」「豪腕」「影移動」「嵐魔法」「魔力転移」「高速再生」・・・New!


Divin: 「ガリオンの寵愛」「竜神の加護」「麒麟の加護」


Gift: 「王種の種」「王種の証」「進化の苗木」「神種の種」

ーーーーーーーーーー

Passive: 「全把握」「全域移動」「超感覚」「能力加速(ステータスブースト)」「自動治癒」・・・New!

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