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第十四話 オークキング登場。・・・だよね?


ヒミコさんの示唆した通り、村の裏手にそいつは居た。


『ほぉ。儂に気がついたか?人間にしてはやる様だ。』


オークキング。オーク達の王様。

人間とは違い、強い個体だからこそ、キングとなる。


『それとも、怖れを抱いて逃げる所だったかの?』


もしかして、正面から来ていたオーク達の事か?

あれは消失したけど…気がつくわけ無いか?

それとも異変を感じているけどあり得ないと思っているのかな?


「わははは。面白い冗談だな。こいつ知らねぇんだな?」


プレストンさんが笑い出す。


『なんだ?気が狂ったか?』


なぜ、笑うのか?がわからないのだろう。すこし戸惑いが見受けられる。

まぁ、一瞬で消滅はないわな。


『この豚は馬鹿なのじゃな。』

『人間風情と舐めているのでしょう。』


だと思う。

それにあれは無いわ。普通は想像できない。


僕は無言のまま‘桜花‘を抜く。

そして、キングに従うオークを斬り倒す。

抵抗出来ないオークはそのまま目を見開き絶命する。


『ほぉ。少しはやる様だな。いけ。』


次から次へと斬りかかる僕を囲う様にオークが隊列を組み襲い掛かってくる。

どの攻撃も僕には当たらない。ヒミコさんの防衛力は高い胴丸‘卑弥呼‘を通して攻撃を当てる事が出来ない。そもそもオーク位の攻撃が避けきれないという事態が少ない。


「おいおい。煉だけズルいな。」


プレストンさんが魔槍ブリューアクサーをブンブンと回して構えを取る。


「いくぜ。豚共!【百連突進】」


※百連突進とはプレストンさんの槍技の一つ。

・目にも止まらない百連の突きを放ちながら、突進するという突貫工事ならぬ突貫攻撃である。


って、なぜ説明しなきゃならないのか?

まぁ、いいか。その攻撃により突き抜けられたオーク兵はぶっ飛びながら穴が空いて血を吹き出す。〇斗百〇拳を槍に置き換えて尚且つ突進する技だよね?これ?しかも突が二つを現すとか・・・。やっぱ中二病なのかな?恥ずかしいとか無いのかな?男のロマンなのだろうか?


という、心の声を吹き出しながら、僕は‘桜花‘を振るう。

その度に、オーク兵は二つに分かれて絶命する。

こうなると、弱い者イジメみたいな感じになっちゃうよね。仕方ない事だけど。


『ぬぬぬ。人の癖に、我が同胞を手にかけるとは、許せん!』


ドカンと存在値が上がった気がするオークキング。

オークも種という概念の元に感情があるのだろうか?

いかん。とにかく今は戦闘に集中しなきゃ。


オークキングは持っていた黄金色の斧を高く持ち上げると威圧を周辺にまき散らしたようだ。

僕もプレストンさんもそれにはレジストしているから効果の程がわからないけど、ビンビンと感じる事は出来る。


オークキングは、ひと際大きい。

巨人まではいかないが、それでも十分な大きさだ。

なのに、次の瞬間には僕の前に立ち、斧を縦に振るう。

それを避けた瞬間に斧の軌道が横に変動し、僕の脇腹に向かって来る。

それをバックステップで避ける。そこへオークキングは突進をかましてきた。

左に躱したが、少し間に合わず僕を掠る。掠っただけなのに、ぶっ飛ばされた。


オークキングはそのまま先にある大木にぶつかり止まる。

木は粉々に砕け散った。かなりの破壊力なのだろう。その先にある木も砕けているし、その向こうもビームを受けたかのように木に穴が空いて倒れる。


伊達に、オークキングという名じゃ無い様だ。

パワータイプの戦士という感じだと思った。


「ひゅー。やるね。久々に燃えてきたぜ。」


おっと、プレストンさんにスイッチが入った様だ。

プレストンさんは先ほど繰り出した【百連突進】をまた繰り出す。

オークキングに向かっていく。ただのオークは飛ばされ穴が空き血まみれで絶命している。


『ふん!』


オークキングが斧を振るうと、強烈な風が起こりプレストンさんの突進を止めてしまう。


「うん。良いね。良いね。」


あれ?発言がおかしくない?


「煉君が見ている事だし、とっておきを、魅(見)せちゃおう。」


プレストンさんってあんな話し方しないよね?しないよね?


「炎の型【蒼焔舞万斬突】」


魔槍ブリューアクサーが青く輝きだす。

オーラの様な感じの半透明の青い光は炎の様に魔槍ブリューアクサーを中心にしてメラメラと踊り出す。青い閃光が幾つもキングオークに飛来する。真っすぐな閃光から曲がりくねる閃光にカーブする閃光。シュートする閃光。数えきれない閃光がオークキングに飛来する。

オークキングは黄金の斧を盾代わりに守ろうとする。

が、斧の無い部分に蒼い閃光は飛来した。


その一瞬のやり取り、蒼い閃光が無くなった先。収束した場所にプレストンさんが現れた。

魔槍ブリューアクサーの柄を地面にズンと置くと、オークキングだったモノの体は崩れた。

正確には、ミンチの様な感じになって崩れ落ちた。


「どうだい?煉君、魅(見)てくれたかな?」


これは、やっぱりオカシイ。つうか、あれだろこれは?


「はい。見させて頂きました。ブリューアクサーさん。」


「ちょっと、ちょっと。アクサちゃんと呼んでくれと約束したじゃないか?」


いつしたのだろうか?


『おい。勝手に代わって良いのかや?』

『マズいでしょ?』


「良いんだよ。たまにはね。へへ。じゃあまたね。」


手をふるプレストンさん・・・正直に言おう。鳥肌が立った。

言葉使いだけでも、鳥肌立つよ?わかるでしょ?筋肉ムキムキ男だよ?この人?


挨拶を交わしたブリューアクサーさんは、いやプレストンさんはドサッとその場に崩れる様に倒れたのだった。


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