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魔狼の恩返し  作者: 花畑
7・終章~新たなる神~
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サブタイと違って、後一話だけ有ります。

【  】との戦いから一年が過ぎようとしていた。

 戦いの後、ベラの屋敷から王都・ハルトマンの小さな屋敷を褒賞として受け取り、俺はベラの下から去っていた。


「オルフ。招待状が来てる」


「ん。すまないな、スノウ。ありがとう」


 ベラの屋敷に居た仲間の中で、俺に付いて来たのはスノウとレオナだけだった。

 ロンも付いて来たがったが、レミと()()()になりかけていたので、大事なベラを任せるという体で置いてきた。


「救国のスノウちゃん(聖女)を使用人みたいにするなんて、贅沢ね。褒賞として、いっぱい貰ったんだから、もっと使用人を雇えばいいのに」


「小さな屋敷だ。それに領地を持たない法衣貴族。無駄遣いすることは無いさ」


 必要最低限の人員しか雇わず、部屋の掃除ですら自分で行う俺に対して、若干の不満を言うレオナに答えながら、招待状を開封する。

 俺やスノウは救国の英雄、戦災から一年と経っていないにも関わらず、こういったパーティーの招待は数えきれない程に来る。




「今度のパーティーは参加するの? 私の狼さん。貴方が来ないと私、退屈で死にそうなんだけど」


「いい加減に諦めて、パーティーで俺以外の良い奴でも見つけたら良いんじゃないか? ルナ」


 俺やスノウは、以前のベラのように出る必要の無いパーティーを選別し、参加は最小限にしていた。

 対して、過度に人族と敵対しないように、魔物の王女として、代表としてルナは積極的に和睦の使者として、こういったパーティーに参加をしていた。


「私の”魅了”に抗える男なんて、狼さんしか見たことない。それに、私より弱い人は嫌!」


「サラみたいな事を言うな。その条件に合うのは俺くらいしか居ないだろ」


 ルナの愚痴を聞き流しながら、来た招待状を読む。


「”戦災復興の王主催のパーティー”。喜べ、ルナ。これは俺達が出なくては駄目なヤツだ」


「やったー! じゃあ、そこで狼さんの奥さんって紹介してね。ダンスの誘いを無下に断れなくて困ってたのー」


 身目麗しく、気品も有り、王女という格式が有るので、パーティーでのルナはダンスの誘いが止まらない。

 特定のパートナーが居るでもなく、魔物の王女なので疲れたという言い訳も出来ず、和睦の使者として来ている手前、パーティーで見かけた際に踊ってない所を見たことが無いくらいだ。



「戦いで成り上がった無作法者ゆえ、妻と決めた者以外の淑女の脚を踏んでしまっては責任が取れませんので、ご容赦ください。失礼を承知で、お断りいたします。可憐なレディ」


 パーティーで俺がダンスの誘いを断る常套句を、一言一句(たが)わずにルナに告げる。


「ああ、もう! 今度は本当に第2婦人でも良いって言ってるでしょ! スノウちゃんやレオナちゃんだけ躍って貰えるなんて、ズルい!!」


 ルナの悲痛な絶叫が屋敷に、こだまする。



 ーーーーーー

 ーーーーー

 ーーーー

 ーーー


 ーー


 ー



 和睦の使者として、先に向かったルナから遅れること、数十分。


「救国の英雄! ”雷”の聖女! ”氷”の勇者! スノウ様とオルフ・シルバーアーツ子爵様一行の御到着です!!!」


 煌びやかな会場に、俺達の到着を告げる使用人の声が響く。



「あの御方がオルフ様で、いらっしゃいますの? 聞きしに勝る美男子ですわ。ダンスに誘ってみたいですわ」


「それは無理というものですわ。あの御方は妻と決めた女性としか踊らないと評判ですの。傍らに居るレオナ様やスノウ様の美貌でも有れば選ばれるかもしれませんが、私達では、とてもとても」


 サラのような喋り方をする淑女達が、王の歓待を受ける俺達を遠巻きにしながら話すのが聞こえてくる。

 容姿を褒められ自慢気に、無い胸を張るスノウと、聞き飽きた賛辞に暇そうなレオナが対照的だ。



 当のサラが、カリン嬢と共に皿一杯の料理を我先にと、口いっぱい頬張っているのを見つけた。


「オふフふん。……ごくん。お久しぶりです。元気でしたか?」


「これは(わたくし)の料理ですわよ。そんなに見つめても、あげませんわ」


 カリン嬢もサラも変わりなく壮健なようで安心した。


「2人は踊らないのか? こんなところで”壁の花”なんて、しなくても良いくらい誘いが有るだろうに」


「私はダンスなんか。そもそも教養が無いんです。ずっと魔法の研究ばっかりで。足を踏んだり、転んでしまいそうで」


「私より弱い殿方と踊る気は有りませんわ。オルフ、貴方くらいではないと、私と釣り合いませんわ」


 サラも、ルナのようなことを言う。



「やあやあ。オルフ殿こそ”壁の花”。男は花瓶、額縁と言うから。”壁の額”ですかな。踊らないと評判ですぞ」


 サラとカリン嬢と旧交を温めていると、両脇に美女を連れたクロイツェル、既婚者が現れる。


「奥方様に叱られても知りませんよ。パーティーとはいえ、羽目を外しすぎでは?」


「なぁに。たまには良いではないですか。たまには」


 パーティーで見かける度に、違う女性を連れているくせに、よく言う。




「”壁の額”さん。今日は()()した方が良いですわよ。王主催の豪華なパーティーの豪華な料理目当てに、私は早めに来ましたけど。準備に()()()()()が入っていましたもの」






「救国の英雄! ”火”の聖女! イザベラ・ヴォルフ()()()様の御到着です!!!」







完結まで更新は平日午前6時、土日祝日午前1時に行います。

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