才と数
時は進み、ネクサス隊vsジーニアス隊vsレクエルド隊の模擬戦闘訓練。
ネクサス隊が合流し、各隊が合流を選択した。
【ジーニアス! とりあえず協力しないか?】とレクエルドがジーニアス隊に協力を仰ぐ。それだけサクリを警戒しているということであろう。
【構わないわ。まずはサクリを落としましょう】とジーニアスは同意する。
[ローラ、そういう訳だけどいいか?]とレクエルドがアウローラに確認する。アウローラはジーニアスを最優先に落としたいと考えているからこその確認だ。
[……構わないけど、私はある程度独立して動くわ。ジーニアスもマークしたい]とやはりジーニアスを警戒しているアウローラ。それだけ脅威に感じているのだろ。
[OK! それで行こうぜ!]とレクエルドがOKを出した。
一方、ジーニアス隊も作戦会議をしていた。
[多分、レクエルド隊は私もマークしていると思う。ニア、サポート頼める?]とジーニアスがニアに確認する。
[承知。なるべくあなたを守るわ]とニアが返す。信頼関係あってこその会話だ。
はたまた、ネクサス隊の作戦会議である。
[サクリ、俺たちがお前を全力で守るから、お前は敵に弾をぶちまけまくれ]とオッフルが指示を出す。
[作戦って感じじゃないわね! ゴリ押しかしら!]とサクリがツッコミを入れる。
[お前の魔力はそれだけ脅威なんだよ。てか両手に弾持てよ]とオッフルが提案する。
[私が守られてばかりじゃ、あんたたちを守れないじゃない!]とサクリが返した。
サクリは西洋剣と盾を持ち、魔法を使う、魔法戦士である。
魔法使いは寄られると弱い。それを武器で補うのが魔法戦士である。
[サクリのそういうところ、僕は好きだな]とアパルがサクリを褒める。
[そうだな。ありがとうなサクリ]とオッフルも照れてるのを隠しながら返した。
[照れるわ! ありがとう!]とサクリも返す。
これじゃただの褒め合いである。作戦会議とは……?となっているところに弾が撃ち込まれる。
サクリが『シールド』で防ぎ、ことなきを得る。
【いくわよ! 『プリマーヤ』!】とサクリが詠唱する。
サクリの背後に体の何倍も大きい珠が生成される。
【来るぞ!守りに入れ!】とレクエルドが皆に『シールド』を張るように言う。
[ニア、防いだら私がオッフルとアパルの相手をするから、あなたは『ステルス』でサクリを奇襲してちょうだい]とジーニアスが指示を出す。
[承知。まずは防ぎましょう]と指示に従うニア。
全員が2枚の『シールド』を張ってサクリの膨大な魔力のこもった弾を防ぐ。
防ぎ切ったニアが『ステルス』を使って隠密行動に出た。狙いはサクリだろう。
[1人レーダーから消えた。サクリ、守るけど気をつけろよ]とオッフルが報告する。
[わかったわ!]とサクリが返す。もう一発珠を生成しようとするサクリ。
【お前ら! 弾を撃ちまくれ! サクリに隙を与えるな!】とレクエルドが指示を出す。
レクエルド隊はネクサスアビリティが『プリマーヤ』である。全員が弾を持っているのと同義だ。
レクエルド隊は一斉掃射でサクリを狙う。本命はニアの奇襲だが、それを隠すように弾を放つ。
アパルが『シールド』を大きく2枚張ってサクリを守る。オッフルが奇襲に備えている。
ジーニアスが正面から斬りかかってくる。それをオッフルが小型剣で受け太刀する。
オッフルが左手に持っているハンドガンで8発の弾を撃ち尽くす。それは曲がるように軌道を変えてジーニアスに迫って行く。ジーニアスは弾を『シールド』で守り、剣を横に薙ぐ。
オッフルが受け太刀するが、力負けして小型剣が弾き飛ばされる。剣を再生成するが、間に合わずにジーニアスの斬撃をモロに受けてしまう。
オッフルは石板の前に戻ってしまった。
オッフルは反省する。数の差があったとはいえ、ジーニアス相手に何もできずに落とされてしまったこと。そしてある決意をする。
レクエルド隊が一斉掃射を続けている間、アパルがシールドで守り続けていた。そして、サクリが弾を放とうとしたその時である。サクリが奇襲で斬られた。ニアが斬ったのである。
サクリはそのまま落とされてしまった。
ネクサス隊は一気に2人落ちてしまい、アパルが『レーダー』を失う。
そしてジーニアスにレクエルド隊が一斉掃射を行った。アウローラの指示だろう。
ジーニアスはステップで弾をかわすが、直線から直角に曲がる球に当たってしまった。
レクエルドの『アングル』である。
『アングル』は好きに飛ぶ軌道を設定できる。『プリマーヤ』の動きに混ぜて、ジーニアスが回避するだろう瞬間に弾道を直角に曲がるように設定したのだろう。
ジーニアスは防ぎきれずに落とされてしまう。
アパルとニアが横目で話し合う。2人は目で協力することを承諾した。
アパルとニアがレクエルド隊に向かって切り込む。アウローラとレクエルドが弾を放ち、リフレインが近接戦を受け持った。
リフレインはネクサスアビリティの『プリマーヤ』を使いながら近接戦を行う魔法戦士である。
元々近接が得意で、『プリマーヤ』があるから魔法戦士も兼任しているようなものである。
だがニアとアパル相手に1人で太刀打ちできるほど優秀というわけではなかった。
2人の剣戟にリフレインは落とされてしまう。
しかし、ニアとアパルはアウローラとレクエルドに近づけずにいた。
中距離は魔法使いの領域だ。剣士は近づかなければ勝てない。
2人はなすすべなく、弾の雨に落とされてしまった。
この勝負はレクエルド隊が勝利した。
⭐︎
オッフルは訓練の後にある人のもとに訪れた。ジーニアスのもとである。
【オッフルじゃない。どうしたの?】とジーニアスがオッフルに問いかける。
【お前を探してた。頼みがあって】とジーニアスに話しかけた。
【俺は近接がまだ苦手だ。お前に勝ちたい。だから】とオッフルは言葉を紡ぐ。
【俺を、鍛えてくれないか】とオッフルが深々と頭を下げる。
ディーテルに下げたように、ジーニアスにも頭を下げ、自分を鍛えてくれと懇願した。




