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300年引きこもり、作り続けてしまった骨董品《魔導具》が、軒並みチート級の魔導具だった件  作者: 空地 大乃
第二章 仲間との再会編

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第347話 下水道の襲撃者

いつも感想や誤字脱字報告を頂きありがとうございます!

 部屋に飛び込んできたのは三人。全員が黒い布で顔を覆っており、体格も似せているのか判別が付きにくい。


 だが、動きに迷いがない。明らかに訓練された連中だ。


「マースを守るのが優先だ」

「承知しました」


 一人が懐から黒い球体を取り出し、床へ叩きつけた。


――ボンッ!


 鈍い破裂音と共に濃密な煙が室内へ広がる。視界が一気に白く染まった。


「煙幕か」


 私は即座に鑑定眼鏡(サーチレンズ)を装着する。


 視界越しに魔力反応が浮かび上がった。


 なるほど。ただの煙幕ではない。魔力を混ぜ込んで感知を阻害するタイプか。一般的な索敵術式なら多少は誤魔化せるかもしれない。


 だが――


「悪いが、相手が悪かったな」


 サーチレンズ越しには輪郭がハッキリ見えていた。

 煙の向こうで、一人が術式を展開する。


 直後、火球がマース目掛けて放たれた。


「やはり魔術師がいたか」


 しかし――


 火球がマースへ届く寸前。

 メイが一歩前へ出る。


「甘いですね」


 振り抜かれた拳が火球を真正面から叩き砕いた。

 轟音。火花と熱風が散る。


 普通の人間なら腕ごと吹き飛びそうな衝撃だが、メイは眉一つ動かさない。


「なっ――」


 襲撃者の動揺が煙越しにも伝わってきた。

 その隙を逃す理由もない。


 私はリボルバー(回転式魔銃)を抜き、一人へ照準を合わせる。


「ショット」


 発射された魔弾が煙を裂き、標的へ直撃した。


「ぐぁっ!?」


 男が吹き飛び、そのまま扉の外へ転がり落ちる。続いて下水へ落下する音が響いた。


 まぁ、多少汚れるぐらいは覚悟してもらおう。


「こちらも制圧完了です」


 振り返ると、残る二人は既にメイに拘束されていた。


 どこから持ってきたのか縄で簀巻き状態にされている。仕事が早い。


「流石メイだな」

「ありがとうございます御主人様」


 そんなやり取りをしていると、破壊された扉の隙間から猛烈な悪臭が流れ込んできた。


「うっ……!」


 マースが思わず顔をしかめる。

 下水の臭いが部屋に逆流してきたか。


「これは流石にキツいですね……」


 私は無限収納(インフレジー)リングから三枚のマスクを取り出した。


「はいマース。これを」

「助かります……」


 マースに手渡し、私とメイも装着する。


「これは?」

臭気遮断面(デオドラ・マスク)さ。悪臭や有毒臭気を遮断する魔導具でね」


 マスクを着けた瞬間、マースが目を見開いた。


「おお……! 本当に臭いが消えた! なんという快適さだ……」

「下水道探索用に作っておいて正解だったよ」


 さて――後はこいつらだな。


 私は下水へ落ちた男を引きずり上げ、三人まとめて通路に並べた。


「メイ、起こしてあげて」

「承知しました」


――パァン! パァン!


 容赦のない往復ビンタが炸裂する。

 三人が揃って呻き声を漏らしながら目を覚ました。


「くっ……我々が、たかがガキとメイドに……!」


 随分と悔しそうだな。


 ちなみにマースは既に変装用の指輪を付け直している。ワーマル(半獣)族であることは隠したままだ。


「さて。色々聞かせてもらおうか」

「誰が話すか!」

「そうだ! 舐めるなよ!」


 威勢だけはいい。


「ふむ」


 私は腕輪から別のマスクを取り出した。

 今度のは鼻部分が妙に長く、犬の鼻のような形状をしている。


「え? 御主人様それは?」

「ちょっとした実験用だよ」


 私は三人へ順番に装着した。


「何のつもりだ!」

「まさか恩を売れば喋るとでも――」

「これは嗅覚増幅面(ハイパーノーズマスク)と言ってね。嗅覚を数万倍まで強化する魔導具なんだ」


 一瞬の沈黙。

 次の瞬間――


『ぎゃぁああああああああああ!?』

『くっさぁああああああああ!』

『鼻がぁあああああああ!』


 三人揃って絶叫し、そのまま泡を吹いて倒れた。

 下水道の臭気を数万倍で受ければそうなる。


 我ながら中々凶悪だな。


「えぇ……」


 マースが若干引いている。


「御主人様、やはりこれ危険すぎませんか?」

「大丈夫。死なない程度には調整してある」

「その“程度”が怖いのですが」


 メイが珍しく半眼になっていた。


「さて、もう一回いこうか」

「ひっ!?」


 目を覚ました三人が露骨に怯える。


「話すかい?」

「……」


 無言。


「そう」


 私は再びマスクを手に取った。


『やめろぉおおおおおお!』


 今度は即落ちだった。


「しゃ、喋る! 喋るから! その悪魔の道具をしまえ!」

「悪魔の道具とは失礼な。立派な魔導具だぞ」


 私が不満そうに言うと、メイが小さくため息を吐いた。


「御主人様、そこではないかと」


 そして遂に――


 三人は観念したように、口を開き始めたのだった。

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どうぞよろしくお願い致します!

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