表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/16

 「で、何か発見した?」

 

 イザリエ王国史をパタンと閉じて固まったレオに、ミリィはそっと声をかけた。


 「特になにも。」


 「はぁ?」


 「いや、なんて言うかさ。結局どの王朝も血みどろの簒奪王朝なんだよなーって思って。王族の血は青いとかなんとか言うけどさぁ、全く人でなしなくらい冷たい判断しなきゃならないってのは本当なんだよな。各国の歴史書は、王族の青い血で書かれてる。」


 レオの言いたいことはよく分かった。

 レオやミリィが今生きているのは、そうした流れた血のおかげなのだ。


 「ブラッドフィールド家が爵位を得てからいままで、その功績を誇らなかったのは、自分たちの功績の陰に誰かの血が流れているとよく分かっていたからだろう。」


 「・・・そうね。」


 ふたりとも押し黙ってしまう。

 重苦しい雰囲気を破るように、ミリィは手を叩いた。


 「よしっ、休憩にしよう!メロディ・ストリートに新しい喫茶店が出来たのよ。」

 

 注目は店長こだわりのシュークリームよ、とミリィは笑う。

 今は過去を悲しんでも仕方がなかった。


 「・・・甘いもの嫌いだ。」


 そう言って肩をすくめたレオの手をひっぱる。


 「わたしがおごるわっ、コーヒーでも飲みに行きましょ。」


 「分かった、分かったからひっぱるな!」


 ミリィが結んでいた栗色の髪をほどく。ふわりと緩く波打つあまそうな髪が広がった。

 花の蜜のような香りがして、レオは人知れず息を飲む。無意識に手を伸ばしかけ・・・はっと我に返って手を降ろした。




 ーーーもし、運命とやらがあるのなら、きっとこれは・・・




 ここまで読んでくださったみなさま、本当にありがとうございます。

 明るいほのぼのが書きたかったのに、なぜかちょっぴりシリアスに・・・


 薔薇の系譜シリーズ、お次はアメリア王妃とレオンハルト王夫妻の長男のお話です。長男は・・・そうですね、ちょっぴりヘタレかな?

 では、これからもよろしくお願い致します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ