発動された新たなる気まぐれ5
四人は条治の部屋に来た。
総平の部屋はルームメートの家族が来ている故、夕方までは戻れないのだ。
「久しぶりだね」
「そうだな」
「そうだね」
電話ではよく話すが直接話すのは少ない故、気まずかった。
「三人ってどういう知りあい?」
卓の質問は最もである。
「えっと…」
「それは…」
翔の事件は口外してはいけない。
二人は何と答えるか困った。
「甲斐の知りあいだったんだ。そこから二人と友達になったんだよ」
嘘では無い。
「へー。じゃあ、魔導同好会って知ってる?」
いくら条治の知りあいだからって、新入生の卓がその同好会の名前を知っているのは驚きだった。
「見学会で目をつけられた」
条治は言う。
だが、卓は気にしない。
「一緒に魔導同好会に入るんだ」
「条治は魔導同好会の部員じゃないかったの?」
臣は、てっきり部員だと思い込んでいたのだった。
「それは違う!」
そう、今は違う。
だが、卓の為には入った方が良いのかもしれない。
「他の部に入ろうとは思わないのか?」
「思わない、絶対に条治と一緒がいいから」
魔法云々はともかく、部員事態は悪いやつらばかりじゃない。
それに、昔からの卓の能力をコントロールできるならそれもありかもしれないと条治は思ったのだった。