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魔力ノ在ル者ト無キ者1
暗闇の中、翔は一人踞っていた。
「あーあ、完全に主導権取られちゃったね」
翔は言う。
「馬鹿だなぁ、彼を入れるからだよ」
さらに言う。
「うるさい」
踞った翔は、二人の翔に言った。
そう、これは夢だ。
数日前から、いつもこんな夢を見る。
「彼を追い出したら?」
「それよりは殺そうよ」
「それはいいね」
さらに翔の数が増える。
「うるさい」
踞った翔は耐える。
「うーん、無理っぽい?なら、それ以外を懲らしめたら?」
「殺す?」
「うーん、それもいいけど…」
沢山の翔は踞った翔を見る。
「殺したら犯罪、なら半殺しにすれば?」
「魔法を使えば証拠が残らないもんね」
「うるさい、うるさいうるさい!」
翔は彼らを睨む。
数日前より彼らの言葉は格段エスカレートしていた。
「僕ら協力するよ?」
「そうだよ、受け入れなよ」
彼らはいつの間にか一人になっていた。
「可哀想な俺、必要無いのは俺かもね」
翔は踞った翔の顔を、顎を上げて自らを見させる。
「やっと見た」
翔はニヤリと不敵に笑う。
翔は翔を抱きしめ、溶け込む。
「時は満ちたわ」
その言葉は、眠りに落ちた翔には届かなかった。




