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季節外れの見学会10

総平と田中康雄は既に来ていた。

「悪かったね、急に召集かけて」

「急だから驚いたよ」

総平は言う。

だが樹はずっと卓達と一緒に居たのだ、どうやって声をかけたかわからない。

すると、心の声が聞こえた様に樹は答える。

「あぁ彼に、藤原総平君に頼んだんだよテレパスを使ってね」

「テレパス?」

「魔法の一種だよ、精神に呼び掛けるんだ」

卓の問に、樹は説明した。

一方条治は辺りをさりげなく見る。

部室はとても質素だった。

そんな中、床の端にプランターとじょうろがあった。

条治は樹を睨む。

「何故俺らを連れてきた?」

「それは勿論、部活の勧誘だよ」

樹はそれに笑顔で答える。

「卓にか?こんな所、俺が許可するわけ無いだろ!」

条治は言い放つ。だが、樹の表情は変わらない。

「君たち二人だよ」

それには、全員が驚いていた。

「魔力の有無は?」

「合格。それを今から証明するんだよ」

樹は言うと、辺りを見回しプランターを机の上に置いた。

じょうろにコップ半分の量の水を注ぐ。

「いつも通り、この花に水をやってくれるかい?」

「えっ?」

卓は困った顔をすると条治を見る。

「それをやる理由は?」

「君はわかったのではないのかい?」

冷静な樹に、条治は舌打ちする。

「卓、構わない」

「う、うん…」

卓は返事をすると、じょうろを傾けた。

「水が…」

総平と田中康雄は驚く。

たった少しの水が、途切れる事なく出るのだ。

「そう、これが彼の得意能力ということになる」

樹は断言した。


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