部活不加入者の選定3
「樹、どういう順番にする?」
翔は樹に問う。
その日は二年の岡倉しか確認せずに帰った。
そして今、二人は樹の部屋に居る。
「この人、樹のクラスみたいだよ」
翔は一人のプロフィールを見せる。
名前は庄司臣。だが、樹にとってそんな人物は知らない。
「仕方ない、これは後で理事長に聞いておく」
「理事長?」
「あぁ、それが?」
「理事長とそんなに仲がいいの?」
「あ、いや…」
樹はしまったと思う。
知らない事は葉月に、学園の一番上に問いただすのが普通だとそう感じてしまったのだ。
「知り合いが理事長の元旦那でそれで連絡先を知ってるんだ」
嘘は言っていない。
「?じゃあ、頼んだよ」
「わかった」
とりあえずはそこで話は途切れさせる。
「他の生徒はどうするんだ?」
切り替える為にも樹は問う。
「…クラス順とか?」
本当はそんな事する必要ない、今すぐ瞬間移動で…そして気付く。
「結城、ここはどこだ?」
「樹の部屋?」
「そう、寮のな。そして、同じ学年の生徒が全員ここに居る」
「あっ、本当だ!気づかなかった!」
「これで決まったな」
「ん?呼び出すの?」
「そんな事する必要は無い。全員が集まる場所があるだろう?」
「…食堂!」
「正解だ」
これで作戦は決まった。