ここに存在する、目に見えないもの
計画通り、僕たちはいくつかの小さな班に分けられた。
森の端と山の斜面を伝って怪獣に近づき、サンプルを採取する班。
シラカワさんとアヤノさんはこの班に配属された。
…
次に、攪乱班。向かいの山の斜面から移動し、
怪獣の注意を引きつけて他の班が活動できるようにする任務だ。
任務の性質上、黒鉄さんは経験豊富な者だけを少数同行させた。
…
そして後方支援班。魚の正面に位置し、チーム8のほぼ全戦力が集結している。
彼らにはただ一つの任務しかない。命令が出た瞬間に総攻撃をかけることだ。
幸い、シノミとカワサキさんはこの地点に集められた。
結局のところ、この班は黒鉄さんの合図で発砲するだけだ。
だからシノミがこの奇妙な怪獣に近づかなくて済むことに、少しだけ安堵した。
…
もちろんチーム8の全員がここに待機しているわけではない。
何人かは観察と通信回線の確保のために残され、
可能な限り早く情報を受け取り、伝達する役割を担っている。
当然、アサギリさんはこの班に残された。
…
同時に、少し奇妙ではあったが、
ほとんどの戦闘機は遠方で待機することになっている一方で、
何機かと、それを専門に操縦する兵士たちは、
基地に留まり、任務が失敗しても絶対に出撃してはならないと命じられていた。
詳細はもちろん公表されていない。
だが、レンまで残されたことには、少し疑問が残った。
…
全体として、ほとんどの者が直接戦闘を避ける班に配属された。
だが、僕だけは救出班に割り当てられた。
残された建物の残骸を伝い、可能な限り戦闘を避けながら、
偵察機から伝えられた地点へ近づく任務だ。
外見は崩壊しているが、内部にかなりの熱反応が動いている奇妙な建物。
…
もちろん、完全に見知らぬ者たちと行動するわけではない。
コウカはなぜか、僕から離れようとせずにぴったりと寄り添っていた。
そして、以前あの街で会ったことのある、もう一人の奇妙な少女もいた。
確かシノミの友人だったはずだが……
なぜか、時折その少女に視線が吸い寄せられてしまう。
...
…
ゴロゴロ…ゴロゴロ…
密閉された車内で、緑の服の兵士たちが両側にぎっしりと座っている。
向かいには、苔色の髪をした少女が少し青ざめた表情で座り、
膝の上に槍を抱えている。その姿から、なぜか目を離すことができなかった。
...
「何だ?」少女が顔をしかめてこちらを見、槍を自分の身体へ引き寄せる。
「礼儀ってものを知らないのか?
他人をじろじろ見つめて、恥知らずだとは思わないのか?」
…
(・∀・;)
「あ、いえ……僕は……その……」体が硬直し、視線を視線を慌てて別の方へ逸らす。
「そういうわけじゃなくて……ただ……
もしかして……僕たち……以前会ったことありますか?」
…
「はぁ?」少女が顔をしかめ、体を乗り出してくる。
「寝起きなのか?
会わなくなってから、まだ数ヶ月しか経ってないだろ!?」
…
「あ、その……少し……」目を細め、手を後頭部に当てる。
…
くいっ…
「トガミ様。」コウカが肩を強く掴み、体を後ろへ引き、少女を睨む。
「こんな輩に多くを語る必要はありません。
いくら説明しようと……
金魚の脳みそに覚えられるはずがないのですから。」
…
ガタッ!
「少し言い過ぎじゃないか?」少女が突然立ち上がり、コウカの顔に近づく。
「確かに忘れっぽいところはあるが……
少なくとも私の主人は、あそこにいる誰かのように惨めじゃない。
自分が持っている力すら何なのかわからない……
資源の無駄遣いじゃないのか?
心の底ではわかっているだろう?
ブリキの箱め。」
...
ヒュンッ!
コウカの視線が、今や刃のように少女へ突き刺さり、
いつの間にか、コウカの青い刃の剣が少女の首筋に突きつけられていた。
「続けてみろ。
部外者のお前たちに何がわかる。」
...
コホン。
周囲の視線が一斉に他の方向へ逸れる。
...
「わかった。」少女が徐々に元の席へ戻る。
「邪魔をしてすまなかった。」
...
「……」コウカは少女から目を離さないが、もう動こうとはしなかった。
...
...
キィィッ!
車が突然停止し、全員が顔をしかめる。
全員が武器をしっかりと握り直す。
「全員、注意せよ。
計画変更だ。
突然、濃い粉塵が辺り一帯に広がった。
現状の視界ではこれ以上の前進は困難だ。
敵の領域で注意を引かないため、
これから全員、車を降り、崩れた建物の残骸を伝って進む。
生存者がいれば救出する。
絶対に先に発砲するな。
怪獣に完全に発見された場合を除いて。」
...
ポンッ.
「新兵。」一人の兵士が突然目の前に立ち、肩を軽く叩く。
「任務成功のため、
お前と二人の少女は車に残っていろ。
撤退地点を確保し、通信回線を維持しろ。
許可なく市内に入るな。
わかったか?」
...
「はい。」軽く頷く。
...
ガチャッ! バッ!
そしてそうして、
車内に座っていた兵士たちが突然立ち上がり、
一斉に、列を成して後部の扉へ向かって飛び出す。
武器を強く握り、表情ひとつ変えない。
...
車内に残されたのは、
僕と、隣に座るコウカ、
そして奇妙な少女が、依然として槍を強く抱えている姿だけだった。
...
...
周囲に音ひとつなく、
通信レーダーにも誰からも呼び出しがない。
コウカは依然として少女を睨み、剣の柄を強く握り、
少女の方は、少しまぶたが重くなり始め、出口の方へ顔を向け続けている。
...
ダッ!
「もういい。」少女が突然車から飛び降りる。
「こんな無意味な待機は受け入れられない。」
...
「待ってください。」慌てて立ち上がり、少女の方へ進む。
「今外に出るのは良くないです。
他の人の任務に影響を与える可能性もあります。
少なくとも次の指示を待ちましょう。」
...
フンッ!
「まだ気づかないのか?」少女が背を向け、体を微動だにさせない。
「本当にがっかりだ。
それなのに嬢様はお前を選んだ。
お前には彼女を守る能力など微塵もないというのに。」
..
「どういう意味ですか?」目を丸くし、軽く首を傾げる。
「さっきから何も異常はないですよ!」
...
スッ。
「あのブリキの箱を見てみろ!」少女が体を傾け、コウカを真っ直ぐ指差す。
「奇妙だと思わないのか?
さっきまであれほど強気だったのに!
今はまるで廃品のように、じっとしている。」
...
「コウカ。」ゆっくりと振り返る。
「何かあったのか?
急に……」
...
「無駄だ。
いくら呼んでも……
彼女はもう目を覚まさない。」
...
「……」
...
「もし私があなただったら……
今すぐ自分の武器を手に取るね。」
...
「武器……僕の……」視線が自分の鎌へと向かう。
...
...
キィィィィィィィィィ――――ン……
鎌に手が触れた瞬間、
耳に、あらゆる方向から無数の音が一気に押し寄せ、
その音はどんどん大きくなり、途切れることなくすべてを覆い尽くしていく。
...
ズキィィィン!
反射的に手を引っ込め、
目を見開き、両耳を強く押さえ、
車内で膝をつく。
...
コツ...コツ……
少女が徐々に車から離れていく。
「本当にがっかりだ。
なぜお前はあの人たちと同じなんだ。」
...
「弱々しいお前は、あのブリキの箱と一緒にここにいろ!
永遠に来ない通知を待っていろ。
私はトガミ家の者がいつもしてきたことをする。」
...
グッ……
「待ってください……」体を起こそうとし、視線を少女から離さない。
「今……何と言ったんですか……」
...
コツ...コツ……
少女は街の中へ進み続ける。
...
ザッ...ザッ...
「待って……」
いつの間にか、
粉塵に包まれた廃墟の街の中へ、自分も足を踏み入れていた。




