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静時の流れ - 潮騒の誓約  作者: Minateru
始まり – 試練を越える

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88/88

ここに存在する、目に見えないもの

計画通り、僕たちはいくつかの小さな班に分けられた。

森の端と山の斜面を伝って怪獣に近づき、サンプルを採取する班。

シラカワさんとアヤノさんはこの班に配属された。

次に、攪乱班。向かいの山の斜面から移動し、

怪獣の注意を引きつけて他の班が活動できるようにする任務だ。

任務の性質上、黒鉄さんは経験豊富な者だけを少数同行させた。

そして後方支援班。魚の正面に位置し、チーム8のほぼ全戦力が集結している。

彼らにはただ一つの任務しかない。命令が出た瞬間に総攻撃をかけることだ。

幸い、シノミとカワサキさんはこの地点に集められた。

結局のところ、この班は黒鉄さんの合図で発砲するだけだ。

だからシノミがこの奇妙な怪獣に近づかなくて済むことに、少しだけ安堵した。

もちろんチーム8の全員がここに待機しているわけではない。

何人かは観察と通信回線の確保のために残され、

可能な限り早く情報を受け取り、伝達する役割を担っている。

当然、アサギリさんはこの班に残された。

同時に、少し奇妙ではあったが、

ほとんどの戦闘機は遠方で待機することになっている一方で、

何機かと、それを専門に操縦する兵士たちは、

基地に留まり、任務が失敗しても絶対に出撃してはならないと命じられていた。

詳細はもちろん公表されていない。

だが、レンまで残されたことには、少し疑問が残った。

全体として、ほとんどの者が直接戦闘を避ける班に配属された。

だが、僕だけは救出班に割り当てられた。

残された建物の残骸を伝い、可能な限り戦闘を避けながら、

偵察機から伝えられた地点へ近づく任務だ。

外見は崩壊しているが、内部にかなりの熱反応が動いている奇妙な建物。

もちろん、完全に見知らぬ者たちと行動するわけではない。

コウカはなぜか、僕から離れようとせずにぴったりと寄り添っていた。

そして、以前あの街で会ったことのある、もう一人の奇妙な少女もいた。

確かシノミの友人だったはずだが……

なぜか、時折その少女に視線が吸い寄せられてしまう。

...

ゴロゴロ…ゴロゴロ…

密閉された車内で、緑の服の兵士たちが両側にぎっしりと座っている。

向かいには、苔色の髪をした少女が少し青ざめた表情で座り、

膝の上に槍を抱えている。その姿から、なぜか目を離すことができなかった。

...

「何だ?」少女が顔をしかめてこちらを見、槍を自分の身体へ引き寄せる。

「礼儀ってものを知らないのか?

他人をじろじろ見つめて、恥知らずだとは思わないのか?」

(・∀・;)

「あ、いえ……僕は……その……」体が硬直し、視線を視線を慌てて別の方へ逸らす。

「そういうわけじゃなくて……ただ……

もしかして……僕たち……以前会ったことありますか?」

「はぁ?」少女が顔をしかめ、体を乗り出してくる。

「寝起きなのか?

会わなくなってから、まだ数ヶ月しか経ってないだろ!?」

「あ、その……少し……」目を細め、手を後頭部に当てる。

くいっ…

「トガミ様。」コウカが肩を強く掴み、体を後ろへ引き、少女を睨む。

「こんな輩に多くを語る必要はありません。

いくら説明しようと……

金魚の脳みそに覚えられるはずがないのですから。」

ガタッ!

「少し言い過ぎじゃないか?」少女が突然立ち上がり、コウカの顔に近づく。

「確かに忘れっぽいところはあるが……

少なくとも私の主人は、あそこにいる誰かのように惨めじゃない。

自分が持っている力すら何なのかわからない……

資源の無駄遣いじゃないのか?

心の底ではわかっているだろう?

ブリキの箱め。」

...

ヒュンッ!

コウカの視線が、今や刃のように少女へ突き刺さり、

いつの間にか、コウカの青い刃の剣が少女の首筋に突きつけられていた。

「続けてみろ。

部外者のお前たちに何がわかる。」

...

コホン。

周囲の視線が一斉に他の方向へ逸れる。

...

「わかった。」少女が徐々に元の席へ戻る。

「邪魔をしてすまなかった。」

...

「……」コウカは少女から目を離さないが、もう動こうとはしなかった。

...

...

キィィッ!

車が突然停止し、全員が顔をしかめる。

全員が武器をしっかりと握り直す。

「全員、注意せよ。

計画変更だ。

突然、濃い粉塵が辺り一帯に広がった。

現状の視界ではこれ以上の前進は困難だ。

敵の領域で注意を引かないため、

これから全員、車を降り、崩れた建物の残骸を伝って進む。

生存者がいれば救出する。

絶対に先に発砲するな。

怪獣に完全に発見された場合を除いて。」

...

ポンッ.

「新兵。」一人の兵士が突然目の前に立ち、肩を軽く叩く。

「任務成功のため、

お前と二人の少女は車に残っていろ。

撤退地点を確保し、通信回線を維持しろ。

許可なく市内に入るな。

わかったか?」

...

「はい。」軽く頷く。

...

ガチャッ! バッ!

そしてそうして、

車内に座っていた兵士たちが突然立ち上がり、

一斉に、列を成して後部の扉へ向かって飛び出す。

武器を強く握り、表情ひとつ変えない。

...

車内に残されたのは、

僕と、隣に座るコウカ、

そして奇妙な少女が、依然として槍を強く抱えている姿だけだった。

...

...

周囲に音ひとつなく、

通信レーダーにも誰からも呼び出しがない。

コウカは依然として少女を睨み、剣の柄を強く握り、

少女の方は、少しまぶたが重くなり始め、出口の方へ顔を向け続けている。

...

ダッ!

「もういい。」少女が突然車から飛び降りる。

「こんな無意味な待機は受け入れられない。」

...

「待ってください。」慌てて立ち上がり、少女の方へ進む。

「今外に出るのは良くないです。

他の人の任務に影響を与える可能性もあります。

少なくとも次の指示を待ちましょう。」

...

フンッ!

「まだ気づかないのか?」少女が背を向け、体を微動だにさせない。

「本当にがっかりだ。

それなのに嬢様はお前を選んだ。

お前には彼女を守る能力など微塵もないというのに。」

..

「どういう意味ですか?」目を丸くし、軽く首を傾げる。

「さっきから何も異常はないですよ!」

...

スッ。

「あのブリキの箱を見てみろ!」少女が体を傾け、コウカを真っ直ぐ指差す。

「奇妙だと思わないのか?

さっきまであれほど強気だったのに!

今はまるで廃品のように、じっとしている。」

...

「コウカ。」ゆっくりと振り返る。

「何かあったのか?

急に……」

...

「無駄だ。

いくら呼んでも……

彼女はもう目を覚まさない。」

...

「……」

...

「もし私があなただったら……

今すぐ自分の武器を手に取るね。」

...

「武器……僕の……」視線が自分の鎌へと向かう。

...

...

キィィィィィィィィィ――――ン……

鎌に手が触れた瞬間、

耳に、あらゆる方向から無数の音が一気に押し寄せ、

その音はどんどん大きくなり、途切れることなくすべてを覆い尽くしていく。

...

ズキィィィン!

反射的に手を引っ込め、

目を見開き、両耳を強く押さえ、

車内で膝をつく。

...

コツ...コツ……

少女が徐々に車から離れていく。

「本当にがっかりだ。

なぜお前はあの人たちと同じなんだ。」

...

「弱々しいお前は、あのブリキの箱と一緒にここにいろ!

永遠に来ない通知を待っていろ。

私はトガミ家の者がいつもしてきたことをする。」

...

グッ……

「待ってください……」体を起こそうとし、視線を少女から離さない。

「今……何と言ったんですか……」

...

コツ...コツ……

少女は街の中へ進み続ける。

...

ザッ...ザッ...

「待って……」

いつの間にか、

粉塵に包まれた廃墟の街の中へ、自分も足を踏み入れていた。


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