多面体のプリズム(四)
ぱち……….ぱち………..
目の前の景色が、消えてはまた現れる
光と闇が、絶え間なく入れ替わる
…
…
スッ…
俺はゆっくりと目を開き、頭を巡らせながら辺りを見回した
…
ボウッ…ボウッ…
目の前の全てが、今や火の海に沈んでいる
焼け焦げた旗が、あちこちに突き立っている
武器が至る所に散乱し、銃弾と刀剣が入り混じっている
向かい側では、白い装甲が石の上で砕け散り
そして俺の足元には、
緑の光が赤に染まった大地に倒れていた
…
「何が…起きたんだ…?」思わず目を見開いた、顔が凍りつく
「さっきまで…」
…
ズシ…ズシ…
黒い煙の柱の間から、一つの人影が俺に近づいてくる
一つの緑の光が、長い物に体を預けながら
砂地に長い跡を引きずりながら進んでいる
…
ぎぎ…
俺の頭が軽く下がり、視線がその影に注がれる
体までもが、突然凍りついたようになる
…
…
「お前はまだ何を待ってるんだ?」俺は周囲の空間を睨みつける
「お前は人類の守護者なんだろ」
「目の前に、お前が助けるべき人がいるだろ」
「何とかしろよ」
…
「…」微動だにせず、周囲の数字だけが流れ続ける
…
すかっ…すかっ…
「なぁ!」俺は手を激しく振り回す
「お前は彼らの救世主なんだぞ!」
「何かしろよ!」
「お前が助けるべき奴が目の前にいるんだぞ!」
…
「…」あの緑の光へ向けられた光が、徐々に弱くなる
…
ぎりっ…ぎりっ…
「動け!」俺は歯を強く噛みしめる
「このクズ鉄が!」
「お前と一緒に戦った仲間たちが目の前にいるぞ!」
「どうして何もしないんだ!」
…
すかっ…
「どうして…」俺の体が徐々に止まり、拳がゆっくり緩む
「お前は…ただ立ったままなのか…」
…
…
ギギギ…ギギギ…
巨大な体が今、ゆっくりと低くなる
光が再び緑の影を照らし
金色の腕がゆっくりと前方へ伸びる
…
「お前…」は軽く顔を上げ、視線を緑の光へ真っ直ぐ向ける
…
…
がくっ
腕が緑の光まであと頭一つ分というところで
巨大な体全体が突然止まる
…
「どうした…」俺は周囲を見回す
「どうして急に止まるんだ?」
「なぁ…」
「続けろよ!」
あと少しなんだぞ…」
…
ギュイーン!
突然、一つの通知が俺の目の前に現れる
周囲の文字が徐々にぼやけていく
赤い色が全てを覆う
……………..
ザーーーーー…
…
今、俺の目の前には白い雲の群れ
空全体が夜の闇に沈み
残っているのは数個の星と
まだ空を照らしている満月だけ
…
ググ…
巨大な体が突然後ろを向き
高く立ち上る黒煙の柱の方へ
まだ燃え盛る炎の群れと
白い煙の筋が競うように突き進んでいく
…
ヒュンッ!ヒュンッ!
ドゴォォォン!!!
…………………………………………………………………………………………………………….
ザーーーーー…
…
「我々は、-----で勇敢に戦った全ての戦士に感謝を捧げます」
「彼らが成し遂げたことは----」
…
「我々は彼らの犠牲を無駄にはしません!」
…
ブンッ!バンッ!ボンッ!
小さな物が次々と俺の方へ飛んでくる
「嘘つきどもめ!」
「貴様らにできるのはそれだけか?」
「鉄屑は所詮鉄屑だ…」
…
「それほど後悔しているなら…」
「なぜお前たちが代わりに行かない!?」
…
「返してくれ…返せ…」
……………………………………………………………..
ザーーーーー…
………
ウィン…
俺の目がゆっくり開く
…
こつ…こつ…
馴染みのある廊下
馴染みのある空間
馴染みのある緑の光たちが
通り過ぎてはまた通り過ぎる
……….
ウィン…
周囲の空間が再び変わる
…
たん…たん…たん…
全てが徐々に闇に沈み、明かりが徐々に弱くなる
緑の光がまばらになり
馴染みのある廊下が遠ざかっていく
……….
ウィン…
今、周囲にはもう明かり一つない
廊下を歩く人影ももうない
…
…
ザーーーーー…
…
ポンッ
行き交う人影の間で
小さな管が俺の目の前に現れる
周囲には埃があちこちに積もっている
...
ウィィン…ウィィン…
俺の頭が辺りを見回す
緑の光が横切っていく
…
…
カシャン…
金色の腕がゆっくりと伸びる
少しずつ、管の一端をゆっくり持ち上げる
…
ひょい…ひょい…
あちこちへ動かしながら、腕が周囲を回る
だが…
もう一滴の水も…
…
…
ひゅっ…
残りの部分は、空中に浮かんでいる
…
…
ザーーーーー…
…
「このままじゃ駄目だ」
「こいつのコアを取り出せ!」
「彼女のところへ持っていけ!」




