煙の中の宴
サラサラ…サラサラ…
周りの木々が風に合わせて揺れて
緑の葉がだんだん空間を埋めていく
練習場のど真ん中、地面が真っ黒に染まり
八方全部が標的でぎっちり塞がれてる
…
リン…
長い三つ編みが風に揺れて
少女がニヤリと笑って巨大機械の肩にどっかり座り
目を細めて練習場の中心を睨み
短い刀を指の上でくるくる回す
……
シュッ.
「 」赤い鎧が武器を少女にまっすぐ突きつける
…
「ちょっと待てよ。」少女が手を前に突き出して
「俺、邪魔しに来たわけじゃないよ。」
「ちょっと考えてみろよ。」
…
コキッ…
「じゃあお前は何しに来たんだ?」赤い鎧が高く鎌を振り上げ、手をギュッと握る
「偶然ここにいるわけねえだろ。」
…
「まあまあ。」少女が手をぱたぱた振って、目を細めて俺を見る
「そんな疑り深くすんなよ。」
「ちょっと話したいだけだって。」
「もし俺がお前の獲物を奪う気だったら…」
「…今頃あいつ、もうここにいねえよ。」
…
「なんで人間の言葉なんか聞かなきゃなんねえんだ?」赤い鎧の目がギラッと光る
…
リン.
「誰が知るかよ!」少女が鉄のフレームの上をくるくる回り、唇にニヤリ
…
「でもさ…」指がゆっくり口に上がり、体がだんだん止まる
「俺もわざわざここまで会いに来たんだぜ。」
「これじゃ足りねえのか?」
……
スッ…
「褒めてやるよ。」赤い鎧がゆっくり武器を下ろす
「ここまで誰にもバレずに潜り込めるとはな。」
「で、今何を言いてえんだ?」
…
「聞けるようになった?」少女が手を後ろで組み、目を細めて
「聞けるようになった?」
「俺が聞くだけで突っかかってくんねえの?」
…
「それはお前の質問次第だ。」赤い鎧が周りを見回す
「それと…残り時間次第…」
…
ガンッ!
「さっさと始めろ。」赤い鎧が鎌を地面に叩きつける
「気が変わる前に。」
…
パン.
「ご要望承りました!」少女が首を傾げ、両手を顔の横でパチンと叩く
「じゃあ早速お料理お出ししますね。」
………………
「まずは前菜から始めましょう。」少女が赤い鎧に向かって両手を広げる
「まずは歴史に関する質問から。」
…
「ここにいるお客様ももうご存知でしょうけど…」少女が背を向けて
「戦争…」
…
「じゃあ早速いくつか質問させてくださいね!」少女が刀の刃を口に当て、唇を震わせる
「まずは今日のお客様。」
「赤い鎧の貴方。」
……
コン…コン…
「貴方にとって、紛争って必然ですか?」少女が鉄のフレーム沿いに歩く
…
「当然だ。」赤い鎧が頭を少女に合わせて動かす
「人間は貪欲なクズどもだ。」
「決して満足しねえ。」
「戦争はただの最終結果…」
「エゴがぶつかり合ったときの当然の結末だ。」
…
「まるでガキのケンカみたいだろ?」少女が前かがみになる
「強い奴が弱い奴をいじめる。」
「頭いい奴がバカを馬鹿にする。」
…
「もちろん全員がそうじゃねえ…」少女が体を起こし、目を少し開いて唇にニヤリ
「でも大半はそうなんだよ。」
…
スッ!
「回りくどい話はいい加減にしろ。」赤い鎧が鎌の刃を少女に向ける
「お前の時間は無限じゃねえぞ。」
…
「焦んなよ焦んなよ。」少女が刀を自分の頬に当てる
「そんなに急いだら…」
「味が分かんなくなっちまうだろ?」
……
「じゃあこのお料理の次のパートへ。」少女がニヤリと笑って腕を高く上げる
「ではお客様は…」
「いじめられた側は、いじめる側をどう思う?」
…
ギュッ.
「当然…」赤い鎧が拳をギュッと握る
「絶対に許せねえ!」
「何があってもだ!」
…
スタッ.
「やっぱりそうだよな?」少女が地面に飛び降り
「そう簡単に忘れられるわけねえだろ?」
「結局傷ついたのは弱い側なんだから。」
……………
コツ…コツ…
「じゃあ今度はメインコースに移ろうぜ。」少女がハルに向かってゆっくり近づく
…
ヒュッ!
「そこで止まれ!」赤い鎧が鎌を少女の首元に振り下ろす
「その先の相手は…優しくねえぞ。」
…
カン…カン…
「そんな深刻なことじゃねえよ!」少女の指が鎌の刃をなぞる
「ただ単に…」
…
「ここにいるみんなに一緒に味わってもらいたいだけだ。」唇が頬いっぱいに広がり、少女の目が細く笑みの形になる
……………………………………………………………………
ペチペチ…ペチペチ…
「おい…」手が俺の頬を何度も叩く
「おい…お客様…」
…
ぐっ…ぐっ…
「…」俺の目が必死に開き、唇を噛む
…
スーッ…
「本当に…お客様ったら…」手が俺の目尻をなぞる
「食事前に酒は控えてって言ったのに。」
…
「それなのに服に全部こぼしちゃって。」笑みが頬いっぱいに広がる
「片付ける側のことも少しは考えてくれよ!」
…
「ここ…ここは…どこ…」俺の唇が震え、顔が歪み、前方を見る
「何が…起きた…」
「一体…」
…
「ついさっきのことなのに、もう忘れちゃった?」少女の手が俺の頬に触れる
「お客様ったら本当に…」
「デートのお相手が待ってるのに!」
…
「何…デート…ついさっき…」頭を無理に回し、まぶたが徐々に閉じる
「一体…お前は何を…」
…
「しっかりしろよ、お客様!」少女が笑みを俺の顔に近づける
「メインコースの時間だぜ。」
………………………………………………………………………………………………………………
[同時刻、外側のフェンス付近]
タタタタ…タタタタ…
アスファルトの上を走る足音
視線を周りに投げ、武器を強く握る
手のひらに汗がびっしょり
………
ハァ…ハァ…
「この…何で…」アヤノの足が乱れ、体を必死に支える
「少しだけなのに…こんなに長い…」
…
「がんばれ、アヤノさん。」シラカワが振り返り、足を止めずに
「このフェンス、絶対どこかに隙間があるはずだ。」
「早く見つけなきゃ。」
…
ギリッ…
「それに…」シラカワが武器を標的たちに向ける
「中では何が起きてるか分かんねえからな。」
…
ギュッ…
「 」シノミが弓の胴を強く握り、目を見開く
………
カタカタカタカタカタ…
目の前に、三つの影が道の真ん中に現れる
一人が武器を構え、敵を睨む
一人が周りを見回し、顔をしかめる
もう一人が地面に座り、キーを叩き続ける
………
「お前ら何やってんだここで?」シラカワがキーを叩く奴に向かって突進
「危ないって分かってんのか?」
「早く安全なところに戻れよ!」
…
「お前こそだよ、ナツメ。」アサギリが画面から目を上げ
「なんでまだここにいるんだ?」
…
「それは…」シラカワが後ずさり、周りを見回す
「そんなことどうでもいいだろ!」
…
ガシャン.
「どうでもよくねえよ。」赤い髪の少女が武器を広げる
...
「ハルくんがまだ中にいるんだ。」ツメコが構え、標的に武器を向ける
「このまま長引かせたら…」
……
「でも今どうしたらいいか分かんない…」ネネが腕を組み、首を振る
「このフェンス…マジで面倒くせえ。」
「クロミちゃんもさっきから探してるけど隙間見つからないよ。」
…
…
ゼェ…ゼェ…
「もし私たちが…自分で…隙間を作ったら…どうかな…」アヤノが膝に手を置き、頭を上げる
…
「さっきの君。」ツメコが首を傾げ、体を止める
「またさっきみたいなことする気?」
…
「ゆっくり話せよ、アヤノ。」シラカワがアヤノの背中に手を置く
…
「うん…聞いて。」アヤノが練習場を見回す
「今ここに…武器がいっぱい落ちてる…」
「もしここにある火薬全部使ったら…爆弾で…穴開けられるかも。」
…
「それ本当に可能か?」アサギリが顔を上げ、目を丸くしてアヤノを見る
「全部の火薬使っても…そんな威力出るかよ。」
「簡単じゃねえぞ。」
…
「分からない…」アヤノが体を起こす
「でも…試さないと…分からない…」
………
ギリ… ギリ…
弓の弦が今、強く張られる
水滴が一方向に集まり
…
「隙間一つでいい。」シノミが弦を強く引き、鉄のフェンスに向ける
…
「私があいつの場所さえ分かれば。」シノミの唇が震え、目を細める
「それだけで…十分…」
…
「周りの火薬全部使えば…」シラカワが顎に手を当て、地面を見る
「意外と可能かもな。」
「でもお前できるかよ、タナカさん?」
…
ギリギリ…
「 」シノミが肩を張り、表情を変えずに
……
「よし、決まり!」ツメコが体を縮め、手を高く上げる
「私たちも急ごう。」
…
「でもレンって奴…」ネネが腕を組み、唇を噛む
「必要な時にいねえんだから。」
……………………………………………..
ズズズ…ズズズ…
遠く、緑の木陰の机のところで
地面に今、黒い枝が覆い
一人の手が木の棒を強く握る
…
「中佐…」女性が周りを見る
「すべての装置が作動しないんです。」
「このままじゃ…」
…
シュー…
「静かにしろ。」ハガネハラが頭を少し振り返る
「目立たせすぎるな。」
…
「普通を装え。」ハガネハラの唇が震える




