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静時の流れ - 潮騒の誓約  作者: Minateru
残響の果てに

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35/99

氷山の下で・第三部

ザリッ…ザリッ…

崩れた建物の間……

砂利だらけの地面の上……

あちこちに伸びる電線……

緑の蔦が道を塞ぎ……

深紅の染みがあらゆる場所に広がる……

…

ザッ…ザリ…

二つの影は静かに歩き続ける……

並んで、古い話をしながら……

…

「ハル……」シノミが私を振り返り、軽く体を曲げる

「覚えてる?」

…

「この道、数ヶ月前……」シノミが両手で周りの道を指す

「私たち、二人で学校まで引っ張り合って行ったよね。」

…

フッ…

「忘れられるわけないだろ!」私はシノミを見て微笑む

「ここに転校してきたばかりの頃、レンがめちゃくちゃ文句言ってたんだから!」

…

ふふ…

「そりゃそうだよ……」シノミが軽く微笑み、手を口元に当てる

「急に四人でここに一時転校なんて……」

「レンがあれだけ文句言うのも、まだマシな方だよね?」

…

「思い出すと……」シノミが体を伸ばす

「ハルとネネちゃん、ニュース聞いた瞬間固まってたよね!」

…

「君だって同じだったじゃん!」私は目を細めてシノミを見る

「ニュース聞いた瞬間、君もあちこち走り回ってたよ!」

「それに、名簿知る前から早山先生に一緒に行ってくれって頼んでたし。」

…

えっ…

「それは…あの頃は……」シノミが顔を逸らし、頬が少し赤くなる

「…」私は目を丸くしてシノミを見る

…

「全部ハルのせいだよ!」シノミが両手を大きく振り、目を閉じる

「誰がそんなに人懐っこい性格なんだよ!」

…

「もし…ハルが…他の子を選んだら…私、どうすれば……?」シノミが顔を反対側に逸らす

…

「そんなことないよ。」私はシノミを見て微笑む

「約束しただろ。」

「何があっても……」

「俺はいつも君のそばにいるよ。君がいつも俺のそばにいてくれたように。」

…

ぷしゅー…

「…」シノミの顔が真っ赤になり、軽い煙が上がる

……

「でも、本当に意外だったよ……」私の視線が周囲を回る

「まさか転校先がこの街だなんて……」

…

「そうだよね……」シノミが軽く顔を上げて私を見る

「誰が想像できるかな…ね?」

…

「懐かしいな……」私は両手を頭の後ろで組む

「小さい頃の頃……」

「君がいつも俺を海沿いに引っ張って走ってた……」

…

すっ…

「それに岩場の上で走ったり……」私は眉を寄せ、視線を逸らす

「君が海の下から変な生き物引っ張り上げて俺を驚かせたり……」

…

ぽかっ…ぽかっ…

「全部ハルのせいじゃん!」シノミが近づいて私を叩く

「誰が毎回俺を脅かすんだよ!」

「それに虫を顔の前に持ってくるし!」

…

「わかったわかった…ごめんって……」私はシノミを振り返り、唇に笑みを浮かべる

「でも、あの頃の時間、俺全然嫌じゃなかったよ……」

「ハル……」シノミが手を止め、目を丸くして私を見る

…

クッ…

「特にあの時の君の表情が……」私は軽く手で口を覆う

…

ぽかっ…ぽかっ…

「早く忘れてよ!」シノミが連続で私を叩く

…

…

ぽかっ…

「ハル……」シノミが突然手を止め、顔を近づける

「まだ覚えてるよね?」

…

「もちろん!」私は頷いて微笑む

「全部、はっきり覚えてるよ!」

…

「じゃあ…覚えてる?」シノミが軽く唇を動かす

「私たちの自転車の旅のこと……」

「それに…あの時の影たちのこと……」

…

「それって……」私は目を丸くし、首を傾けてシノミを見る

「あれって学校行く時の話だろ?」

…

ふる…

「やっぱり…あの人、正しかったんだ……」シノミが首を振り、軽く口を動かす

…

「俺、何か大事なこと忘れてる?」私はシノミに顔を近づける

…

「大事なことなんてないよ!」シノミが軽く目を閉じ、顔を逸らす

「どうせ…ただの…思い出…覚えておくべきじゃない……」

…

コツ…コツ…

シノミが突然前へ駆け出す

…

とん…

「ハル……」シノミが遠くを指差す

「あっち、まだあのベンチあるよ。」

「ちょっと休憩しようよ!」

…

「うん……」私は軽く頷いてシノミの後を追う

………

そよ…そよ…

髪の間を抜ける微かな風……

土埃まみれのベンチの上……

日差しを遮る木陰……

…

こて…

「本当にいろんなことがあったよね?」シノミが軽く私の肩に寄りかかる

「ここに戻ってきてまだ数ヶ月なのに…私たち……」

…

「予想外だったよ……」私は前を向く

「こんなことになるなんて、誰が想像した?」

…

とん…

「ねえ…ハル……」シノミが軽く前を指差す

「覚えてる? 小さい頃……」

「あそこのお店によく行って、アイス買って食べてたよね。」

「それに……」

…

「覚えてるよ……」私は微笑んで見る

「でもなんか場所違う気がする。」

「俺の記憶だと、あれ小さな店だったはずで……」

「あの向こうのビルじゃないよ……」

…

「もしかして…別の場所か……」私は軽くシノミを横目で見る

…

「違うよ……」シノミが目を細める

「あそこ…私たち、昔……」

…

すぅ…すぅ…

「…」シノミが私に寄りかかる

…

「シノミ……」私は軽く振り返る

………

そっ…

「…」私はシノミの頭をそっと自分の膝に置く

…

さら…さら…

「当然だよ……」私は軽くシノミの頭を撫でる

「昨日からずっと…休む暇なんてなかったんだから……」

…

ふっ…

私の視線がふと引き寄せられる……

シノミの髪に……

イルカのヘアピン、その髪の間に……

…

「これ……」私は目を丸くする

「まだ持ってるなんて……」

「もうずいぶん前なのに……」私は軽く手を伸ばしてヘアピンに触れる

ちょん…

…

ジジッ…

私の目が大きく見開かれる……

次々と浮かぶ映像……

…

はぁ…はぁ…

「もしかして…ちょっと無理しすぎたかな……」私は軽く目を覆う

「昨日からずっと…俺も……」視線が周囲を回る

…………

…ジ……ジジッ…

目の前の崩壊した街……

今、歪み始める……

色が乱れ飛ぶ……

…

ぐ……っ…

「何…これ……」私は両手で頭を強く掴む

「一体…これらのものは……」

……………

ジジッ…

…

がやがや…がやがや…

目の前に賑やかな街区……

あちこちに並ぶ商品……

人影が後ろの荷車を軽く引く……

…

とん…

「おい……」一つの手が私の肩に軽く触れる

「いつまで座ってるつもりだ?」

「まだやるべきことが山ほどあるぞ。」

...

「急がなくていいよ!」私の体が立ち上がり、唇が無意識に動く

…

「どうせあいつら、どこにも行かないだろ。」私の視線が後ろの影に向く

「な……?」

「……早山……」

……………

ジジッ…

…

「たった二人で何ができると思ってる?」一つの影が私の前に立つ

「誰もお前を支持しない。」

「誰もお前の側に立たない。」

…

「ただ…あの欠陥品だけが……」影の視線が私の横に向く

……

私の目が大きく見開かれ、唇が凍りつく……

馴染みのある黒髪が現れ……

黄金の剣を手に……

…

「コウカ……」その名前が脳裏を横切る

……

「それでも一緒に立つのか!」影が口角を吊り上げ、私たちを見る

…

「なぜあの小娘を渡さない!」黒い影が両手を広げる

「カグヤを渡せば…俺たちは手を出さない……」

…

ギリッ…

私の両手が強く握られる……

足が前へ踏み出す……

奇妙な錨が……あの軍団に向かって……

…

「俺の死体を踏み越えてみろ!」私の唇が自然に動く

…

ズガァン!!

煙塵が立ち込め……

地面が激しく揺れる……

レンガと石が四方に飛び散る……

周囲の建物は今や瓦礫だけ……

…

そこに残るのは、巨大な機体……

青い斧を携え……

あの軍団の真ん中に……

……

とん…とん…

「相変わらずタイミングがいいな……」コウカが巨大機体に向かって進む

…

「ノクティス……」

……………

ジジッ…

…

カタカタカタ…カタカタカタ…

暗闇に沈んだ部屋の真ん中……

数字があちこちを走る……

見たことのないロボットたち……

二つの影が部屋の中央に立つ……

スーツの男と、顔を覆った者……

…

ぎゅっ…

「お願いです……」黒い服の者がスーツの男の手を掴む

「私と一緒に来てください!」

「もし結末を知っているなら……」

「……一緒に未来を変えましょう!」

…

がしっ…

「すまない……」スーツの男が黒い服の者をまっすぐ見つめる

「もし俺がお前と逃げたら……」

「すべて…もっと悪くなるだけだ……」

…

ぎゅ……

「約束してくれ……」スーツの男が小さな物を黒い服の者の手に渡す

「これを…俺が言った人に届けてくれ……」

「未来が変わるかどうかは…これにかかっている……」

……

ダダダダッ!

「奴はすぐそこだ!」遠くから足音が響く

……

「行け! 早く!」スーツの男が指を差す

「奴らが知る前に……」

「遅くなる前に……」

…

とん……

「絶対に忘れない……」黒い服の者が振り返る

「あなたが私たちのためにしてくれたこと……」

………

ドンッ!!

部屋の扉が大きく開く……

…

「見つけたぞ!」一人がライトを前に向ける

「すぐに包囲しろ。」

……

…ジ……ジジッ…

目の前の映像が歪み始める……

……

ジジッ…

スーツの男の視線が今、私に向く……

…

「これが、俺にできることだ。」スーツの男が軽く微笑む

「君は…掴むか?」

…

バンッ!!

空間の真ん中に黄金の光が輝く……

……

ブツッ……ブツッ……

..........................................................................................................................................................................

「十神様……」

私の目がゆっくり開く……

映像が徐々に鮮明になる……

…

「十神様。」

「十神様!」

コウカの姿が目の前に現れる

…

はっ……はっ……

私の目が大きく見開かれ、体が後ろに仰け反る……

手が軽く胸に触れる……

…

「十神様?」コウカが首を傾けて私を見る

……

そっ…

私の右手がそっと下に落ちる……

膝の上で静かに横たわる青い髪……

小さな呼吸が体全体に伝わる……

…

「…」私の視線が緩む

……

「どうしたの?」コウカが顔を近づける

「どこか具合悪い?」

…

「あ、いや……」私はコウカを振り返る

「ただ…変な夢を見ただけ……」

…

「もしかして…休めてなかったからかな。」私はコウカを見て微笑む

…

「でも、コウカ……」私は目を丸くしてコウカを見る

「まだ結構早いよね……」

「また何かあったの?」

…

「何言ってるの、十神様?」コウカが首を傾ける

「もう夕方よ!」

…

「え……」私の目が大きく見開かれる

…

「そろそろ帰る時間だよ!」

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