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静時の流れ - 潮騒の誓約  作者: Minateru
残響の果てに

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35/35

氷山の下で・第三部

ザリッ…ザリッ…

崩れた建物の間……

砂利だらけの地面の上……

あちこちに伸びる電線……

緑の蔦が道を塞ぎ……

深紅の染みがあらゆる場所に広がる……

ザッ…ザリ…

二つの影は静かに歩き続ける……

並んで、古い話をしながら……

「ハル……」シノミが私を振り返り、軽く体を曲げる

「覚えてる?」

「この道、数ヶ月前……」シノミが両手で周りの道を指す

「私たち、二人で学校まで引っ張り合って行ったよね。」

フッ…

「忘れられるわけないだろ!」私はシノミを見て微笑む

「ここに転校してきたばかりの頃、レンがめちゃくちゃ文句言ってたんだから!」

ふふ…

「そりゃそうだよ……」シノミが軽く微笑み、手を口元に当てる

「急に四人でここに一時転校なんて……」

「レンがあれだけ文句言うのも、まだマシな方だよね?」

「思い出すと……」シノミが体を伸ばす

「ハルとネネちゃん、ニュース聞いた瞬間固まってたよね!」

「君だって同じだったじゃん!」私は目を細めてシノミを見る

「ニュース聞いた瞬間、君もあちこち走り回ってたよ!」

「それに、名簿知る前から早山先生に一緒に行ってくれって頼んでたし。」

えっ…

「それは…あの頃は……」シノミが顔を逸らし、頬が少し赤くなる

「…」私は目を丸くしてシノミを見る

「全部ハルのせいだよ!」シノミが両手を大きく振り、目を閉じる

「誰がそんなに人懐っこい性格なんだよ!」

「もし…ハルが…他の子を選んだら…私、どうすれば……?」シノミが顔を反対側に逸らす

「そんなことないよ。」私はシノミを見て微笑む

「約束しただろ。」

「何があっても……」

「俺はいつも君のそばにいるよ。君がいつも俺のそばにいてくれたように。」

ぷしゅー…

「…」シノミの顔が真っ赤になり、軽い煙が上がる

……

「でも、本当に意外だったよ……」私の視線が周囲を回る

「まさか転校先がこの街だなんて……」

「そうだよね……」シノミが軽く顔を上げて私を見る

「誰が想像できるかな…ね?」

「懐かしいな……」私は両手を頭の後ろで組む

「小さい頃の頃……」

「君がいつも俺を海沿いに引っ張って走ってた……」

すっ…

「それに岩場の上で走ったり……」私は眉を寄せ、視線を逸らす

「君が海の下から変な生き物引っ張り上げて俺を驚かせたり……」

ぽかっ…ぽかっ…

「全部ハルのせいじゃん!」シノミが近づいて私を叩く

「誰が毎回俺を脅かすんだよ!」

「それに虫を顔の前に持ってくるし!」

「わかったわかった…ごめんって……」私はシノミを振り返り、唇に笑みを浮かべる

「でも、あの頃の時間、俺全然嫌じゃなかったよ……」

「ハル……」シノミが手を止め、目を丸くして私を見る

クッ…

「特にあの時の君の表情が……」私は軽く手で口を覆う

ぽかっ…ぽかっ…

「早く忘れてよ!」シノミが連続で私を叩く

ぽかっ…

「ハル……」シノミが突然手を止め、顔を近づける

「まだ覚えてるよね?」

「もちろん!」私は頷いて微笑む

「全部、はっきり覚えてるよ!」

「じゃあ…覚えてる?」シノミが軽く唇を動かす

「私たちの自転車の旅のこと……」

「それに…あの時の影たちのこと……」

「それって……」私は目を丸くし、首を傾けてシノミを見る

「あれって学校行く時の話だろ?」

ふる…

「やっぱり…あの人、正しかったんだ……」シノミが首を振り、軽く口を動かす

「俺、何か大事なこと忘れてる?」私はシノミに顔を近づける

「大事なことなんてないよ!」シノミが軽く目を閉じ、顔を逸らす

「どうせ…ただの…思い出…覚えておくべきじゃない……」

コツ…コツ…

シノミが突然前へ駆け出す

とん…

「ハル……」シノミが遠くを指差す

「あっち、まだあのベンチあるよ。」

「ちょっと休憩しようよ!」

「うん……」私は軽く頷いてシノミの後を追う

………

そよ…そよ…

髪の間を抜ける微かな風……

土埃まみれのベンチの上……

日差しを遮る木陰……

こて…

「本当にいろんなことがあったよね?」シノミが軽く私の肩に寄りかかる

「ここに戻ってきてまだ数ヶ月なのに…私たち……」

「予想外だったよ……」私は前を向く

「こんなことになるなんて、誰が想像した?」

とん…

「ねえ…ハル……」シノミが軽く前を指差す

「覚えてる? 小さい頃……」

「あそこのお店によく行って、アイス買って食べてたよね。」

「それに……」

「覚えてるよ……」私は微笑んで見る

「でもなんか場所違う気がする。」

「俺の記憶だと、あれ小さな店だったはずで……」

「あの向こうのビルじゃないよ……」

「もしかして…別の場所か……」私は軽くシノミを横目で見る

「違うよ……」シノミが目を細める

「あそこ…私たち、昔……」

すぅ…すぅ…

「…」シノミが私に寄りかかる

「シノミ……」私は軽く振り返る

………

そっ…

「…」私はシノミの頭をそっと自分の膝に置く

さら…さら…

「当然だよ……」私は軽くシノミの頭を撫でる

「昨日からずっと…休む暇なんてなかったんだから……」

ふっ…

私の視線がふと引き寄せられる……

シノミの髪に……

イルカのヘアピン、その髪の間に……

「これ……」私は目を丸くする

「まだ持ってるなんて……」

「もうずいぶん前なのに……」私は軽く手を伸ばしてヘアピンに触れる

ちょん…

ジジッ…

私の目が大きく見開かれる……

次々と浮かぶ映像……

はぁ…はぁ…

「もしかして…ちょっと無理しすぎたかな……」私は軽く目を覆う

「昨日からずっと…俺も……」視線が周囲を回る

…………

…ジ……ジジッ…

目の前の崩壊した街……

今、歪み始める……

色が乱れ飛ぶ……

ぐ……っ…

「何…これ……」私は両手で頭を強く掴む

「一体…これらのものは……」

……………

ジジッ…

がやがや…がやがや…

目の前に賑やかな街区……

あちこちに並ぶ商品……

人影が後ろの荷車を軽く引く……

とん…

「おい……」一つの手が私の肩に軽く触れる

「いつまで座ってるつもりだ?」

「まだやるべきことが山ほどあるぞ。」

...

「急がなくていいよ!」私の体が立ち上がり、唇が無意識に動く

「どうせあいつら、どこにも行かないだろ。」私の視線が後ろの影に向く

「な……?」

「……早山……」

……………

ジジッ…

「たった二人で何ができると思ってる?」一つの影が私の前に立つ

「誰もお前を支持しない。」

「誰もお前の側に立たない。」

「ただ…あの欠陥品だけが……」影の視線が私の横に向く

……

私の目が大きく見開かれ、唇が凍りつく……

馴染みのある黒髪が現れ……

黄金の剣を手に……

「コウカ……」その名前が脳裏を横切る

……

「それでも一緒に立つのか!」影が口角を吊り上げ、私たちを見る

「なぜあの小娘を渡さない!」黒い影が両手を広げる

「カグヤを渡せば…俺たちは手を出さない……」

ギリッ…

私の両手が強く握られる……

足が前へ踏み出す……

奇妙な錨が……あの軍団に向かって……

「俺の死体を踏み越えてみろ!」私の唇が自然に動く

ズガァン!!

煙塵が立ち込め……

地面が激しく揺れる……

レンガと石が四方に飛び散る……

周囲の建物は今や瓦礫だけ……

そこに残るのは、巨大な機体……

青い斧を携え……

あの軍団の真ん中に……

……

とん…とん…

「相変わらずタイミングがいいな……」コウカが巨大機体に向かって進む

「ノクティス……」

……………

ジジッ…

カタカタカタ…カタカタカタ…

暗闇に沈んだ部屋の真ん中……

数字があちこちを走る……

見たことのないロボットたち……

二つの影が部屋の中央に立つ……

スーツの男と、顔を覆った者……

ぎゅっ…

「お願いです……」黒い服の者がスーツの男の手を掴む

「私と一緒に来てください!」

「もし結末を知っているなら……」

「……一緒に未来を変えましょう!」

がしっ…

「すまない……」スーツの男が黒い服の者をまっすぐ見つめる

「もし俺がお前と逃げたら……」

「すべて…もっと悪くなるだけだ……」

ぎゅ……

「約束してくれ……」スーツの男が小さな物を黒い服の者の手に渡す

「これを…俺が言った人に届けてくれ……」

「未来が変わるかどうかは…これにかかっている……」

……

ダダダダッ!

「奴はすぐそこだ!」遠くから足音が響く

……

「行け! 早く!」スーツの男が指を差す

「奴らが知る前に……」

「遅くなる前に……」

とん……

「絶対に忘れない……」黒い服の者が振り返る

「あなたが私たちのためにしてくれたこと……」

………

ドンッ!!

部屋の扉が大きく開く……

「見つけたぞ!」一人がライトを前に向ける

「すぐに包囲しろ。」

……

…ジ……ジジッ…

目の前の映像が歪み始める……

……

ジジッ…

スーツの男の視線が今、私に向く……

「これが、俺にできることだ。」スーツの男が軽く微笑む

「君は…掴むか?」

バンッ!!

空間の真ん中に黄金の光が輝く……

……

ブツッ……ブツッ……

..........................................................................................................................................................................

「十神様……」

私の目がゆっくり開く……

映像が徐々に鮮明になる……

「十神様。」

「十神様!」

コウカの姿が目の前に現れる

はっ……はっ……

私の目が大きく見開かれ、体が後ろに仰け反る……

手が軽く胸に触れる……

「十神様?」コウカが首を傾けて私を見る

……

そっ…

私の右手がそっと下に落ちる……

膝の上で静かに横たわる青い髪……

小さな呼吸が体全体に伝わる……

「…」私の視線が緩む

……

「どうしたの?」コウカが顔を近づける

「どこか具合悪い?」

「あ、いや……」私はコウカを振り返る

「ただ…変な夢を見ただけ……」

「もしかして…休めてなかったからかな。」私はコウカを見て微笑む

「でも、コウカ……」私は目を丸くしてコウカを見る

「まだ結構早いよね……」

「また何かあったの?」

「何言ってるの、十神様?」コウカが首を傾ける

「もう夕方よ!」

「え……」私の目が大きく見開かれる

「そろそろ帰る時間だよ!」

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