氷山の下で・第二部
黒い岩の破片があちこちに落ち散る……
地面に長く伸びる液体……
怪獣の顔が建物の間に現れる……
…
ギュイイイイ…
火花があちこちに飛び散る……
…
ガン…ガン…ガン…
空間全体に響き渡る音……
…
トン…トン…
一つの影がゆっくり近づいてくる……
…
「小林さん……」コウカが目をレンに向ける
「もうすぐ私たちも帰る時間よ!」
「急がないと、置いてかれちゃうかも。」
…
「そう…なの…?」レンが首を傾ける
…
「分かった……」レンが軽く頷く
「じゃあ、また今度話そうね!」レンの視線がシンに向く
…
ガバッ!
「でもまだ話終わってないよ!」シンが体を跳ね起こす
「まだ知りたいことがいくつかあるんだから!」
……
ザッ…ザッ…
「ごめんなさい、でもここで一旦終わり!」コウカがレンに近づく
「このままじゃ、私たちの予定が全部狂っちゃう!」
…
「分かってくれると嬉しいな!」コウカが目を細めてレンを見る
…
「あ…うん……」シンが後ずさり、目を大きく見開く
「そうなったら…もう仕方ないよね……」
……
タッ…タッ…
小さな影がコウカに向かって駆け寄る……
銀髪、そして明るい笑顔……
…
ぎゅっ…
小さな少女がコウカの胸に飛び込む
…
「コウカお姉ちゃん、おかえり!」アタメが笑顔で顔を上げ、コウカを見る
…
「ちょっと!」シンがアタメに手を伸ばす
「いきなり何してるのよ!」
…
「また…お前か!」レンが後ずさり、目を丸くする
……
なで…なで…
コウカがそっとアタメの頭に触れる……
唇に小さな笑みを浮かべて……
丸い目で見つめて……
…
「お姉ちゃん帰ってきたよ、アタメ!」コウカが首を傾けてアタメを見る
「良い子にしてた?」
「他の姉妹たちはどう?」
…
にこっ…
「アタメ、元気だよ!」アタメがコウカを見て笑う
「アタメ、ちゃんと聞いてるよ!」
…
「さっきの怪獣たちだって……」アタメが指でkaijuの死体を指す
「頼まれたら、アタメ全部やる!」
…
「他の姉妹たちもみんな元気!」アタメが首を傾ける
「セツナお姉ちゃんはいつも不機嫌で寝坊してるけど……」
「みんなで助け合って、がんばってるよ!」
……
「星真さん……」レンが軽くコウカを指す
「君…本当にあの子と知り合いなの?」レンが目をアタメに移す
…
「そうよ!」コウカが微笑む
…
「じゃあつまり……」レンが笑みを浮かべる
…
「ごめんね、小林さん!」コウカが目を細めてレンを見る
「でも手伝えないの!」
「今は一刻も早く帰らないと!」
…
「わ…分かった……」レンが肩を落とす
…
「じゃあね!」コウカがアタメを振り返る
「お姉ちゃん、また行かなきゃ!」
…
ぎゅっ…
「いやだよ!」アタメがコウカの袖を掴む
「やっと会えたのに!」
「アタメ、まだたくさん見せたいものあるんだから!」
………
コツ…コツ…
「そうだよ、コウカ!」一つの影が近づいてくる
「もう少しここにいてくれない?」
「話さなきゃいけないことがたくさんあるんだから!」
「二人とも!」その影の視線がレンに向く
…...
「お姉ちゃん!」シンが目をミヤビに向ける
「この人知ってるの?」
…
「知ってるだけじゃない!」ミヤビが唇を緩める
「かなり詳しく知ってるわ!」
……
そっ…
「…」コウカが軽くアタメを押し出す
……
「そう?」コウカが顔を上げる
「だったら私の答えももう分かってるはずよね!」
…
トン…トン…
「もちろん分かってる!」ミヤビがコウカに近づく
「たくさんの人が説得しようとしたけど、全部断られてる!」
…
「でも少しだけ聞いてくれない?」ミヤビが胸に手を当てる
「聞いてから断っても、何も失うものないでしょ!」
…
「短くして!」コウカが目を細めてミヤビを見る
「私たちに一日中時間があるわけじゃない!」
…………
「分かった!」ミヤビが頷く
…
すっ…
「見ての通り!」ミヤビがkaijuの方を指差す
「長年姿を消していたのに……」
「kaijuがまた現れた。」
「しかもこれまで記録にない奇妙な特徴を伴って。」
…
「それがどうしたの?」コウカがミヤビをまっすぐ見つめる
…
ザッ…ザッ…
「君も分かってるはず!」ミヤビが進み出る
「たった8機のAegisじゃ、この脅威に対処できない!」
「特に、さっきみたいに同族を攻撃するなんて!」
…
ぴっ!
「だから……」ミヤビがレンを指差す
「今、各地から才能を急いで集めてる!」
「目標はAegis9号機の起動。」
「それで反撃力を高めて!」
「最悪の事態を避けるためにも!」
…
「俺…?」レンが自分を指差し、首を傾ける
…
「そう!」ミヤビが微笑む
「君にとっては大したことないかもしれないけど……」
「でも君みたいにできる人なんてそういない!」
…
「どう思う?」ミヤビがレンに手を差し出す
「アニメでしか見たことない機体を操縦できるチャンスよ!」
…
サッ!
「小林さんを誘惑しないで!」コウカがレンを庇うように立つ
「君もよく知ってるでしょ……」
「セツナと同期しようとした人はどんな目に遭うか。」コウカが目を細めてミヤビを見る
…
「知ってる!」ミヤビが頷く
「だからこそ、君も必要なの!」ミヤビが両手をコウカに向ける
…
「あと9人……」コウカが目をアタメに移す
「君もHydroPhalanxの一人よね……」
「セツナの代わりに君がやればいいじゃない!」
…
「それに、最良のシナリオなら……」ミヤビが周囲を見回す
「君とセツナが協力すれば……」
「いつでもkaijuを倒せる!」
…
「二人ともどう思う?」ミヤビが目を丸くしてレンとコウカを見る
「人類の光になりたくないの?」
……
「言い終わった?」コウカが目を細めてミヤビを見る
…
「だいたいね!」ミヤビが微笑む
「もっと話したいなら、基地に戻って……」
…
「ふざけないで……」コウカが唇を動かし、睨む
…
「理由は立派ね……」コウカが周囲を見回す
「でもこれを引き起こしたのはお前たちじゃないの?」
…
へっ…
「人類の光、か?」コウカが口角を吊り上げる
「人類の光になったせいで……」
「私が知ってる人たちがみんな消えた……」
「ウラヌスも壊された……」
…
ぎゅっ…
「他の姉妹たちも次々と行方不明に……」コウカの両手が強く握られる
…
…
「答えて!」コウカがミヤビをまっすぐ見つめる
「なんでそんな選択をしたの!」
「あの人がお前たちに光をもたらしたのに……」
…
「なんでカグヤを否定したの?」コウカが睨む
…
「…」ミヤビが体を固くし、目を大きく見開く
…
「あの名前……」ミヤビの唇が軽く動く
「誰……?」
…
くるっ…
「もういい!」コウカが顔を逸らす
「だから私はお前たちと組まない!」
「セツナも同じ!」
…
「もう一度考えて!」ミヤビが軽く頭を下げる
「人類のため、そして君の姉妹たちのためにも……」
……
ザッ…ザッ…
コウカがまっすぐ歩き出す……
視線を遠くへ……
………
「お姉ちゃん……」アタメが目を丸くする
「また行っちゃうの?」
…
「大丈夫よ、アタメ!」コウカがアタメを見て微笑む
「またすぐに会えるから!」
「それまでがんばってね!」
…
「うん!」アタメが目を丸くする
…
「行きましょう、小林さん!」コウカがレンを振り返る
「あ、うん……」レンが軽く顔を上げる
……
「いつでも二人を歓迎するわ!」ミヤビが顔を上げ、手を口元に当てる
………
タッ…タッ…
「ミヤビ先輩……」カオルがミヤビに近づく
「このまま行かせていいの?」
「あの人たちこそ、私たちが探してるものじゃない?」
…
「大丈夫……」ミヤビがカオルを振り返る
「無理に引き留めたら……」
「もっと大きな代償を払うことになる」ミヤビの視線が周囲を回る
…………………
ザッ…ザッ…
二つの影が徐々に遠ざかる……
…
サッ…
突然煙が目の前に現れる……
一人の影が道を塞ぐ……
緑色の髪、腕を組んで……
…
「またどこへ逃げる気?」アカギが目を細めてコウカを見る
「どうして自分の姉妹に背を向けるの?」
……
コツ…コツ…
コウカは歩き続ける……
視線をまっすぐ前に……
……
「何か言ってよ!」アカギがコウカに体を伸ばす
「私たちがどんな目に遭ったか知ってる?」
...
「あの戦いの後から……」アカギが軽く胸に触れる
「ウラヌスはなくなって、あの人たちは消えて……」
「君まで……」
「私たちに何を強いたか知ってる?」
……
コツ…コツ…
コウカは歩き続ける……
アカギの影を越えて……
……
くるっ…
「どうして君だけがそんな扱いなの?」アカギが背を向けてコウカを見る
「どうして君だけが選べるの?」
「どうして君はウラヌスと一緒にいたの?」
「もう私たちのことなんてどうでもいいの?」
…
「どうして…君だけが…あの人の姓を背負えるの?」アカギが軽く唇を動かす
…
すっ…
「私が…そう選んだから……」コウカが軽く振り返ってアカギを見る
…
「どうして…?」アカギが軽く手を伸ばす
「どうして君だけ…人間の手が届かない……」
…………
コツ…コツ…
「星真さん……」レンが進み出て、コウカを見る
「このまま行っちゃっていいの?」
「俺は何も分からないけど……」
…
「でも…あの人たち見てるとちょっと……」レンの視線がアカギに向く
…
「大丈夫よ……」コウカが軽く微笑む
「彼らにはケンドーが守ってくれるから……」
…
「だからこそ……」コウカが前を向く
「私はもっと大事なことをしなきゃ……」
……
「君もよ、小林さん……」コウカがレンを振り返る
「よく考えて!」
「一度その道を選んだら……」
…
「もう後戻りできない」コウカが軽く唇を動かす
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てく…てく…
足音がぐるぐる回る……
私の視線が周囲をさまよう……
…
「結局二人はどこに行っちゃうんだろう?」私が軽く唇を閉じる
…
「ハル……」シノミが目を丸くして私を見る
…
「どうしたの、シノミ?」私がシノミを振り返る
…
「ねえ、今から……」シノミが両手を絡める
「少し散歩しない?」
…
「でも、二人がいつ戻ってくるか分からないし……」私がシノミに手を伸ばす
…
きゅっ…
「分かってる……」シノミが私の手を握る
「でもこの街には私たちの思い出がいっぱいあって……」
「もう一度見ておきたいの……」
…
「いいよね、ハル?」シノミが顔を上げ、目を丸くして私を見る。




