嵐が残したもの
ガタガタ…ガタガタ…
均等に進む車輪の上で…
周囲の景色は今、ひどく馴染み深いものになっていた…
一本一本の木々、一棟一棟の建物、一本一本の信号柱…
…
今、すべてが私の目の前に現れている…
私がかつて住んでいた都市…
今、周囲に残っているのは破片だけ…
…
いたるところにひび割れた建物…
賑わっていた居住区は石の破片だけが残り…
枝が傾き、あちこちに倒れ…
そして、深紅の色…
…あらゆる道に広がっている…
……。
ガチャン…ガチャン…
白い塵がいたるところに舞い上がり…
白い機械が徐々に姿を現す…
次々と大きな石の塊を遠くへ運び…
大きな木々を道から持ち上げていく…
…
ドサドサ…ドサドサ…
軍服を着た兵士たち…
汗で濡れた上着と、額に汗を浮かべて…
ゆっくりと小さな石の塊を持ち上げ…
崩壊した瓦礫の下を深く掘り進める…
…
バラ…バラ…
ゆっくりと手を携えて…
兵士たちは闇の下から引き上げる…
目を閉じた人々…
赤い色が全身を覆い…
………………………………………………………………………………………………………………
ピタッ…
「…………」ハヤサキが顔を逸らす
…
「これは……」レンが硬直したまま都市の方を見つめる
「どうしてこんな……」シノミが目を大きく見開く
…
「でも、だって……」私がコウカの方を振り返る
……
「誰もがその幸運に恵まれるわけじゃない」コウカが戦場の方を振り返る
「逃げたくない人もいる、意地を張る人もいる……」
「助けが来なかった人もいる……」
…
「そして……」コウカがそっと目を閉じる
「単純に、間に合わなかった人もいる……」
…
ザク…ザク…
「さあ、行きましょう!」コウカが私たちを振り返る
「まだ、みんなに見せなければならないものがある……」
…
「…………」私たち四人が互いに視線を交わす
………………………………………………………………………………………………………………
ジャ…リジャ…リ…
長く続く石の帯を越え…
横たわる電線を踏み越え…
古い交通標識を乗り越え…
…
今、私たちの目の前に…
奇妙な光景が広がっている…
…
ブーン…ブーン…
音があらゆる場所から響き…
小さな影が空中を飛び回り…
小さな黒い点が…
地面の至る所に止まっている…
…
深紅の色が全面を覆い…
白いシートがあちこちに広げられ…
下に横たわる人々を覆い隠している…
…
大きな木の台が並べられ
白いシートと交互に…
赤い紙があちこちに広げられ…
そして中央のエリアは、白い紙だけ…
………
「コウカ……」私がコウカを振り返る
「これは……一体……」
…
シー……ッ…
「…………」コウカの視線が私に向き、指を軽く口に当てる
…
「どうか見ててください、トガミ様」コウカが軽く前方を指す
…………………………
ベチャ…ベチャ…
一群の人々が徐々に広場の中央へ進む…
手に別の人間を支え…
そしてクロガネさんの姿が、先頭を歩む…
…
サッ…サッ…
クロガネさんの手が軽く前へ伸び…
薄い毛布がめくられ…
小さな物が次々と引き上げられる…
…
コトッ…コトッ…
小さな箱が開かれ…
一人ずつ近づき、箱を順番に…
クロガネさんが毛布を掛けるたびに去っていく…
………
ズル…ズル…
別の群れが進み入り…
手に肉片の詰まった盆を持ち…
広場の中央へ向かい…
肉片を周囲にそっと置いていく…
………
ノシ…ノシ…
二列の人が後退した時…
三列目の人々が前へ進み…
広場の遠く、海の方角へ…
手で…
白い鎧を一つずつ支え…
…
「…………」ハヤサキの目が大きく見開かれる
…
スルッ…
一つずつ兜が外され…
小さな持ち物が箱に入れられ…
そして白い布が…
あの姿たちにかけられていく…
……………
ザッ!
すべての列が並んで立ち…
目を閉じ…
頭を軽く下げ…
…
ザク…ベチャ…
クロガネさんが前へ進み…
手に赤い炎の松明を固く握り…
…
ボッ!…
松明がそっと毛布の上に落ちる
…
… ゴオオオオ…
炎が徐々に広がり…
周囲を覆う白い紙に沿って…
広場全体を包み…
空高くまで届く赤い炎で…
…
人々は頭を上げ、炎を見つめる…
…
私たちの目も大きく見開かれ…
離れることができない…
……
後ろに残るのは…
ただ…
すべてを覆う黒い色だけ…
……………
コツ…コツ…
人々の流れが突然二手に分かれる…
一つの流れは車両の方へ…
手に翼と星の紋章が刻まれた箱を持ち…
…
残りの流れは海の方へ…
手に貝殻の形が刻まれた箱を持ち…
……
「行きなさい……」コウカがハヤサキを振り返る
「誰かが彼らを家へ導かなければ」コウカが海へ向かう群れを指す
「…………」ハヤサキが目を大きく見開く
…
ダダダダ…
ハヤサキの背中が群れに向かって駆け出す…
…
「お嬢様……しばらくお預けします……」ハヤサキが振り返り、唇を軽く動かす
「最後の血筋の方よ……」
……
クルッ…
「みんな、もう見たでしょう……」コウカが軽く背を向ける
「これからの道で、何が起きようとも……」
「結末は必ずここに至る……」
…
「それでもみんなは歩ける……?」コウカが目を丸くし、首を傾けて私たちを見る
「それが最後の歩みになるかもしれないと知っていても?」
………………………….
トボ…トボ…
小さな人影が突然私たちに近づいてくる
…
ドンッ!
白く長い髪…
小さな体がレンの背中に寄りかかる
「…………」レンが後ろを振り返る
…
「やっと見つけた!」少女が顔を上げてレンを見る
「みんなが探してたんだから!」
「ご主人様!」少女が笑顔でレンを見る
…
「何言ってるの?」レンが目を丸くする
「ご主人様? 探してる?」
…
ササッ…
「人違いだと思うよ!」レンがゆっくり後退する
…
ガシッ!
「いつもの言い訳はやめてください!」少女がレンの両手を掴む
「あなたが行きたくないなら……」
「……もうこの方法しかないかな……」少女がレンの体を軽く持ち上げる
…
「ちょっと、何してるの?」レンが体を激しく揺する
「人違いだって言ってるでしょ!」
「ちょっと、聞いてる?」
…
「もう暴れないでくださいご主人様!」少女が目を丸くしてレンを見る
「カオル様の面倒な説教が怖いなら……」
…
タタタタ…タタタタ…
「その時は私が一緒にいてあげます!」少女がレンを抱えたまま駆け出す
……
「何が……今起きたの……?」シノミが軽く私の方を振り返る
「やばい、レン!」私が少女の方向へ体を乗り出す
…
「どうかお待ちください、トガミ様!」コウカが私の前に手を出す
…
「コウカ、でもどうして……」私がコウカを振り返る
「このままじゃあいつの跡を失うよ!」私が少女が走った方向を指す
…
「コバヤシさんのことは、私に任せてください!」コウカが軽く微笑む
「今は、まだあなたに会わせるわけにはいきません」コウカが唇を軽く動かす
…
「でも……」私が前へ体を乗り出す
「どうか私を信じてください!」コウカが微笑んで私を見る
…
「じゃあ、お願いするよ……」私が体を引いて、軽く頷く
……
コツ…コツ…
コウカがゆっくり歩き出す…
少女が向かった方へ…
…
「久しぶりね……」コウカが唇を軽く動かす
「相変わらず変わらない子ね……」コウカの顔に微笑みが浮かぶ
………………………………………………………………………………………………………………
タタタタ…タタタタ…
小さな人影がレンを運び…
崩壊した瓦礫を越え…
壊れたレンガの上を登り…
….
「下ろせよ!」レンが体を激しく動かす
「人違いだって言ってるだろ!」
…
ズシン!
大きな煙が周囲に広がり…
小石があちこちに飛び散る…
…
「何だよこれ……」レンが振り返り、目を大きく見開く
………
巨大な黒い石の塊…
都市の真ん中にぽつんと横たわり…
…
ウィーン…
音が周囲に響き渡り…
火花が四方に飛び散る…
…
ガシャン…ガシャン…
あちこちに張られたケーブル…
空中に吊るされた人々…
巨大な体にハンマーを叩きつける…
…
そしてすべてが姿を現す…
怪獣の顔…
胸に大きな穴が開き…
無数の機械…
そして周囲を取り囲む人々…
…………
ピタッ!
少女が突然足を止める…
前方に二人の人影が立っている…
…
ドサッ!
少女がレンを下ろす
…
「ちょっと……」レンが立ち上がろうとする
「もう少し優しくできないの?」
……
トテ…トテ…
少女が二人の人影に近づく
…
「カオル様、ミヤビ様……」少女が微笑む
「ご主人様を連れて帰りました!」
…
ナデナデ…
「さすがアタメ、いつだって頼りになるね!」ミヤビがアタメの頭を撫でる
「あの役立たずの弟とは違う!」
…
「そしてお前は……」カオルが目を細め、ゆっくりレンの方へ振り返る
「みんながどれだけ忙しいか知ってるよね?」
「それなのにお前は……」レンの顔に表情が浮かぶ
…
「……勝手に遊びに出かけるなんて……」カオルが目を丸くする
…
「お前は誰?」ミヤビが首を傾けてレンを見る




