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静時の流れ - 潮騒の誓約  作者: Minateru
残響の果てに

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28/98

闇夜に灯る紅の火

青い月光が闇の夜道を隅々まで照らし出す中

真紅の炎が道の真ん中で鮮やかに燃え盛る…

…

とん…とん…

「相変わらず謀略家だな、ハヤマ?」リクオが近づいてくる

「君こそ俺と何が違う?」ハヤマが銃を下げ、リクオを振り返る

「もうガキどもを巻き込んでるじゃないか。」

…

ははっ…

「どうしようもないだろ?」リクオが頭をかき、口元に笑みを浮かべて炎の方を見る

「あのガキども、才能があるんだよ。」

…

「君は……」ハヤマがまっすぐリクオを見つめる

「イカリとの約束、忘れたのか?」

…

「忘れられるわけないだろ。」リクオが首を振ってハヤマを見る

「でも……」

「まさに彼が言った通りだよ……」リクオが街の方を見る

「一度車輪が動き出したら、もう誰も止められない。」

…

「まあ、その話は置いといて……」リクオがにやりと笑う

「その物資、どこから調達してきたんだ?」

…

がしっ!

突然、瓶がリクオに向かって飛んでくる

…

「醤油?」リクオが目を丸くして瓶を見る

「難しいことなんてないよ。」ハヤマが銃を炎の方に向ける

「ただ近くのコンビニからいただいただけさ。」

…

「生意気だな?」リクオが首を振る

「返せるあてがあるのかよ、そんなに取ってきて。」

…

「だって俺、君のカードで決済したもん。」ハヤマが笑って、一枚のカードをリクオの方に差し出す

…

ばっ!

「このクソ野郎!」リクオがカードを奪い取り、目を細める

「どれだけ貯めてたか知ってるのかよ?」

…

「知ってるよ。」ハヤマが引き金を絞りながら煙の中を見回す

…

「でも……」ハヤマの照準が槍を持った人物に直撃する

「俺たち、あいつを信じていいのか?」

「別に構わないだろ。」リクオが首を振る

「どうせあいつも俺たちとは別の目的がある。」

…

「それに……」リクオが笑みを浮かべる

「このチーム、もうあいつらと一緒に戦うのに慣れちゃってるだろ?」

……

ビュンッ!

二人が立っているビルの上から

巨大な黒い影が白い煙の中へ飛び込む

赤く輝く目と、ビルに刻まれた爪痕とともに

………………………………………………………………………………………………………………

周囲のビルよりも高い煙の渦の中……

四方で黄金色の炎が激しく燃え上がる……

紙片があちこちに舞い散る……

そして黒い水たまりの真ん中で

白い鎧の軍団が四方に広がっていく……

…

「おいおっさん……」レンが振り返って男を見る

「これ、ちょっとやりすぎじゃないか?」

「どういう意味だ、ガキ?」男が首を傾げて見る

…

「あいつらがあんな罪を犯したのは分かってる……」レンがスクリーンに目を向ける

「でも今見てみろよ、俺たちと何が違うんだよ。」

「他に方法はないのか?」

…

「そんなことは関係ない。」男が運転席に背を預ける

「俺たちの任務は敵を殲滅することだ。」

「単独で立ってる奴らを全部狙え。」

「俺たちはそれだけやればいい。」

…

ぎゅっ…

「でも……」レンがハンドルを強く握る

「任務だとしても……」

「こんなのひどすぎるだろ!」

「どうしてそんなことが!」

…

「今さら撤退するつもりか?」男が首を上げ、目を細めてレンを見る

「お前がやらなくても、俺はやる。」

「それが必要だからだ。」

「ガキ、どっちかだよ。あいつらか、俺たちか。」

…

「絶対に他に方法がある!」レンが手を振り上げる

「おっさんが言ってたじゃないか?」

「昔は両方が一緒に暮らしてたんだろ?」

「だったら今だってできるはずだろ?」

「たとえ無理だとしても。」

…

ビュンッ!

「そう思うのか?」男が微笑む

「教えてくれ、なぜそう思うんだ?」

「ただ……」レンがスクリーンを見る

「昔、バカな奴が俺にそう考えて生きろって教えてくれたんだ……」

…

「だったら……」男がスクリーンを指差す

「地面に這ってる奴らは無視しろ!」

「俺たちの標的は俺たちを攻撃してくる奴らだ。」

「そうじゃない奴らじゃない。」

「了解、おっさん!」レンがハンドルを前に向け、口元に笑みを浮かべる

………

ガラガラ…

レンガや石が絶えず落ちてくる……

煙があらゆる隙間を埋め尽くす……

…

ザリッ…ザリザリ…

黒く染まった地面の上……

身を寄せ合う軍団の間で……

黄金色の炎が一つの影を照らし出す……

長い腕が周囲をそっと撫でる……

赤い目が煙の奥でぐるりと回る……

爪痕が徐々に露わになる……

…

ババババッ!

青い弾丸が乱れ飛ぶ……

「早く撃て!」白い鎧の一人が軍団の中央で煙を指差す

「隊形を維持しろ!」

「俺たちが固まっていれば、何も触れられない!」

…

ズルズル…

突然、白い鎧の一人が煙の中に消える

そして遠くから……

赤い色が地面に広がっていく……

…

ぎゃっ!

「死にたくない!」別の白い鎧が隊形を飛び出す

「待て!」中央の白い鎧が引き止めようとする

「隊形を離れるな、それがあいつらの狙いだ!」

…

たたたっ…たっ…たっ!

「いやだ!」白い鎧が必死に走る

「ここで死にたくない!」

「お前らが死にたいなら勝手にしろ!」

…

ガシャッ…ガリガリ…

再び黒い影が滑り抜け……

残ったのは爪痕の上に落ちたその白い鎧の銃だけ……

…

ざわ…ざわ…

「いやだ!」また一人が隊形を飛び出す

「ここで死にたくない!」

「隊形を離れるな!」中央の白い鎧が周囲を引き留めようとする

「あいつらはそれ待ちだ!」

…

…どた…どた…どたっ!

軍団が四方に散っていく……

よろめく足音があちこちに響く……

…

ズルッ … ガシャンッ!

体中から黄金色の液体が飛び散る……

鎧が次々と地面に倒れる……

…

さっ…

巨大な黒い影が煙の中を軽く滑り抜ける……

空間全体が突然静まり返る……

爪痕があちこちに伸び……

赤い色があちこちに広がる……

………

ずさっ…

「いや…いや…いや…」中央にいた白い鎧が周囲を見回し、後ずさる

「こんなはずじゃ…死にたくない…」

「いやだ…やめて…なんで俺が…」白い鎧が頭を抱える

「置いていかないで…一人にしないで…」

「いやだ…死にたくない…」

…

がしっ!

「おい君。」一つの手が白い鎧を掴む

「君は……」白い鎧が手を下ろして振り返る

…

ドンッ!

「早く伏せろ!」緑の者が白い鎧を地面に押し倒す

…

さっ…

煙が両側に押し分けられる

そして巨大な影が二人の頭上を滑り抜ける

…

「俺について来い!」緑の者が白い鎧を見る

「でも…でも…でも…」白い鎧が周囲を見回し、頭を押さえる

「敵に囲まれてるんじゃないか!」

「もう逃げ道なんてないだろ!」

…

「まだある……」緑の者が前を見る

「…」白い鎧が顔を上げる

「俺たちはまだ脱出できる。」

「でも…どうやって…」

…

「そっちを見てくれ!」緑の者が一本の火柱を指差す

「他の火柱には全部黄金の影がうろついてる。」

「でもあの柱だけ、何も出てきてない。」

「もしかして…あれも罠じゃないか…あいつらの思惑通り…」白い鎧が顔を背ける

…

ぎゅっ…

「分からない……」緑の者が手を強く握る

「でも何であれ、あれが俺たちの唯一のチャンスかもしれない……」

「俺を信じるかどうかは君次第だ。」

「でも俺はここで止まるつもりはない。」

…

ブンッ!

緑の者が自分の武器を投げ捨てる……

…

ずり…ずり…

体を地面に這わせる……

ゆっくりと手を前に進める……

巨大な手はもう周囲に出現しない……

…

ブンッ!

「待ってくれ……」白い鎧も武器を捨て、緑の者の後を追う

…

ずり…ずり…

周囲の視線が二人に向けられる……

他の鎧たちも次々と緑の者の後について行く……

………………………………………………………………………………………………………………..

ガキィンッ!

煙の中で小さな火花が散る……

音が響き渡り、辺り一帯に広がる……

…

「どうした?」ハヤサキが目を細める

「さっきは偉そうに吠えてたじゃないか?」

「もう一度言ってみろよ!」ハヤサキが黄金の者に向かって突進する

キィンッ!

…

どさっ…

黄金の者の手が武器を握り直すが震える……

顔を地面から遠ざけようともがく……

全身を震わせて力を抗おうとする……

足がその黄金の者の体に踏みつけられている……

…

はぁ…っ!

「お前は思うのか……」黄金の者が背を反らせ、武器を地面に突き立てる

「これが栄光だと?」

…

「お前を見てみろ。」黄金の者がハヤサキを指差す

「今お前はどっち側に立ってる!」

「お前が被ってるその顔を見てみろ!」

「結局、誰がお前に苦しみを与えたんだ!」

「それなのに今、お前は俺たちに背を向ける!」

「同じ同胞にだ!」

…

くくく…はははっ!

「…」ハヤサキが空を見上げる

…

ずいっ …ドンッ!

「何考えてんだよ!」ハヤサキが黄金の者を蹴り倒す

「教えてやるよ……」

「同族だろうが、お前らは俺をなんとも思ってなかった。」

「俺を大切にしてくれたのは、たった二人だけだ……」

…

ふっ…

「あいつのことをまだ想ってるのか?」黄金の者が口元を歪める

「あの呪われた血統の……」

「ただの歪んだ信仰と、いつも拒絶される意志だけ……」

「お前が大切にしてるもう一人の奴にさえ……」

…

ドンッ!

「黙れ!」ハヤサキが黄金の者の頭を強く踏みつける

「お前なんかに語る資格はない。」

「あの人の何が分かるってんだ!」

…

へっへっ…

「じゃあ……お前は分かってるのか?」黄金の者が大きく口を開ける

「お前も知ってるだろ……あんな馬鹿どもの末路は最初から決まってるって。」

…

ぎゅっ…

「この野郎!」ハヤサキが唇を噛み、槍を強く握る

「汚い口で彼らを汚すな!」

………

とん… とん…

足音が響き始める……

見慣れた体躯、毒ガスマスクを着けた姿

赤い炎の中で青緑の髪

手に握られた弓

…

「ハヤサキ、待って!」シノミが進み寄る

「お嬢様!」ハヤサキが手を止め、シノミを振り返る

「でもどうして?」

「この野郎が、彼は……」

…

「分かってる!」シノミが頷く

「でも彼からいくつか聞きたいことがあるの!」

…

「でも、それはとても危険です……」ハヤサキがシノミの肩を掴む

「私には君がいるじゃない。」シノミがハヤサキを見る

…

ずっ…

「これが大海が探している人物じゃないか?」黄金の者がゆっくり顔を上げる

「儀礼は抜きで!」シノミが首を高く上げる

「教えて。」

「なぜ大海は人類を攻撃することを選んだの?」

「協定があったはずでしょう?」

「そしてなぜ私を連れ戻そうとするの?」

…

「予想通りの質問だな……」黄金の者が岩に背を預ける

「すべてはあの方の意志だ。」

「俺たちはただ従うだけ。」

…

「この野郎!」ハヤサキが飛びかかる

「待って!」シノミが手を伸ばしてハヤサキを止める

「大海なら分かってるはず……」

「あの方に手を出した結果を……」

…

「教えて……」シノミが身を屈める

「一体何が起きているの?」

…

ぐっ…

「いいだろう、お嬢様!」黄金の者が軽く頷く

「だがその前に、一緒に見てくれ……」黄金の者が煙を指差す

「もし二人の信念が正しければ、俺は知ってる限りのことをすべて話す……」

「あいつも、彼らと同じなら……」

………………

すぱっ…

煙が突然両側に分かれる……

瓦礫だらけの地面、黒く染まった路面……

鎧を着けた人影が現れる……

緑の者が顔を上げて見上げる……

…

金色の光と青い色

二振りの剣が夜の中に輝く

そして道の先に、二つの影が待っている……

…

「ハル……」シノミが小さく唇を動かす

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