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静時の流れ - 潮騒の誓約  作者: Minateru
残響の果てに

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28/36

闇夜に灯る紅の火

青い月光が闇の夜道を隅々まで照らし出す中

真紅の炎が道の真ん中で鮮やかに燃え盛る…

とん…とん…

「相変わらず謀略家だな、ハヤマ?」リクオが近づいてくる

「君こそ俺と何が違う?」ハヤマが銃を下げ、リクオを振り返る

「もうガキどもを巻き込んでるじゃないか。」

ははっ…

「どうしようもないだろ?」リクオが頭をかき、口元に笑みを浮かべて炎の方を見る

「あのガキども、才能があるんだよ。」

「君は……」ハヤマがまっすぐリクオを見つめる

「イカリとの約束、忘れたのか?」

「忘れられるわけないだろ。」リクオが首を振ってハヤマを見る

「でも……」

「まさに彼が言った通りだよ……」リクオが街の方を見る

「一度車輪が動き出したら、もう誰も止められない。」

「まあ、その話は置いといて……」リクオがにやりと笑う

「その物資、どこから調達してきたんだ?」

がしっ!

突然、瓶がリクオに向かって飛んでくる

「醤油?」リクオが目を丸くして瓶を見る

「難しいことなんてないよ。」ハヤマが銃を炎の方に向ける

「ただ近くのコンビニからいただいただけさ。」

「生意気だな?」リクオが首を振る

「返せるあてがあるのかよ、そんなに取ってきて。」

「だって俺、君のカードで決済したもん。」ハヤマが笑って、一枚のカードをリクオの方に差し出す

ばっ!

「このクソ野郎!」リクオがカードを奪い取り、目を細める

「どれだけ貯めてたか知ってるのかよ?」

「知ってるよ。」ハヤマが引き金を絞りながら煙の中を見回す

「でも……」ハヤマの照準が槍を持った人物に直撃する

「俺たち、あいつを信じていいのか?」

「別に構わないだろ。」リクオが首を振る

「どうせあいつも俺たちとは別の目的がある。」

「それに……」リクオが笑みを浮かべる

「このチーム、もうあいつらと一緒に戦うのに慣れちゃってるだろ?」

……

ビュンッ!

二人が立っているビルの上から

巨大な黒い影が白い煙の中へ飛び込む

赤く輝く目と、ビルに刻まれた爪痕とともに

………………………………………………………………………………………………………………

周囲のビルよりも高い煙の渦の中……

四方で黄金色の炎が激しく燃え上がる……

紙片があちこちに舞い散る……

そして黒い水たまりの真ん中で

白い鎧の軍団が四方に広がっていく……

「おいおっさん……」レンが振り返って男を見る

「これ、ちょっとやりすぎじゃないか?」

「どういう意味だ、ガキ?」男が首を傾げて見る

「あいつらがあんな罪を犯したのは分かってる……」レンがスクリーンに目を向ける

「でも今見てみろよ、俺たちと何が違うんだよ。」

「他に方法はないのか?」

「そんなことは関係ない。」男が運転席に背を預ける

「俺たちの任務は敵を殲滅することだ。」

「単独で立ってる奴らを全部狙え。」

「俺たちはそれだけやればいい。」

ぎゅっ…

「でも……」レンがハンドルを強く握る

「任務だとしても……」

「こんなのひどすぎるだろ!」

「どうしてそんなことが!」

「今さら撤退するつもりか?」男が首を上げ、目を細めてレンを見る

「お前がやらなくても、俺はやる。」

「それが必要だからだ。」

「ガキ、どっちかだよ。あいつらか、俺たちか。」

「絶対に他に方法がある!」レンが手を振り上げる

「おっさんが言ってたじゃないか?」

「昔は両方が一緒に暮らしてたんだろ?」

「だったら今だってできるはずだろ?」

「たとえ無理だとしても。」

ビュンッ!

「そう思うのか?」男が微笑む

「教えてくれ、なぜそう思うんだ?」

「ただ……」レンがスクリーンを見る

「昔、バカな奴が俺にそう考えて生きろって教えてくれたんだ……」

「だったら……」男がスクリーンを指差す

「地面に這ってる奴らは無視しろ!」

「俺たちの標的は俺たちを攻撃してくる奴らだ。」

「そうじゃない奴らじゃない。」

「了解、おっさん!」レンがハンドルを前に向け、口元に笑みを浮かべる

………

ガラガラ…

レンガや石が絶えず落ちてくる……

煙があらゆる隙間を埋め尽くす……

ザリッ…ザリザリ…

黒く染まった地面の上……

身を寄せ合う軍団の間で……

黄金色の炎が一つの影を照らし出す……

長い腕が周囲をそっと撫でる……

赤い目が煙の奥でぐるりと回る……

爪痕が徐々に露わになる……

ババババッ!

青い弾丸が乱れ飛ぶ……

「早く撃て!」白い鎧の一人が軍団の中央で煙を指差す

「隊形を維持しろ!」

「俺たちが固まっていれば、何も触れられない!」

ズルズル…

突然、白い鎧の一人が煙の中に消える

そして遠くから……

赤い色が地面に広がっていく……

ぎゃっ!

「死にたくない!」別の白い鎧が隊形を飛び出す

「待て!」中央の白い鎧が引き止めようとする

「隊形を離れるな、それがあいつらの狙いだ!」

たたたっ…たっ…たっ!

「いやだ!」白い鎧が必死に走る

「ここで死にたくない!」

「お前らが死にたいなら勝手にしろ!」

ガシャッ…ガリガリ…

再び黒い影が滑り抜け……

残ったのは爪痕の上に落ちたその白い鎧の銃だけ……

ざわ…ざわ…

「いやだ!」また一人が隊形を飛び出す

「ここで死にたくない!」

「隊形を離れるな!」中央の白い鎧が周囲を引き留めようとする

「あいつらはそれ待ちだ!」

…どた…どた…どたっ!

軍団が四方に散っていく……

よろめく足音があちこちに響く……

ズルッ … ガシャンッ!

体中から黄金色の液体が飛び散る……

鎧が次々と地面に倒れる……

さっ…

巨大な黒い影が煙の中を軽く滑り抜ける……

空間全体が突然静まり返る……

爪痕があちこちに伸び……

赤い色があちこちに広がる……

………

ずさっ…

「いや…いや…いや…」中央にいた白い鎧が周囲を見回し、後ずさる

「こんなはずじゃ…死にたくない…」

「いやだ…やめて…なんで俺が…」白い鎧が頭を抱える

「置いていかないで…一人にしないで…」

「いやだ…死にたくない…」

がしっ!

「おい君。」一つの手が白い鎧を掴む

「君は……」白い鎧が手を下ろして振り返る

ドンッ!

「早く伏せろ!」緑の者が白い鎧を地面に押し倒す

さっ…

煙が両側に押し分けられる

そして巨大な影が二人の頭上を滑り抜ける

「俺について来い!」緑の者が白い鎧を見る

「でも…でも…でも…」白い鎧が周囲を見回し、頭を押さえる

「敵に囲まれてるんじゃないか!」

「もう逃げ道なんてないだろ!」

「まだある……」緑の者が前を見る

「…」白い鎧が顔を上げる

「俺たちはまだ脱出できる。」

「でも…どうやって…」

「そっちを見てくれ!」緑の者が一本の火柱を指差す

「他の火柱には全部黄金の影がうろついてる。」

「でもあの柱だけ、何も出てきてない。」

「もしかして…あれも罠じゃないか…あいつらの思惑通り…」白い鎧が顔を背ける

ぎゅっ…

「分からない……」緑の者が手を強く握る

「でも何であれ、あれが俺たちの唯一のチャンスかもしれない……」

「俺を信じるかどうかは君次第だ。」

「でも俺はここで止まるつもりはない。」

ブンッ!

緑の者が自分の武器を投げ捨てる……

ずり…ずり…

体を地面に這わせる……

ゆっくりと手を前に進める……

巨大な手はもう周囲に出現しない……

ブンッ!

「待ってくれ……」白い鎧も武器を捨て、緑の者の後を追う

ずり…ずり…

周囲の視線が二人に向けられる……

他の鎧たちも次々と緑の者の後について行く……

………………………………………………………………………………………………………………..

ガキィンッ!

煙の中で小さな火花が散る……

音が響き渡り、辺り一帯に広がる……

「どうした?」ハヤサキが目を細める

「さっきは偉そうに吠えてたじゃないか?」

「もう一度言ってみろよ!」ハヤサキが黄金の者に向かって突進する

キィンッ!

どさっ…

黄金の者の手が武器を握り直すが震える……

顔を地面から遠ざけようともがく……

全身を震わせて力を抗おうとする……

足がその黄金の者の体に踏みつけられている……

はぁ…っ!

「お前は思うのか……」黄金の者が背を反らせ、武器を地面に突き立てる

「これが栄光だと?」

「お前を見てみろ。」黄金の者がハヤサキを指差す

「今お前はどっち側に立ってる!」

「お前が被ってるその顔を見てみろ!」

「結局、誰がお前に苦しみを与えたんだ!」

「それなのに今、お前は俺たちに背を向ける!」

「同じ同胞にだ!」

くくく…はははっ!

「…」ハヤサキが空を見上げる

ずいっ …ドンッ!

「何考えてんだよ!」ハヤサキが黄金の者を蹴り倒す

「教えてやるよ……」

「同族だろうが、お前らは俺をなんとも思ってなかった。」

「俺を大切にしてくれたのは、たった二人だけだ……」

ふっ…

「あいつのことをまだ想ってるのか?」黄金の者が口元を歪める

「あの呪われた血統の……」

「ただの歪んだ信仰と、いつも拒絶される意志だけ……」

「お前が大切にしてるもう一人の奴にさえ……」

ドンッ!

「黙れ!」ハヤサキが黄金の者の頭を強く踏みつける

「お前なんかに語る資格はない。」

「あの人の何が分かるってんだ!」

へっへっ…

「じゃあ……お前は分かってるのか?」黄金の者が大きく口を開ける

「お前も知ってるだろ……あんな馬鹿どもの末路は最初から決まってるって。」

ぎゅっ…

「この野郎!」ハヤサキが唇を噛み、槍を強く握る

「汚い口で彼らを汚すな!」

………

とん… とん…

足音が響き始める……

見慣れた体躯、毒ガスマスクを着けた姿

赤い炎の中で青緑の髪

手に握られた弓

「ハヤサキ、待って!」シノミが進み寄る

「お嬢様!」ハヤサキが手を止め、シノミを振り返る

「でもどうして?」

「この野郎が、彼は……」

「分かってる!」シノミが頷く

「でも彼からいくつか聞きたいことがあるの!」

「でも、それはとても危険です……」ハヤサキがシノミの肩を掴む

「私には君がいるじゃない。」シノミがハヤサキを見る

ずっ…

「これが大海が探している人物じゃないか?」黄金の者がゆっくり顔を上げる

「儀礼は抜きで!」シノミが首を高く上げる

「教えて。」

「なぜ大海は人類を攻撃することを選んだの?」

「協定があったはずでしょう?」

「そしてなぜ私を連れ戻そうとするの?」

「予想通りの質問だな……」黄金の者が岩に背を預ける

「すべてはあの方の意志だ。」

「俺たちはただ従うだけ。」

「この野郎!」ハヤサキが飛びかかる

「待って!」シノミが手を伸ばしてハヤサキを止める

「大海なら分かってるはず……」

「あの方に手を出した結果を……」

「教えて……」シノミが身を屈める

「一体何が起きているの?」

ぐっ…

「いいだろう、お嬢様!」黄金の者が軽く頷く

「だがその前に、一緒に見てくれ……」黄金の者が煙を指差す

「もし二人の信念が正しければ、俺は知ってる限りのことをすべて話す……」

「あいつも、彼らと同じなら……」

………………

すぱっ…

煙が突然両側に分かれる……

瓦礫だらけの地面、黒く染まった路面……

鎧を着けた人影が現れる……

緑の者が顔を上げて見上げる……

金色の光と青い色

二振りの剣が夜の中に輝く

そして道の先に、二つの影が待っている……

「ハル……」シノミが小さく唇を動かす

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