狩る者と狩られる者
ドドドドッ…ドドドドッ…
「もっと早く動け!」金線の白い鎧が軍団の方を振り返る
「絶対にこの機会を逃すな!」
…
「指揮官!」一人の白い鎧が地面に顔を伏せる
「どうした?」金線が近づく
「この痕跡をご覧ください!」白い鎧が地面に手を触れる
…
道路に長く引きずられた爪痕、そして土砂が掻き上げられた跡……
すべてが一つの道沿いに続いている……
…
「神の幸運が我々に味方した!」金線が口角を吊り上げる
…
ドンッ…ドンッ…
「よくやった!」金線が白い鎧の背中を叩き、爪痕の方向を見据える
「やはり人間だ! 奴らはいつも過信しすぎる!」
…
「全軍、爪痕に沿って進軍を続けろ!」金線が軍団の方を振り返る
「周囲に注意しろ! 絶対に逃がすな!」
「了解!」すべての鎧から響き渡る声
………………………………………….
ザッザッ…ザッザッ…
ザ…ザ…ザ…ザ…
…
月明かりがすべての道を照らし……
夜の闇が徐々に後退していく……
…
「爪痕はここで止まっています!」一人の白い鎧が叫ぶ
「赤外線ゴーグルに切り替えろ!」金線がヘルメットに手を当てる
「奴らはきっとどこかにいるはずだ!」
…
ヘルメットがオレンジ色に変わり、軍団が四方八方を見回し始める……
…
赤外線ゴーグル越しに……
紫色の空間がすべての隅々まで覆い……
巨大な赤い光点と、それより小さな点々が……
軍団にどんどん近づいてくる……
…
「見つけた!」金線が槍の先を前方に向ける
「そこに隠れれば大丈夫だと思ってるのか?」
…
ゲヘヘ…
「今動いてるこの機体があるのに、奴らは本当に油断してるな!」金線が口角を吊り上げる
「だが私は奴らのその点が嫌いじゃない!」
…
白い鎧が手を天に掲げ、軍団に路地の奥へ進むよう合図する……
………………………………………………………………………………………………………………
ザ…ザ…ザ…ザ…
今や月光は雲に覆われ……
軍団は密着して進み、武器を前方に向ける
すべての照明が消され、ゆっくりとした足音だけが……
……
ガサッ!
「何だ?」一人の白い鎧が足を止める
…
ガシャンッ…ガシャンッ…
軍団の間に響き渡る音……
…
チャ…チャ…
「何だこれは?」先頭の白い鎧たちが突然足を止める
…
パシッ!
「センサーは何か拾ってるか?」隣の白い鎧が覗き込む
「熱信号じゃない! 前方だけが信号を発してる!」
「じゃあ我々の周りにいるのは何だ?」別の白い鎧が武器を周囲に向ける
「生物じゃない、熱も発してない、でも数がとても多い……」
……
雲が突然追い払われ
月光が、再びすべてを照らす
…
ザッ……ピタッ…
「何だ……これは……」緑線の白い鎧が周囲を見回す
…
一つの街区、道路を黒い液体が覆い尽くし……
ゴミ箱が山積みになり……
その上に金属製のゴミ容器が満杯に……
大きなゴミ袋や細かいゴミの破片が、道路に散乱している……
…
ギュッ…
「奴らの住処すら、奴らは容赦しないのか……」緑線が拳を握り、頭を下げる
「苦々しく思う必要も後悔する必要もない!」金線が前方へ指を突き出す
「奴らは元々そういう種族だ!」
「我々には奴らに対する責任などない!」
…
「それは分かっている……だが……」緑線が顔を逸らす
「貴様の家系の気持ちは分かる」金線が振り返る
「だが我々の現在の任務はお嬢様だけだ」
…
グッ…
「それ以上でも、それ以下でもない」金線が武器を握りしめる
…
シュー……
「何の音だ?」緑線が足を止め、周囲を見回す
「まだ立ち止まってるんじゃない、早く行け!」金線が振り返る
「この音、どこかで聞いたことがある……」金線が一つのゴミ箱に近づき、軽く蓋を開ける
…
カコンッ…
緑線が突然体を固くし、ゴミ箱の蓋を強く握る……
古い袋や捨てられた紙の間に……
巨大な金属物体と、開いたバルブが……
…
ギシッ!
「何をしてる?」金線の鎧が近づき、緑線をまっすぐ見つめる
「ためらうな!」
「何か……おかしい……」緑線が別の方向を見る
「どういう意味だ?我々はもうすぐ成功するんだぞ?」金線が熱点の方を指す
「すべてが……あまりにも都合が良すぎる……あまりにも簡単すぎる……」緑線がゴミ箱を見つめる
「まるで……」
……
チカッ!
熱点の方から光が一瞬閃く……
月明かりに照らされ、一人の人間が徐々に姿を現し……
狙撃銃が、軍団に向かってまっすぐに構えられている……
…
パァンッ!
「夕食を楽しんでくれ!」早山が銃を強く握り、引き金を引く
夜空にきらめく一発の金属弾が、
軍団の最後尾のゴミの山に向かって飛ぶ……
………………………………………………………………………………………………………………
ドカァンッ!
軍団の最後尾から金色の光柱が噴き上がる……
ゴミの破片が四方に飛び散り……
鎧を着た者たちが前方に倒れ込み……
…そして燃える紙片が、ゆっくりと他のゴミ箱に向かって舞っていく……
…
バァンッ! バァンッ! バァンッ!
ゴミ箱の蓋があちこちに吹き飛び……
ゴミ袋が四方に飛び散り……
火柱があちこちから立ち上る……
…
「何が……起きているんだ?」金線が周囲を見回す
「どうしてこんな……こんなことが……」
…
ドンッ!
「危ない!」緑線が金線を突き飛ばす
…
バァンッ!
緑線の鎧の背後のゴミ箱が、今やただの火の塊に……
……
「この状況ではもう続けられない!」緑線が腕を振る
「我々は撤退するしかない!」
…
「許可しない!」金線が立ち上がる
「あの女をあの御方に連れ帰るためなら、この軍団全部失っても構わん!」金線がビルを指す
「熱点に向かって直進しろ、周囲の爆発など無視しろ!」
「それは無理です!」白い鎧が後ずさる
…
バッ!
「どういう意味だ? ただ熱を発してる場所まで行くだけだろう!」金線が白い鎧を突き飛ばす
「お前たちにできることはそれだけだ!」
「たった一つの!」
「小さなことだ!」
「赤外線ゴーグルをオンにして、あの死にかけの機体に向かって進め!」白い鎧が軽くヘルメットに手を当てる
…
ギャッ!
「何だこれは?」金線がヘルメットに手をやり、顔を地面に向ける
今、彼の視界はすべてが真っ赤に染まっている……
……
ガシッ!
「話を聞け、この傲慢な奴!」緑線が金線の襟首を掴む
「俺はお前のような地位もない、お前のような権限も与えられていない……」
「だが認めろ!」
「これ以上続けられない、危険すぎる!」
…
ドンッ!
「黙れ!」金線が緑線を殴る
「お前が何を考えようが関係ない!」
「俺が言えばできる!」
「俺が言った、あの女を捕まえて連れ帰る、そして我々はそうする!」
「何が難しいんだ!」
「分かったか?」金線が緑線のヘルメットに顔を近づける
…
バシッ!
「勝手にしろ!」緑線が跳ね起き、金線を押し返す
「俺はそこまで盲目じゃない!」
…
「全軍に告ぐ、赤外線ゴーグルをオフにしろ!」緑線が手を高く掲げる
「無事に帰りたい者は俺について来い!」
…
「聞くな!」金線が緑線を指さす
「今ここで離脱する者は、帰還後に全員死刑だ!」
……
ポトッ…ポトッ…
濃い煙の間に……
膨らんだスーパーの袋が……
赤い炎の輪にまっすぐに突っ込んでいく……
……
「死に急ぐのは愚か者だけだ!」緑線が近づく
「任務より自分の命を優先するのは不服従だ」金線が進み出る
「義務のための死は名誉な死だ!」
「危険に飛び込む死はただの愚かさだ!」緑線が腕を振る
…
バシャッ!
「何だ……これは……」金線が自分の体を見下ろす
金色の液体が体を覆い、紙の破片がくっついている……
…
ボンッ! ボンッ! ボンッ!
袋が次々と鎧の者たちを包み込む
「早く払い落とせ!」緑線が武器を袋に向ける
…
バシャッ…バシャッ…
赤い炎の下、金色の滴が軍団全体を覆い尽くす……
………
「早く撤退しろ!」緑線が手を振って前へ進もうとする
…
ズルッ……グラッ……フラッ!
軍団がよろめきながら歩く……
互いの手を必死に掴み……
武器を地面に突き刺して体を支える……
…
「臆病になるな!」金線が天を指す
「ただの奴らの小細工だ、退く必要などない!」
「奴らが我々を恐れてるからこそ、こんなことをする!」
「赤外線ゴーグルをオフにして、この道の突き当たりまで進めば任務完了だ!」
…
パリンッ!
響き渡る音……
きらめく破片が軍団に向かって飛び、道路を覆い尽くす……
…
ブオオオオッ…ブオオオオッ…
天まで届く煙柱が……
今、軍団の方へ倒れかかる
空間は今、白い霧に包まれ、金色の火の点々があちこちに……
……
カポッ!
「安い手だ!」金線がヘルメットに触れる
「お前たちが我々の赤外線と視界を潰せば終わりだと思ってるなら、甘い!」
「お前たちは忘れてる、我々にも……」
…
ゲホッ!ゴホッ……ムッ……
「この野郎ども……お前たちは……何を……」金線が鼻を押さえ、目を閉じる
「この臭い……お前たちはあの毒入りの袋を燃やして……」
「我々に……向けたのか……」
「これくらいで……俺が……降参すると思うな……」金線が体を低くする
…
バシャッ!
「これくらいで……俺はまだ……」白い鎧が地面に伏せ、這うように進む
…
ゲホッ!ゴホッ……ムッ……
「どうして……こんなことに……」金線が地面を見下ろす
黒い水たまりが広がり、金色の細かい粒が浮かび……
赤い点々があちこちに、白い小さな点々が……
…
「この……卑怯者ども……出てこい……」金線が体を起こそうとする
……
ガシッ!
「誰だ……誰がそこに……」金線が触れたものを掴み、目を細める
「早く……ゲホッ……俺を……起こせ……」
「悪いが俺にその義務はない!」聞き覚えのある声が響く
…
ドンッ!
金線の体が蹴り飛ばされる……
向こう側に、ガスマスクと海を象徴する文様の槍の穂先……
そしてあらゆる方向に向けられた銃口……
…
「こいつは俺の獲物だ! 邪魔するな、人間!」早咲が周囲を振り返る
「お前……お前……」金線が早咲を指す
「裏切り者……お前は……その代償を……」
…
「俺は誰をも裏切ってない」早咲が槍を金線に向ける
「最初からお前の味方じゃなかっただけだ!」
……………………………………………………………………………………………………………......
チカッ!
燃え盛る炎の向こう側……
街の陰になった場所から……
赤い光が次々と閃き始める……




