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静時の流れ - 潮騒の誓約  作者: Minateru
残響の果てに

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27/35

狩る者と狩られる者

ドドドドッ…ドドドドッ…

「もっと早く動け!」金線の白い鎧が軍団の方を振り返る

「絶対にこの機会を逃すな!」

「指揮官!」一人の白い鎧が地面に顔を伏せる

「どうした?」金線が近づく

「この痕跡をご覧ください!」白い鎧が地面に手を触れる

道路に長く引きずられた爪痕、そして土砂が掻き上げられた跡……

すべてが一つの道沿いに続いている……

「神の幸運が我々に味方した!」金線が口角を吊り上げる

ドンッ…ドンッ…

「よくやった!」金線が白い鎧の背中を叩き、爪痕の方向を見据える

「やはり人間だ! 奴らはいつも過信しすぎる!」

「全軍、爪痕に沿って進軍を続けろ!」金線が軍団の方を振り返る

「周囲に注意しろ! 絶対に逃がすな!」

「了解!」すべての鎧から響き渡る声

………………………………………….

ザッザッ…ザッザッ…

ザ…ザ…ザ…ザ…

月明かりがすべての道を照らし……

夜の闇が徐々に後退していく……

「爪痕はここで止まっています!」一人の白い鎧が叫ぶ

「赤外線ゴーグルに切り替えろ!」金線がヘルメットに手を当てる

「奴らはきっとどこかにいるはずだ!」

ヘルメットがオレンジ色に変わり、軍団が四方八方を見回し始める……

赤外線ゴーグル越しに……

紫色の空間がすべての隅々まで覆い……

巨大な赤い光点と、それより小さな点々が……

軍団にどんどん近づいてくる……

「見つけた!」金線が槍の先を前方に向ける

「そこに隠れれば大丈夫だと思ってるのか?」

ゲヘヘ…

「今動いてるこの機体があるのに、奴らは本当に油断してるな!」金線が口角を吊り上げる

「だが私は奴らのその点が嫌いじゃない!」

白い鎧が手を天に掲げ、軍団に路地の奥へ進むよう合図する……

………………………………………………………………………………………………………………

ザ…ザ…ザ…ザ…

今や月光は雲に覆われ……

軍団は密着して進み、武器を前方に向ける

すべての照明が消され、ゆっくりとした足音だけが……

……

ガサッ!

「何だ?」一人の白い鎧が足を止める

ガシャンッ…ガシャンッ…

軍団の間に響き渡る音……

チャ…チャ…

「何だこれは?」先頭の白い鎧たちが突然足を止める

パシッ!

「センサーは何か拾ってるか?」隣の白い鎧が覗き込む

「熱信号じゃない! 前方だけが信号を発してる!」

「じゃあ我々の周りにいるのは何だ?」別の白い鎧が武器を周囲に向ける

「生物じゃない、熱も発してない、でも数がとても多い……」

……

雲が突然追い払われ

月光が、再びすべてを照らす

ザッ……ピタッ…

「何だ……これは……」緑線の白い鎧が周囲を見回す

一つの街区、道路を黒い液体が覆い尽くし……

ゴミ箱が山積みになり……

その上に金属製のゴミ容器が満杯に……

大きなゴミ袋や細かいゴミの破片が、道路に散乱している……

ギュッ…

「奴らの住処すら、奴らは容赦しないのか……」緑線が拳を握り、頭を下げる

「苦々しく思う必要も後悔する必要もない!」金線が前方へ指を突き出す

「奴らは元々そういう種族だ!」

「我々には奴らに対する責任などない!」

「それは分かっている……だが……」緑線が顔を逸らす

「貴様の家系の気持ちは分かる」金線が振り返る

「だが我々の現在の任務はお嬢様だけだ」

グッ…

「それ以上でも、それ以下でもない」金線が武器を握りしめる

シュー……

「何の音だ?」緑線が足を止め、周囲を見回す

「まだ立ち止まってるんじゃない、早く行け!」金線が振り返る

「この音、どこかで聞いたことがある……」金線が一つのゴミ箱に近づき、軽く蓋を開ける

カコンッ…

緑線が突然体を固くし、ゴミ箱の蓋を強く握る……

古い袋や捨てられた紙の間に……

巨大な金属物体と、開いたバルブが……

ギシッ!

「何をしてる?」金線の鎧が近づき、緑線をまっすぐ見つめる

「ためらうな!」

「何か……おかしい……」緑線が別の方向を見る

「どういう意味だ?我々はもうすぐ成功するんだぞ?」金線が熱点の方を指す

「すべてが……あまりにも都合が良すぎる……あまりにも簡単すぎる……」緑線がゴミ箱を見つめる

「まるで……」

……

チカッ!

熱点の方から光が一瞬閃く……

月明かりに照らされ、一人の人間が徐々に姿を現し……

狙撃銃が、軍団に向かってまっすぐに構えられている……

パァンッ!

「夕食を楽しんでくれ!」早山が銃を強く握り、引き金を引く

夜空にきらめく一発の金属弾が、

軍団の最後尾のゴミの山に向かって飛ぶ……

………………………………………………………………………………………………………………

ドカァンッ!

軍団の最後尾から金色の光柱が噴き上がる……

ゴミの破片が四方に飛び散り……

鎧を着た者たちが前方に倒れ込み……

…そして燃える紙片が、ゆっくりと他のゴミ箱に向かって舞っていく……

バァンッ! バァンッ! バァンッ!

ゴミ箱の蓋があちこちに吹き飛び……

ゴミ袋が四方に飛び散り……

火柱があちこちから立ち上る……

「何が……起きているんだ?」金線が周囲を見回す

「どうしてこんな……こんなことが……」

ドンッ!

「危ない!」緑線が金線を突き飛ばす

バァンッ!

緑線の鎧の背後のゴミ箱が、今やただの火の塊に……

……

「この状況ではもう続けられない!」緑線が腕を振る

「我々は撤退するしかない!」

「許可しない!」金線が立ち上がる

「あの女をあの御方に連れ帰るためなら、この軍団全部失っても構わん!」金線がビルを指す

「熱点に向かって直進しろ、周囲の爆発など無視しろ!」

「それは無理です!」白い鎧が後ずさる

バッ!

「どういう意味だ? ただ熱を発してる場所まで行くだけだろう!」金線が白い鎧を突き飛ばす

「お前たちにできることはそれだけだ!」

「たった一つの!」

「小さなことだ!」

「赤外線ゴーグルをオンにして、あの死にかけの機体に向かって進め!」白い鎧が軽くヘルメットに手を当てる

ギャッ!

「何だこれは?」金線がヘルメットに手をやり、顔を地面に向ける

今、彼の視界はすべてが真っ赤に染まっている……

……

ガシッ!

「話を聞け、この傲慢な奴!」緑線が金線の襟首を掴む

「俺はお前のような地位もない、お前のような権限も与えられていない……」

「だが認めろ!」

「これ以上続けられない、危険すぎる!」

ドンッ!

「黙れ!」金線が緑線を殴る

「お前が何を考えようが関係ない!」

「俺が言えばできる!」

「俺が言った、あの女を捕まえて連れ帰る、そして我々はそうする!」

「何が難しいんだ!」

「分かったか?」金線が緑線のヘルメットに顔を近づける

バシッ!

「勝手にしろ!」緑線が跳ね起き、金線を押し返す

「俺はそこまで盲目じゃない!」

「全軍に告ぐ、赤外線ゴーグルをオフにしろ!」緑線が手を高く掲げる

「無事に帰りたい者は俺について来い!」

「聞くな!」金線が緑線を指さす

「今ここで離脱する者は、帰還後に全員死刑だ!」

……

ポトッ…ポトッ…

濃い煙の間に……

膨らんだスーパーの袋が……

赤い炎の輪にまっすぐに突っ込んでいく……

……

「死に急ぐのは愚か者だけだ!」緑線が近づく

「任務より自分の命を優先するのは不服従だ」金線が進み出る

「義務のための死は名誉な死だ!」

「危険に飛び込む死はただの愚かさだ!」緑線が腕を振る

バシャッ!

「何だ……これは……」金線が自分の体を見下ろす

金色の液体が体を覆い、紙の破片がくっついている……

ボンッ! ボンッ! ボンッ!

袋が次々と鎧の者たちを包み込む

「早く払い落とせ!」緑線が武器を袋に向ける

バシャッ…バシャッ…

赤い炎の下、金色の滴が軍団全体を覆い尽くす……

………

「早く撤退しろ!」緑線が手を振って前へ進もうとする

ズルッ……グラッ……フラッ!

軍団がよろめきながら歩く……

互いの手を必死に掴み……

武器を地面に突き刺して体を支える……

「臆病になるな!」金線が天を指す

「ただの奴らの小細工だ、退く必要などない!」

「奴らが我々を恐れてるからこそ、こんなことをする!」

「赤外線ゴーグルをオフにして、この道の突き当たりまで進めば任務完了だ!」

パリンッ!

響き渡る音……

きらめく破片が軍団に向かって飛び、道路を覆い尽くす……

ブオオオオッ…ブオオオオッ…

天まで届く煙柱が……

今、軍団の方へ倒れかかる

空間は今、白い霧に包まれ、金色の火の点々があちこちに……

……

カポッ!

「安い手だ!」金線がヘルメットに触れる

「お前たちが我々の赤外線と視界を潰せば終わりだと思ってるなら、甘い!」

「お前たちは忘れてる、我々にも……」

ゲホッ!ゴホッ……ムッ……

「この野郎ども……お前たちは……何を……」金線が鼻を押さえ、目を閉じる

「この臭い……お前たちはあの毒入りの袋を燃やして……」

「我々に……向けたのか……」

「これくらいで……俺が……降参すると思うな……」金線が体を低くする

バシャッ!

「これくらいで……俺はまだ……」白い鎧が地面に伏せ、這うように進む

ゲホッ!ゴホッ……ムッ……

「どうして……こんなことに……」金線が地面を見下ろす

黒い水たまりが広がり、金色の細かい粒が浮かび……

赤い点々があちこちに、白い小さな点々が……

「この……卑怯者ども……出てこい……」金線が体を起こそうとする

……

ガシッ!

「誰だ……誰がそこに……」金線が触れたものを掴み、目を細める

「早く……ゲホッ……俺を……起こせ……」

「悪いが俺にその義務はない!」聞き覚えのある声が響く

ドンッ!

金線の体が蹴り飛ばされる……

向こう側に、ガスマスクと海を象徴する文様の槍の穂先……

そしてあらゆる方向に向けられた銃口……

「こいつは俺の獲物だ! 邪魔するな、人間!」早咲が周囲を振り返る

「お前……お前……」金線が早咲を指す

「裏切り者……お前は……その代償を……」

「俺は誰をも裏切ってない」早咲が槍を金線に向ける

「最初からお前の味方じゃなかっただけだ!」

……………………………………………………………………………………………………………......

チカッ!

燃え盛る炎の向こう側……

街の陰になった場所から……

赤い光が次々と閃き始める……


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