表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
静時の流れ - 潮騒の誓約  作者: Minateru
残響の果てに

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

26/35

すべては、まだ終わっていない

ドド…ドド…ドド…ドド…

土砂が砕け散り、あちこちに飛び散る、静かな夜が引き裂かれるように……

地面に爪痕が深く刻まれ……

そして赤い光が、月明かりに照らされながら疾走していく……

「黒鋼隊長!」男がメックの頭部を黒鋼の方へ向ける

「それって、まさか俺が思ってるアレか?」

「歴史がまた繰り返したな!」黒鋼が微笑む

「分かったか、兵士?」黒鋼が目を機体に向ける

「了解!」

「おい、おっさん?」

「おっさん!」レンが目を男に向ける

「どうした、ガキ?」男が顔を上げる

「結局、あの光の先って何しに行くんだ?」レンが光の方を指差す

「ガキは知らなくていい!」男がハンドルを握りしめ、笑う

「ちょっとくらい教えてくれてもいいだろ?」レンが前を向く

「まあいいか!」

ドドドドドォォォォンッ!

機体が遠くの光の筋に向かって突っ走る……

………………………………………………………………………………………………………………

ガラガラ…ガラガラ…

月光すら圧倒する光の下……

道路に散らばるレンガや石の破片と共に

白い長い髪、そして青い一本の角が、白い鎧の軍団の方へ視線を向ける

ハッ…ハッ…

「真希……本当に久しぶりだね……」コウカが傷ついた腕を強く握る

「本当に久しぶりだね、コウカちゃん!」真希が微笑む

「教えてよ、君は……」真希がコウカに向かって手を差し伸べる

……

ドドドドド…!

遠くから足音が響いてくる……

青い流れが二人に向かって突進してくる……

槍や銃がまっすぐに突き出され……

グッ…グッ…

「まだ……まだいるのか……」コウカが軍団に背を向け、剣を必死に握りしめる

「絶対に……お前たちを……」コウカが唇を噛み締める

トン…

「もういいよ、コウカちゃん!」真希が軽く肩に触れ、コウカを見て微笑む

「ここは私に任せて!」

「でも……これは……その体……」コウカが真希に手を伸ばす

「大丈夫って言ってるでしょ、相変わらずコウカって心配性だよね!」真希が腰に手を当て、軍団の方を振り返る

ドッ…ドッ…

「あいつも、私たちと同じ選択をしたんだ!」真希が軍団に向かって歩き出す

………

ゴゴゴゴ…ゴゴゴゴ…

「人類をすべて殲滅しろ!」白い鎧の一人が叫ぶ

「奴らが引き起こしたすべての罪のために!」

「我々が耐えてきたすべての苦しみのために!」

ウォオオオッ!

「もうこれ以上、何も失うわけにはいかない!」

スッ…

「ごめんね、みんな……」真希が剣を目の高さに構え、唇を噛む

「でも……」

「私にも守らなきゃいけないものがある!」真希が軍団に向かって飛び込む

ヒュオォォ…

剣先に風が巻き起こり、真希の体を包み込む……

ズゴォォォォンッ…バラバラッ!!

土砂があちこちに吹き飛び……

一機、また一機、白い鎧が空中に吊り上げられ……

軍団が真っ二つに分断される……

ガシャ…ガシャ…

火花が響き渡り、無数の武器が絶え間なく襲いかかる……

前、後、左、右……

そして一人の少女が、剣の嵐の中で舞っている……

パチ…パチ…パチ…

青い弾丸が絶え間なく飛来し……

そして出現したのと同じ速さで、すべてが霧散する……

ドガッ!バゴォンッ!ドッカッ!

巨大な穴が次々と地面に刻まれ……

建物が粉々に砕け、兵士たちがその間に挟まる……

道路がひび割れ、地面が白い鎧を呑み込む……

シャッ…

そして荒廃の只中で、すべての敵が倒れたとき……

少女はまだ立っていて、剣を固く握りしめている……

「誰のせいにもしないで!」真希が目を閉じる

「これはただ、起こるべきことだっただけ!」

…………

ドサッ!

突然、一つの体が道路に崩れ落ちる……

その視線は、まだ真希に向けられたまま……

ダダダダ…ダダダダ…

「コウカちゃん!」真希が全力で駆け寄る

ゼェ…ゼェ…

「コウカちゃん、大丈夫?」真希がコウカを支え起こす

「私……私……私……」コウカが顔を歪め、傷を押さえ、目を細める

「私……大丈夫……」

スッ…スッ…

「本当にコウカって言えない子だね!」真希がコウカの額に手を当てて撫でる

「もう何百年も経つのに、相変わらず全然変わらないよね

「さあ、背中を向けて! 私が手当てしてあげる!」

カチッ…カチッ…

奇妙な緑の光が現れる……

コウカの背後で火花が散る……

そして真希の額が、びっしょりと汗に濡れる……

スッ…

「はい、終わった! もう分かってるよね……」真希が額の汗を拭い、微笑む

「本当に……そこまでしなきゃダメだったの?」コウカが目を逸らす

「いいじゃん! 恥ずかしいことなんてないよ!」真希が笑って、コウカに向かって両手を広げる

「昔だってずっとやってたじゃん!」

「でも……それは君……今の君じゃなくて……」コウカが両手を絡める

パチッ…パチッ…

「待たせないでよ!」真希がコウカに向かって両手を差し出す

「私みたいな龍脈持ちしかできないって、コウカもよく知ってるでしょ!」

……

ギュッ…

淡い緑の光が空気中に広がる……

夜空に光の粒が浮かび……

二人の間に電流が走る……

そして真希の肌が、徐々に鱗の欠片へと変わっていく……

スリ…スリ…

「何百年も……寂しかったよね?」真希が優しくコウカの頭を撫でる

「私たちを待たなきゃいけなくて、しかも何度も何度も私たちが……」

「死んでいくのを……」

ギュッ…

「そんなに多くないよ……そんなに長くないよ……」コウカが真希の服を強く握り、胸に顔を埋める

「何回でも、私は待てる!」

ウフッ…

「そんなこと言わないでよ!」真希が微笑み、軽く首を振る

「コウカだって知ってるでしょ!」真希の視線が月に向かう

「もうすぐ終わるよ!」真希が自分の手を見つめる

ズッ…

「そんなこと言わないで……やだよ……」コウカが真希の服を握りしめる

「どうして……いつもそうなんだろ……」

ポン!

「そんなこと言わないで!」真希が優しくコウカの頬を持ち上げる

「これが私たちの宿命、私たちが背負ってるもの……」真希がコウカの目から涙を拭う

「この渦は、いつか必ず終わる……

「私たちか、彼らか……

「コウカはずっと知ってたよね?」真希がまっすぐコウカを見つめる

………

ズゴォォ…ズゴォォ…

地面が揺れ始め、道路の石ころが震える……

………

戦場の只中に、金色の光が輝く……

コウカの足元に、一振りの剣……

「なるほどね!」真希が微笑む

「だからあいつは自分を保っていられたのか」

グッ…

真希がコウカを抱き上げ、ビルの方へ目を向ける

「君……君……何してるの!」コウカが手を握りしめ、足をばたばたさせ、真希の目を見つめる

「降ろして! 本来これは私の役目でしょう!」

ザッ!

二人の少女が夜空に浮かび、二振りの剣が闇の中で輝く……

真希の顔に明るい笑顔、コウカの目は大きく見開かれる

「もうちょっとだけ、私たちのこと見ててね!」真希がコウカを見て微笑む

………

ガシャッ!!

レンガや瓦が飛び散り、屋根の破片が四方八方に……

ガラス片が夜空にきらめき、物が散乱する……

獣型メックが障害物を蹴散らしながら突進する……

そして二人の人間が、今はその肩の上に立っている……

カッ!

白い髪が徐々に黒く短くなり……

鱗が肌から落ち、角が消えていく……

………………………………………………………………………………………………………………

ん……

「ここ……どこ……」俺は周りを見回し、必死に目を開ける

「何が……起きたんだ……?」

ググッ…ググッ…

「どうして手が……こんなに重いんだ……?」ハルが腰を屈め、体を引き上げる

「コウ……コウ……コウ……」ハルの目が大きく見開かれ、唇が震える

「コウカ! 何やってるんだよ?」

クスッ…

「約束したもの、渡してくれないの?」コウカが微笑む

「俺……俺……俺……」ハルが後ずさる

「俺、何を約束したんだよ!?」

ガハハハ!

「新顔の無賃乗車どもを見てみろ!」機体の反対側から声が響く

カッ…

「遅れてすみません!」コウカが機体から降りる

「どうかお許しください、黒鋼隊長!」

「いやいや!」黒鋼さんが空中で手を振る

「むしろちょうどいいタイミングで来たんだよ!」

ゼェ…ゼェ…

「どうして……体が……しびれる……」ハルが胸に手を当て、機体に手をつく

「え?」レンが横を振り返る

「ハル? それに星真さん?」レンの目が大きく見開かれる

「二人とも、いったいどこにいたんだよ?」

「それは……」俺が頭をかく

「気にしなくていいわ、小林さん」コウカが俺の方を振り返る

「ただの二人の秘密よ!」コウカが俺にウインクする

「ハル、意外とそういうタイプだったんだ!」レンが鼻に手を当て、口角を上げる

「俺、完全に見る目がなかったかも!」

「違うって!」俺が両手を大きく振る

「もし田中さんに知られたらどうする……」レンが機体の頭を俺の方に向ける

「違うって言ってるだろ、ただの誤解だよ!」俺がコウカを見る

「な、コウカ?」

クスッ…

「さあね?」コウカが俺を見て、指を唇に当てる

………

パン、パンッ!

「ここまで!」黒鋼さんが手を叩く

「まだもう一人迎えに行かなきゃ……」黒鋼さんの指が川岸を指す

家の隙間から……

二人の少女の姿が現れる……

一人は槍、もう一人は弓……

向かい側に、大勢の白い鎧の軍団……

「かつて我々が果たせなかったことを成せ……」ハルの頭に声が響く

ギュッ…

ハルの手が剣を強く握り、緑の光が溢れ出す

………………………………………………………………………………………………………………

ドゴォォンッ!!

隣の家の壁や木材が一気に吹き飛び……

ガラス片、家財道具が乱れ飛ぶ……

目の前の家を突き破り、獣型メックが両者の間に立ちはだかる……

……

ギュオオオッ——ドガガガッ!!

咆哮する豹メックの体に赤い光が鮮やかに浮かび……軍団に向かって突進する

ガンッ!

黒鋼さんがガントレットを強く打ち合わせる……

そして金色の光が、夜の中に眩しく閃く……

白い鎧の軍団が足を止め、手で目を覆う……

「何が……起きている……」早咲が槍を下げ、手で目を覆う

「篠見……」ハルの目が篠見にすがるように見つめる

「手を出して!」ハルの手が篠見に向かって伸びる

「早く!」

「ハル……」篠見がそっと手を差し出す

ギュッ…ズッ!

「早く行くよ!」ハルが篠見の手を強く握る

「OK!」レンが操縦桿を街の方へ向ける

「早咲……」篠見が振り返る

「私についてきて!」

バッ!

「お嬢様!」早咲がメックに飛び乗る

………

「一体何が起きたんだ!」金線の白い鎧が周囲を見回す

ムッ…

「人間どもが……」金線の白い鎧が槍を強く握る

「ここで止めることを提案する!」緑線の白い鎧が立ち上がる

「我々はもう目的を達成した。続けても損失が増えるだけだ!」

ガンッ!!

「黙れ!」金線が緑線の鎧を殴る

「お嬢様をあの御方に連れ帰るまで、誰も離脱は許さん!」

「だが、今追っても何の得にもならない!」緑線が拳を握る

「下賤な家の分際で何が分かる!」

「さっさと立ち上がって追え!」

………………………………………………………………………………………………………………

ドドドドド…!

豹メックが夜に沈む街に向かって疾走する……

ポンッ!ポンッ!ポンッ!

「私がどれだけ君を探したか知ってる?」篠見がハルの胸を何度も叩く

「このバカ!」

「知ってる、でもそれは……」ハルの視線が横に逸れる

「だって私よりいい子ができたからでしょう?」篠見がハルをまっすぐ見つめる

「私がダメだから捨てたんでしょう?

「よくもそんなことできるよね?」篠見がハルの胸に顔を埋める

「やめて……そんなの……」

フフッ…

「田中さん……」コウカが口元に手を当てる

「どうしましたか……」篠見が俺の胸から顔を少し上げる

「私たち、そんな関係じゃないわよ!」コウカが微笑む

「本当?」篠見が目を丸くして俺を見る

「信じなくてもいいけど……」コウカが両手を頭の後ろにやる

「どうせ私が本気になったら、もうとっくにこの子は私のものだったわ……」

ヘヘッ…

「それでいい……」篠見が俺をぎゅっと抱きしめ、顔を胸にすり寄らせる

………..

ガンッ…ガンッ…

黒鋼の背後から金属音が響く

「やめろ、魚人!」黒鋼が振り返る

「どうしてやめられようか、お前たちが……」早咲が槍を強く握る

はぁ……

「どこにでもこういう偏った奴はいるな!」黒鋼が頭をかく

「どういう意味だ?」早咲が槍を下げる

「まずは何を優先すべきか考えてから動け!」黒鋼が空に手を上げる

「フン!」早咲が槍を下ろす

「ならばお前も理解しているはずだ……

「……今逃げるのは、ただ無関係な者を巻き込むだけだ!」早咲が目を細めて睨む

ハッハッハ!

「誰が逃げるって言った!」黒鋼が街の方へ目を向ける


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ