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静時の流れ - 潮騒の誓約  作者: Minateru
残響の果てに

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25/99

夜が裂け、運命が走り出す

月光が夜を切り裂き……

水面が道路を覆う……

赤い髪の少女が満面の笑みで

友達と二人の子供たちを見つめる……

…

ぐっ…ぐ…

「てめぇ……またどの化け物だ……俺の邪魔を……」白い装甲が槍を握りしめ、必死に立ち上がろうとする

「私?」ツメ子が自分を指差す

「私はただの……」

「こいつらの友達だよ!!」ツメ子がニッコリ笑う

…

ああっ…!

「ふざけるな!!」白い装甲が跳ね起きる

…

Um…

「誰がふざけてるのよ!!」ツメ子が口元に手を当てる

「でもさ……」

「自分の後ろの方が心配した方がいいよ!!」

…

グルル…

背後から赤い光が燃え上がる……

水蒸気がモクモクと立ち込め……

そして……

…

ドゴッ!

白い装甲が立とうとした場所に……

爪痕と道路の破片が飛び散るだけ……

…

「言ったろ!!」ツメ子が倒れている女性に目を向ける

……

「大丈夫ですか?」ツメ子が女性を支えて起こす

…

うっ…!

「私……私は大丈夫……」三日月さんが顔をしかめながら体を起こす

…

ガクッ…!

闇の中から別の影が槍を手に突進してくる……

三日月さんの目が大きく見開かれ、体が凍りつく……

…

…

バァンッ!

金色の光が横から一閃……

空中に水滴が飛び散り……

その影が道に崩れ落ちる……

……

「何か?」ツメ子が首を傾げる

「今……今のは!?危なかったわよ!!」三日月さんが手を握りしめる

「もう少しで死んでたのよ!!」

…

トン…トン…

「安心してください、そんなことありません!!」男が近づいてくる

「葉山先生!?」ネネが目を見開く

…

「我校の義務は生徒を絶対に危険にさらさないことだ!!」中年の男がツメ子の頭を軽くコツン

…

コツンッ!

「どれだけ無茶してもな!!」

「先生……」ツメ子が頭を押さえる

「痛いじゃないですか!!」

「自分でやったくせに何言ってんだ!!」葉山先生が口元を緩める

…

「先生……」ネネの視線が葉山先生の手へ

「なんで……それ持ってるんですか?」

…

まだ煙を上げる銃口……

長い翼のような装飾が広がるスナイパーライフル……

黒いボディに金色のラインが走る……

…

かきかき…

「それはちょっと説明が面倒でね……」中年の男が頭を掻いて顔を逸らす

「でもそれより……」葉山先生が振り向く

「残りの三人はどこだ?」

…

ドスッ…ドスッ…

「先生!!」獣型メカから声が響く

「この声は……」葉山先生がメカを見る

「小林か。何やってんだ中で?」

…

えっへっへ…

「先生びっくりした!?」レンが鼻の下を掻く

「数学できなきゃ大物になれないなんて誰が言った!!」

「このガキが……」葉山先生が顔を覆う

……

よっ…よっ…

「どうしてみんな……ここに……」ネネが近づく

…

スッ…

「それ聞いてどうする!!」葉山先生がタバコを取り出す

「当たり前だろ!学校の生徒を迎えに来たんだよ!!」

「こんなとこに置いとけるか!!」葉山先生が街を見回す

…

「先生……」ネネが目を細める

「子供がいるんですよ、タバコやめてください!!」

「タバコじゃねぇよ……」葉山先生がくわえた棒を上げる

「ただのキャンディだよ……」

「子供たち、欲しいか?」棒を子供たちに向ける

…

「先生……」ネネが目を細めて子供たちを抱く

「子供に悪影響ですよ!!」

………

あっははっ…!

「俺にも一本くれよ!!」別の男が近づく

「お前はダメだ、陸男!!」

「ケチ!!久しぶりなんだからよ!!」陸男が肩を落とす

「久しぶりなんだから……」

…

「黒鉄さん……先生……」ネネが目を見開く

「二人って知り合いなんですか?」

…

「まぁ……」

「知り合いって言えば知り合いかな……」葉山先生が頬を掻く

「照れんなよ!!親友って言えよ!!」陸男が肩に腕を回す

「だから言いたくねぇんだよ!!」葉山先生が押し返す

………

遠くから光が一際強く輝き……

月明かりを凌駕し、夜を切り裂く……

…

「まさか……」葉山先生が固まる

「ああ、それだ!!」陸男が頷く

「運命がまた繰り返すぜ!!」

…

「陸男……」

「わかってるわかってる、昔みたいだろ?」陸男が獣型メカに近づく

「でも今回は作戦あんのか?」

「知るか!!お前もいつも知らねぇだろ!!」葉山先生が笑う

「確かに!!」

…

「よし、小林さんだったな?」陸男がメカの肩に乗り

「あの光の方向へ急げ!!」

「え?なんで?」レンが身を乗り出す

「あそこの熱源、人間じゃねぇだろ!!」

「行け行け、質問すんな!!」

「でも……レンが目を細める

…

「わかった!!」男が操縦桿を握る

「おっちゃん、どういうこと?」レンが振り向く

「やるだけだガキ!!」男が笑う

「必要なのは従うだけだ!!」

…

ゴトッ…ゴトッ…

獣型が光へ向かって疾走、道路に足跡を残す……

………

「よし!!」葉山先生が見回す

「お前たちはこの女性と子供たちを安全な場所へ!!」

「先生は!?」ツメ子が目を見開く

「俺は別の準備が!!」葉山先生が見回す

…

「あった!!これだ!!」葉山先生が調味料の瓶を拾う

隣にへこんだガスボンベ……

………………………………………………………………………………………………………………..

ガシャッ!ガシャッ!

カンッ!カンッ!

…

川辺は赤く染まり……

月明かりが薄れ……

火花が空中に散る……

…

ハァ…ハァ…

「なんで……こんなに多いんだよ……」俺が後ずさり、目を見開く

「今回はかなり計画的に来てるみたいだ!!」コウカが唇を噛む

…

「十神様……」コウカが俺を見て背中を寄せる

「ここに長くいると不利です……」

「今、柱を折って足止めします……」

「俺が3つ数えたら全力で走って……」

「わかったな?」

…

「でも追ってくるだろ!!」俺がチラ見

「大丈夫!!陸上じゃ遅い!!」コウカが笑う

「全力で走れば逃げ切れる!!」

…

ギュッ…!

「まっすぐ前だけ見て、絶対振り返るな……」コウカが剣を握る

「わかった……」俺が軽く頷く

…

「俺の合図で……」コウカが敵を睨む

「1……」

「2……」

…

「3!!」

…

ガキッ!ガキッ!

金属音が響き渡り……

火花が輝く……

…

ビュンッ!ビュンッ!

俺は全力で前へ……視線を道の先に……

体が軽くなる……

…

「コウカ、行ける!!」俺が笑う

「追いつけない!!」

「コウカ?」

トン…トン…

…

「コウカ!!」振り向くと

白い装甲に囲まれ、武器が飛び交う中……

二刀で必死に戦うコウカ……

…

「コウカ……なんで……」俺が手を伸ばす、体が動かない

…

ジャキッ!ジャキッ!

カランッ!カランッ!

白い装甲が次々弾かれ……

武器が飛び散る……

…

…

だが空中に……

青い剣が俺の方へ飛んでくる……

そしてコウカの動きが止まる……

…

「コウカ!!」俺がコウカへ飛び込む

「来るな!!」軍団の中から声

「覚醒できないお前じゃ何もできねぇだろ!!」

…

「違う!!俺はできる!!」俺が周りを見回す

「見てろ!!できるんだ!!」一番近い槍に飛びつく

「俺……できる……」槍を握る

…

何の反応も……光も……

何も起きない……

…

カシャンッ!カシャンッ!

「なんでだよ……なんで……」次々槍に飛びつく

「動けよ!!動け!!」

「なんで……」

…

ギュッ…!

「前みたいにできないのかよ!!」武器を握りしめる

「言っただろ……」コウカの声が響く

「お前は向いてない……」

「この物語の主人公じゃねぇ……」

「お前はただのモブだ!!」

…

「早く逃げろ!!消えろ!!」

「俺の足手まといになるな!!」

…

「違う……違う……ありえない……」俺が後ずさる

「違う!!」背を向けて走り出す、唇を噛む

…

「早く消えろ!!」コウカが俺を睨む

…

ドサッ!

「そうだよ……ここから逃げろ……十神様……」コウカが地面に崩れる

「走れ!!振り返るな!!」

……

「十神……様……」液体がコウカの顔を覆う

「今度は……やったよ……」コウカが手を伸ばし、笑みを浮かべる

「今度は……一人に……させなかった……」

「どうか……望むように……生きて……」コウカの目が閉じる

………

武器が散らばる道に……

一筋の光が目に入る……

…

「あの剣……」俺が目を見開く

「もしかしたらあれなら……」剣に飛びつき

ガシッ!

目を大きく見開き、剣を握る

………

目の前に濃い霧が立ち込め……

周囲の影が消えていく……

家、道路、剣、軍団、コウカ……

何も残らず、静かな水面と濃い霧だけ……

…

黒い影が次々現れ、繋がり……

俺を囲む円になる……

11の黒い影……

四方から声が響く……

…

「お前は本当にこの道でいいのか?」

「弱虫のお前じゃ何もできねぇ!!」

「やめて平凡に生きろ!!」

「妄想やめて戻れ!!」

「クソ雑魚妄想野郎!!」

「お前は他人に認められるためにだけやってる!!」

…

「俺……俺……俺……」俺が頭を抱え、髪を掴む

「黙れ!!黙ってくれ!!」

「頼む……!!」

…

「俺は聞く……」一つの影が近づく

「お前……今まで何のために生きてきた?」

「俺……」俺が顔を上げ、目を細める

「お前は何のためにまだもがいてる?」白い髪が影から現れる

…

「お前はいつも他人のために、いつも助けようとして……」影が水面を指す

学生時代の俺の記憶が浮かぶ……

…

「どれだけ倒れても、周りに利用されても……」

「そして……」俺の目が大きく開く

「あの子は……いつもお前を避けてた……」

…

静かな水面に汐美の姿が……

でもいつの間にか……彼女は……

俺を避け、俺の人生から離れ……

昔の友達も俺を避け……

…

「だから教えてくれ……」影が両手で俺の頬に触れる

「お前は何のために生きてる?」青い目と短い角が俺をまっすぐ見つめる

「他人のため?エゴのため?それとも……」

「……正しいことだから?」

…

「どれでもいい……」俺が唇を動かす

「どれでもいいんだよ!!」

…

ギュッ…!

「何でもいい!!」俺が目を見開き、影の手を握る

「俺は本能のままに動く!!」

「正しくても間違いでも!!」

「たとえ俺が彼らの人生で一瞬の存在でも……」

「誰にも迷惑かけず、大切な人たちのために何かできるなら……」

「それだけで俺の存在は十分だろ!!」

…

アッハハハハッ!!

「それって……」目の前の影が腹を抱える

「結局自分のエゴじゃねぇか!!」

…

「凡庸!!」大きな影が立ち上がる

「つまんねぇ!!」

「でもそれがお前たちだ!!」一つの影が笑う

そして11の影すべてが立ち上がる……

……

「受け入れたんなら途中で投げ出すんじゃねぇ!!」

光が爆発的に広がり……

霧を、夜を切り裂く……

………………………………………………………………………………………………………………

うわっ…!

「何だこの光!!」白い装甲が手を顔に当てる

「眩しすぎる!!」別の装甲が後ずさる

…

うっ…くっ…

「光……なんで……」コウカが必死に目を開けようとする

「なんで……光が見える……」

……

ゴォォォォッ!!

強風が軍団を吹き抜け……

コウカの髪がバサバサ……

瓦礫が飛び散る……

…

ガチャァンッ!!

金属音が響き渡り……

武器が四方に飛び散る……

…

ガガンッ!!

煙が立ち込め……

地面が次々砕け、大きな穴が開く……

……

「今……何が……」コウカが立ち上がり、周りを見回す

…

「いや……いや……ありえない……」コウカの目が大きく見開く

…

月光が夜を切り裂く中……

白い髪と額の角……

肩に輝く剣を担ぐ……

…

「やっぱり……また始まるんだな……」

「だろ、十神様……」コウカがハルを見て微笑む

「あ、いや……」

「マキ……」

…

「久しぶりだな、コウカちゃん!!」ハルの顔が満面の笑みになる。


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