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静時の流れ - 潮騒の誓約  作者: Minateru
残響の果てに

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25/36

夜が裂け、運命が走り出す

月光が夜を切り裂き……

水面が道路を覆う……

赤い髪の少女が満面の笑みで

友達と二人の子供たちを見つめる……

ぐっ…ぐ…

「てめぇ……またどの化け物だ……俺の邪魔を……」白い装甲が槍を握りしめ、必死に立ち上がろうとする

「私?」ツメ子が自分を指差す

「私はただの……」

「こいつらの友達だよ!!」ツメ子がニッコリ笑う

ああっ…!

「ふざけるな!!」白い装甲が跳ね起きる

Um…

「誰がふざけてるのよ!!」ツメ子が口元に手を当てる

「でもさ……」

「自分の後ろの方が心配した方がいいよ!!」

グルル…

背後から赤い光が燃え上がる……

水蒸気がモクモクと立ち込め……

そして……

ドゴッ!

白い装甲が立とうとした場所に……

爪痕と道路の破片が飛び散るだけ……

「言ったろ!!」ツメ子が倒れている女性に目を向ける

……

「大丈夫ですか?」ツメ子が女性を支えて起こす

うっ…!

「私……私は大丈夫……」三日月さんが顔をしかめながら体を起こす

ガクッ…!

闇の中から別の影が槍を手に突進してくる……

三日月さんの目が大きく見開かれ、体が凍りつく……

バァンッ!

金色の光が横から一閃……

空中に水滴が飛び散り……

その影が道に崩れ落ちる……

……

「何か?」ツメ子が首を傾げる

「今……今のは!?危なかったわよ!!」三日月さんが手を握りしめる

「もう少しで死んでたのよ!!」

トン…トン…

「安心してください、そんなことありません!!」男が近づいてくる

「葉山先生!?」ネネが目を見開く

「我校の義務は生徒を絶対に危険にさらさないことだ!!」中年の男がツメ子の頭を軽くコツン

コツンッ!

「どれだけ無茶してもな!!」

「先生……」ツメ子が頭を押さえる

「痛いじゃないですか!!」

「自分でやったくせに何言ってんだ!!」葉山先生が口元を緩める

「先生……」ネネの視線が葉山先生の手へ

「なんで……それ持ってるんですか?」

まだ煙を上げる銃口……

長い翼のような装飾が広がるスナイパーライフル……

黒いボディに金色のラインが走る……

かきかき…

「それはちょっと説明が面倒でね……」中年の男が頭を掻いて顔を逸らす

「でもそれより……」葉山先生が振り向く

「残りの三人はどこだ?」

ドスッ…ドスッ…

「先生!!」獣型メカから声が響く

「この声は……」葉山先生がメカを見る

「小林か。何やってんだ中で?」

えっへっへ…

「先生びっくりした!?」レンが鼻の下を掻く

「数学できなきゃ大物になれないなんて誰が言った!!」

「このガキが……」葉山先生が顔を覆う

……

よっ…よっ…

「どうしてみんな……ここに……」ネネが近づく

スッ…

「それ聞いてどうする!!」葉山先生がタバコを取り出す

「当たり前だろ!学校の生徒を迎えに来たんだよ!!」

「こんなとこに置いとけるか!!」葉山先生が街を見回す

「先生……」ネネが目を細める

「子供がいるんですよ、タバコやめてください!!」

「タバコじゃねぇよ……」葉山先生がくわえた棒を上げる

「ただのキャンディだよ……」

「子供たち、欲しいか?」棒を子供たちに向ける

「先生……」ネネが目を細めて子供たちを抱く

「子供に悪影響ですよ!!」

………

あっははっ…!

「俺にも一本くれよ!!」別の男が近づく

「お前はダメだ、陸男!!」

「ケチ!!久しぶりなんだからよ!!」陸男が肩を落とす

「久しぶりなんだから……」

「黒鉄さん……先生……」ネネが目を見開く

「二人って知り合いなんですか?」

「まぁ……」

「知り合いって言えば知り合いかな……」葉山先生が頬を掻く

「照れんなよ!!親友って言えよ!!」陸男が肩に腕を回す

「だから言いたくねぇんだよ!!」葉山先生が押し返す

………

遠くから光が一際強く輝き……

月明かりを凌駕し、夜を切り裂く……

「まさか……」葉山先生が固まる

「ああ、それだ!!」陸男が頷く

「運命がまた繰り返すぜ!!」

「陸男……」

「わかってるわかってる、昔みたいだろ?」陸男が獣型メカに近づく

「でも今回は作戦あんのか?」

「知るか!!お前もいつも知らねぇだろ!!」葉山先生が笑う

「確かに!!」

「よし、小林さんだったな?」陸男がメカの肩に乗り

「あの光の方向へ急げ!!」

「え?なんで?」レンが身を乗り出す

「あそこの熱源、人間じゃねぇだろ!!」

「行け行け、質問すんな!!」

「でも……レンが目を細める

「わかった!!」男が操縦桿を握る

「おっちゃん、どういうこと?」レンが振り向く

「やるだけだガキ!!」男が笑う

「必要なのは従うだけだ!!」

ゴトッ…ゴトッ…

獣型が光へ向かって疾走、道路に足跡を残す……

………

「よし!!」葉山先生が見回す

「お前たちはこの女性と子供たちを安全な場所へ!!」

「先生は!?」ツメ子が目を見開く

「俺は別の準備が!!」葉山先生が見回す

「あった!!これだ!!」葉山先生が調味料の瓶を拾う

隣にへこんだガスボンベ……

………………………………………………………………………………………………………………..

ガシャッ!ガシャッ!

カンッ!カンッ!

川辺は赤く染まり……

月明かりが薄れ……

火花が空中に散る……

ハァ…ハァ…

「なんで……こんなに多いんだよ……」俺が後ずさり、目を見開く

「今回はかなり計画的に来てるみたいだ!!」コウカが唇を噛む

「十神様……」コウカが俺を見て背中を寄せる

「ここに長くいると不利です……」

「今、柱を折って足止めします……」

「俺が3つ数えたら全力で走って……」

「わかったな?」

「でも追ってくるだろ!!」俺がチラ見

「大丈夫!!陸上じゃ遅い!!」コウカが笑う

「全力で走れば逃げ切れる!!」

ギュッ…!

「まっすぐ前だけ見て、絶対振り返るな……」コウカが剣を握る

「わかった……」俺が軽く頷く

「俺の合図で……」コウカが敵を睨む

「1……」

「2……」

「3!!」

ガキッ!ガキッ!

金属音が響き渡り……

火花が輝く……

ビュンッ!ビュンッ!

俺は全力で前へ……視線を道の先に……

体が軽くなる……

「コウカ、行ける!!」俺が笑う

「追いつけない!!」

「コウカ?」

トン…トン…

「コウカ!!」振り向くと

白い装甲に囲まれ、武器が飛び交う中……

二刀で必死に戦うコウカ……

「コウカ……なんで……」俺が手を伸ばす、体が動かない

ジャキッ!ジャキッ!

カランッ!カランッ!

白い装甲が次々弾かれ……

武器が飛び散る……

だが空中に……

青い剣が俺の方へ飛んでくる……

そしてコウカの動きが止まる……

「コウカ!!」俺がコウカへ飛び込む

「来るな!!」軍団の中から声

「覚醒できないお前じゃ何もできねぇだろ!!」

「違う!!俺はできる!!」俺が周りを見回す

「見てろ!!できるんだ!!」一番近い槍に飛びつく

「俺……できる……」槍を握る

何の反応も……光も……

何も起きない……

カシャンッ!カシャンッ!

「なんでだよ……なんで……」次々槍に飛びつく

「動けよ!!動け!!」

「なんで……」

ギュッ…!

「前みたいにできないのかよ!!」武器を握りしめる

「言っただろ……」コウカの声が響く

「お前は向いてない……」

「この物語の主人公じゃねぇ……」

「お前はただのモブだ!!」

「早く逃げろ!!消えろ!!」

「俺の足手まといになるな!!」

「違う……違う……ありえない……」俺が後ずさる

「違う!!」背を向けて走り出す、唇を噛む

「早く消えろ!!」コウカが俺を睨む

ドサッ!

「そうだよ……ここから逃げろ……十神様……」コウカが地面に崩れる

「走れ!!振り返るな!!」

……

「十神……様……」液体がコウカの顔を覆う

「今度は……やったよ……」コウカが手を伸ばし、笑みを浮かべる

「今度は……一人に……させなかった……」

「どうか……望むように……生きて……」コウカの目が閉じる

………

武器が散らばる道に……

一筋の光が目に入る……

「あの剣……」俺が目を見開く

「もしかしたらあれなら……」剣に飛びつき

ガシッ!

目を大きく見開き、剣を握る

………

目の前に濃い霧が立ち込め……

周囲の影が消えていく……

家、道路、剣、軍団、コウカ……

何も残らず、静かな水面と濃い霧だけ……

黒い影が次々現れ、繋がり……

俺を囲む円になる……

11の黒い影……

四方から声が響く……

「お前は本当にこの道でいいのか?」

「弱虫のお前じゃ何もできねぇ!!」

「やめて平凡に生きろ!!」

「妄想やめて戻れ!!」

「クソ雑魚妄想野郎!!」

「お前は他人に認められるためにだけやってる!!」

「俺……俺……俺……」俺が頭を抱え、髪を掴む

「黙れ!!黙ってくれ!!」

「頼む……!!」

「俺は聞く……」一つの影が近づく

「お前……今まで何のために生きてきた?」

「俺……」俺が顔を上げ、目を細める

「お前は何のためにまだもがいてる?」白い髪が影から現れる

「お前はいつも他人のために、いつも助けようとして……」影が水面を指す

学生時代の俺の記憶が浮かぶ……

「どれだけ倒れても、周りに利用されても……」

「そして……」俺の目が大きく開く

「あの子は……いつもお前を避けてた……」

静かな水面に汐美の姿が……

でもいつの間にか……彼女は……

俺を避け、俺の人生から離れ……

昔の友達も俺を避け……

「だから教えてくれ……」影が両手で俺の頬に触れる

「お前は何のために生きてる?」青い目と短い角が俺をまっすぐ見つめる

「他人のため?エゴのため?それとも……」

「……正しいことだから?」

「どれでもいい……」俺が唇を動かす

「どれでもいいんだよ!!」

ギュッ…!

「何でもいい!!」俺が目を見開き、影の手を握る

「俺は本能のままに動く!!」

「正しくても間違いでも!!」

「たとえ俺が彼らの人生で一瞬の存在でも……」

「誰にも迷惑かけず、大切な人たちのために何かできるなら……」

「それだけで俺の存在は十分だろ!!」

アッハハハハッ!!

「それって……」目の前の影が腹を抱える

「結局自分のエゴじゃねぇか!!」

「凡庸!!」大きな影が立ち上がる

「つまんねぇ!!」

「でもそれがお前たちだ!!」一つの影が笑う

そして11の影すべてが立ち上がる……

……

「受け入れたんなら途中で投げ出すんじゃねぇ!!」

光が爆発的に広がり……

霧を、夜を切り裂く……

………………………………………………………………………………………………………………

うわっ…!

「何だこの光!!」白い装甲が手を顔に当てる

「眩しすぎる!!」別の装甲が後ずさる

うっ…くっ…

「光……なんで……」コウカが必死に目を開けようとする

「なんで……光が見える……」

……

ゴォォォォッ!!

強風が軍団を吹き抜け……

コウカの髪がバサバサ……

瓦礫が飛び散る……

ガチャァンッ!!

金属音が響き渡り……

武器が四方に飛び散る……

ガガンッ!!

煙が立ち込め……

地面が次々砕け、大きな穴が開く……

……

「今……何が……」コウカが立ち上がり、周りを見回す

「いや……いや……ありえない……」コウカの目が大きく見開く

月光が夜を切り裂く中……

白い髪と額の角……

肩に輝く剣を担ぐ……

「やっぱり……また始まるんだな……」

「だろ、十神様……」コウカがハルを見て微笑む

「あ、いや……」

「マキ……」

「久しぶりだな、コウカちゃん!!」ハルの顔が満面の笑みになる。


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