↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
静時の流れ - 潮騒の誓約  作者: Minateru
残響の果てに

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

2/99

残響の果てに

闇が四方を包み……

霧が視界を覆う……

…

ビリビリ…

奇妙な映像が突然目の前に浮かぶ……

「ここ……どこ……?」俺が薄目を開ける

…

パシャッ…パシャッ

「こんにちは?」俺はゆっくり周りを見回しながら歩く

「誰かいる!?」

…

パッ!

周囲が一気に明るくなり……

見知らぬ教室……

顔のない影たちが俺を囲む……

「よしみんな、今日は地球の構造を勉強するぞ」

…

「何これ……?」俺が後ずさり、目を見開く

…

「誰か先生に、地球はどんな層でできてるか教えてくれないか?」講壇に立つ影がケーキを持っている

……..

ブツブツ…ブツブツ…

映像が歪み始める……

…

「先生、食べられるの?」遠くの影たちがケーキの方に首を向ける

……..

ブツブツ…ブツブツ…

…

「三層です!!」教室中が一斉に答える

「正解。地球も同じだ」

…

ブツブツ…ブツブツ…

…

「一番外側が……70km……マンティ、そして最後に……」

…

ブツブツ…ブツブツ…

…

「地球の核」

…

「何が……起きてんだよ……?」体が固まり、目が大きく見開かれる

「一体……」

…

ブツブツ…ブツブツ…

…

「先生!!」一つの影が立ち上がる

…

「人間はどうやってこの惑星の構造を知ったんですか?」

……………..

ピカッ!

強烈な光が目の前で炸裂……

「うわっ……」俺が手を顔に当てる

…

突然、巨大な講堂が現れ……

何千もの視線が俺に向けられる……

後ろから一人の影が進み出て……

…

「世紀の天才たちよ……」

「……俺たちがやらなければ誰がやる?」

カチカチ…カチカチ…

講堂中が一斉に立ち上がり、笑みを浮かべる

……

ギラッ!

巨大なテレビ画面が現れる……

「本日、史上初めて、人類は新希少金属化合物を発見しました」

…

ザーザー

「フォロックス合金により……科学の新時代が始まる」

……………..

ボッ!

光が突然消え……

闇がすべてを覆う……

…

ガキィン!!

遠くから巨大な金属音が響き……

火花が四方に散る……

二つの巨大な影が武器を向け合う……

…

「何だよ……あれ……何だ……?」俺が固まり、目を見開く

ガァン…ズガァン…

衝撃波が響き渡る……

…

「うわぁぁぁ!!!!」俺が両手で耳を塞ぎ、目を細める

…

そして武器が止まり……

声が響き始める……

「……攻撃するな……それは……」

「……責任……守る……」

「……他に方法が……」

…

「静かにしてくれ!!」俺が体を低くし、頭を抱える

……

闇が再び覆い……

映像が煙のように消え……

目の前に黒い影が現れる……

…

「運命はいつも俺たちをこの道へ導く……」影が俺に手を差し伸べる

………………………………………………………………………………………………………

「ハル!!」ぼやけた映像が目の前に……

…

「ハル!!」俺が必死に目を開けようとする

…

「ハルゥゥゥゥ!!!!」見慣れた顔が目の前に現れる

…

「ハル、大丈夫!?」汐美が目を大きく見開き、顔を近づける

「何かあったの?」汐美の手が俺の手をギュッと握る

…

うぅ…うぅ…

「俺……」俺が額に手を当て、目を開ける

…

「大丈夫……」

「……ただの悪夢だよ」俺が微笑み、手を下ろす

…

「ここ……どこ……?」俺が周りを見回す

「何が……起きたんだ……?」

…

「もう三日以上気絶してたんだから!!」汐美が顔を近づける

「知ってる?私めっちゃ苦労してここまで運んだんだよ!!」両手がギュッと握られる

…

「俺……ごめん……」俺が顔を伏せる

「迷惑かけちゃって!!」

「いいよ!!」汐美が腰に手を当てる

「だってハルなら私にも同じことするでしょ!!」

「ね!?」汐美が笑顔で目を大きく見開いて俺を見る

……

突然、記憶の片隅で声が響く……

「……もう……敵じゃ……」俺の目が大きく見開き、両手で毛布を握りしめる

…

「聞き間違え……かな……」俺が小さく唇を動かす

…

「ねぇハル、どうしたの?」汐美が首を傾げる

…

「……いや……」俺が毛布を緩め、肩を落とす

「何でもない」

…

「きっと……聞き間違えだ……」俺が心の中で呟く

…………….

「でもさ……」俺が周りを見回す

「レンと石川さんは……」俺が汐美に微笑む

「二人ともどうなったんだ?」

…

ドガンッ!

瓦礫の山と巨大な触手の影が脳裏に浮かぶ……

…

「圭……」俺の目が大きく見開く

…

ハッ!

「圭!!!!」俺が汐美を見る

「妹どこ!?知ってる!?」

「まさか……」

…

そっと…

「安心してハル!!」汐美が俺の手を握り、満面の笑み

…

「あの水怪は俺たちのいたエリア周辺だけ襲ったみたい」

「圭ちゃんは……きっと大丈夫だよ……」

「でもネネちゃんと小林さんは……」汐美が手をギュッ

「わからない……」

…

ぐっ…

「俺は探しに行く!!」両手でベッドを握りしめ、唇を噛む

…

はぁ…

「その状態で歩けるわけないでしょ……」汐美が軽く首を振る

…

「私が手伝う!!」

「手出して!!」汐美が手を差し伸べる

…

「でも……こんな……」俺が顔を逸らす

「いいよ!!だってずっとこうしてたじゃん!!」汐美が笑顔で俺の手を首に回す

………………………………………………………………………………………………………

眩しい光が道を照らし……

昨日まであった街が……

今は瓦礫の山……

レンガが散乱し……

道路に穴が無数に……

…

ガラガラ…

カラカラ…

清掃メカが戦場を片付け……

奇妙な軍服の人間たちが家を捜索……

………

トントン…トントン…

荒れ果てた道を越え……

崩れたビルをくぐり……

…

目の前に現れたのは……

完全に崩壊した瓦礫の山……

生活用品が石の下に挟まり……

歪んだショッピングカート……

地面を覆う真っ赤な色……

…

ヒラヒラ…

赤い紙が俺の足元に飛んでくる……

角に太い文字で名前……

「小林レン……」俺が目を見開き、小さく唇を動かす

…

パッ!

光が一瞬閃く……

…

コツコツ…コツコツ…

近づく足音……

瓦礫の中から血に染まったヘアピン……

いつも友達の頭にあったヘアピン……

「石川さん……」汐美が俺の手を離し、近づく

……………………

ギョッ!

「こんな……」汐美が口元に手を当てる

「ありえない……」俺の手がギュッ

「一体……何が……起きたんだ……?」

「なんで……」

「なんでこんなことに!!!!」俺が瓦礫に向かって叫ぶ

…

「ハル……」汐美が近づき、手を伸ばす

「落ち着いて!!」

…

「どう落ち着けってんだよ!!」俺が両手を振り回し、汐美をまっすぐ見る

「なんで全部こんなことに!!」

…

触手の影が脳裏に浮かぶ……

「あいつ……」

「あいつがいなけりゃこんな目に!!」俺が拳を握りしめる

…

つんっ

「ハル……違うよ!!」汐美が俺の手を掴む

「そんなんじゃない!!」

「あいつら……守ってただけ!!」

「きっと誤解が!!」

…

「お前……今何て……?」俺が汐美を振り向き、目を見開く

「私……そういう意味じゃ……」汐美が手を引っ込める

…

「守る!?」俺の手がギュッ、目が震える

…

「何を守ってんだよ!!」

「何を守って俺たちを襲うんだよ!!」

「どんな守り方だよこれ!!!!」

…

「でも……」汐美が体を縮め、両手を絡める

「でも……彼らが望んで……じゃない……」

「仕方なく……」

…………………………………..

ザクザク…ザクザク…

「あの娘何言ってるの?」男が近づく

「なんで怪物を庇うの?」女が続く

「最近の若者は……危険がわかってないの?」視線が集まる

ザワザワ…ザワザワ…

…

「ごめん……そういう意味じゃ……私ただ……」汐美が顔を伏せ、両手をギュッ

「汐美……俺は……そういう意味じゃ……」俺が汐美に手を伸ばす

「俺……思ってるような……」

…………

ガンッ!

「早とちり病いつ治すんだよ!!」頭を叩かれる

「誰が死んだって!!」

「ったく、俺がそんな簡単に死ぬわけねぇだろ!!」満面の笑み

…

「レン!!」俺が目を見開き、振り向く

「お前……お前……でもどうやって……」

「小林さん……」汐美が顔を上げる

…

「運が良かったのか悪かったのか……」レンが頭を掻く

「でもあの喧嘩のおかげで早めに追い出されてさ!!」

…

ふぅ…

「…」俺が肩を落とし、目を軽く閉じる

「ネネならあっちの集落で手伝ってるよ」レンが遠くのテントを指す

…

「そうか……」俺が汐美を見る

「だから会えなかったんだ……」

「よかった!!」汐美が手を緩める

…

うーん

「まぁここじゃ話しにくいし!!」レンが周りを見回す

…

トコトコ…トコトコ…

「ついて来いよ、ネネのとこまで!!」レンが指の方向へ歩き出す

…

「あそうそう……」レンが振り向く

「圭ちゃんも俺たちと同じエリアにいるぜ!!」

「マジ!?」俺が目を見開く

「嘘ついて何の得がある!!」レンが胸を叩く

…

「さっさと行ってやれよ!!」

「この数日すっげぇ心配してたんだから!!」レンが笑う

「じゃあ急ごう!!」俺が汐美に笑顔

「行こ汐美!!」

「……うん……」汐美がゆっくり手を差し出す

……………………………………………….

コツコツ…コツコツ…

瓦礫を越え……

切れた電線をくぐり……

白いテントが目の前に……

……..

「汐美!!」俺が軽く汐美の肩を触る

「さっきはごめん……」

「きっとお前の言う通りだ……」

「全部……ただの事故だったんだろうな」

「突然の天災みたいなもんだよな!!」俺が汐美に笑顔

…

「言ったじゃん……」汐美が顔を上げて俺を見る

「でもいつも聞かないんだから……」

「その短気いつ治すの!!」汐美が頬を膨らませる

「それで私に怒鳴るし!!」

…

パンッ!

「ごめんって!!」俺が両手を合わせる

「俺が焦りすぎたんだ!!」

「今回だけ許してくれ!!」

…

「どうせまたやるくせに!!」汐美がプイッと横

「お願い!!もうやらない!!」俺が体を寄せる

…

「もうお前ってヤツは!!」汐美が振り向く

「でも答えてよ……」

…

「もし全部……事故じゃなかったら……」汐美が目を見開き、小さく唇を動かす

「……どうする……」

「それは……俺……」顔が固まる

…

ウフフ…

「冗談だよ!!」汐美が満面の笑み

「顔に向かって怒鳴る癖治してよね!!」

…

「確かに……俺が悪い!!」俺が頭を掻く

………………..

「うん……二人とも……」レンが振り向く

「生ロマコメは興味ねぇよ……」

「それに……」レンが前を指す

「あいつもそうだぜ……」

…

ドタドタッ…タッタッタッ…

バッ!

小さな影が俺の胸に飛び込んでくる……

…

ぐすっ…ぐすっ…

「バカ兄ちゃん、どこ行ってたの!?」圭が涙目で俺を見る

「妹がどれだけ心配したか知ってる!?」

「ごめんな……」俺が圭の頭を撫でる

「ちょっと……色々あって……汐美もな?」俺が汐美を見る

…

「圭ちゃんに言わないの!?」汐美が指を口に当て、片目ウインクで笑う

「二人の秘密!!」

…

グルル…グルル…

「このクソ兄ちゃん!!!!」圭が唇を噛み、俺の服をギュッ

「だったらさっさと手伝えよ、ネネお姉ちゃん下で死ぬほど忙しいんだから!!」圭が俺を白いテントへ引きずる

………………………………..

慌ただしい空気の中……

無数の鍋が火の上に煙を上げ……

大勢が料理に没頭……

石川さんが一つ一つの鍋を真剣に見つめ……

…

俺の視線が止まる……

黒い長い髪の女性……

目元に小さな四角……

背筋に走る奇妙な既視感……


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。