無力な俺が嵐の前で選んだこと
ブォォォン!ゴォォォ…
「ブラボー1、報告! 全隊、交戦エリアへ接近中! オーバー!」
「了解、ブラボー1! 計画通り進め!」
ビュウウ…ビュウウ
ゴウゴウ…ゴウゴウ
…
「報告! 会合地点、天候悪化で予定着陸不能! オーバー!」
「ブラボー1、Aegis 3号のパイロットに連絡! 陸路で目標へ!」
「了解!」
…
「Aegis 3号パイロット、聞こえるか!?」
…
「3号パイロット、聞こえてるか!?」
…
「主さん、呼ばれてますよ!」
「もうちょっと寝かせて、アタメ…」
「主さん、確かに激戦でしたけど、上からの命令無視はマズいですよ!」
はああ
「Aegis 3号パイロット、命令待機!」
「天候不良で会合地点へ運べねえ!」
「Aegis 3号で陸路、目標へ移動しろ!」
「了解!」
ドシン!
ズシンズシン…ズシンズシン
………………………………………………………………………………………………………………
[少し時間を遡る]
ズシッ…ズシッ…
フゥゥ…フゥゥ…
「お姉さん、もうすぐ着く! 頑張って!」
「本当なら…私…あの坊やを追えたのに…」
「なんで私なんかに時間使うの?」
「私…多分…あの子みたいに勇気なくて…」
「でも…絶対、あいつは目の前の人を優先して逃げねえ!」 ネネ、グイッ顔上げ、前へ!
「若者って…変だな…」
タッタッタッ…
ネネと怪我の女、白テント前! 芽マーク+赤十字!
「よし、嬢ちゃん、ここから先は俺たちに任せろ!」
「早く離れな!」
「は、はい…でも…」
遠く、見慣れた背中!
「川崎先生!!!」 ネネ、白衣救護員をスイスイ抜ける!
「先生、ここで何!?」
「石川さん!? こっちこそ! なんでまだここに!?」
「最終護送団でもう出てるはずじゃん!」
「先生、私…私…」 ネネ、手ギュッ絡める。
….
「川崎さん、急いで! 緊急患者!」
「すぐ行く!」 レイナ、サッと幕後へ!
「先生、どこ!?」 ネネ、ピタッ後追い!
っ……!
「これ…これ…これ…」 ネネ、口押さえ、目パッ、体ガチッ!
ポタ…ポタ…
幕開くと、ベッドに男! 小傷だらけ、左肩デカい刺し傷! 血の臭い、ムワッ! 赤い綿、トレイ山盛り!
コツ…コツ…
「嬢ちゃん、邪魔! どけ!」 スタッフ、ネネグイッ!
「は…」 ネネ、ジリジリ後退。
………………..
トン…トン…
「こんな…ありえねえ…」
目の前、数十人! 傷バラバラ、通路にゴロゴロ!
ベッド、地面、立って傷押さえ、包帯巻かれ…
…
でも、ネネの目、地面の白布にチラッ!
布の下、赤い染みがジワッ地面!
ゾワッ
「こんな…ありえねえ…現実じゃねえ…」 ネネ、ガクッ座り、頭抱え、息ハァハァ!
…
ズシッ…ズシッ…
「急げ!」
「時間ねえ!」 ネネの目、デカい薬箱運ぶ二人!
「遅れたら死ぬぞ!」
「俺…疲れた…ちょっと休ませて…」
「何!? 周り見ろ!」
「アイツら、俺たちの代わりに命賭けてんだ!」
「見捨てるのか!?」
「でも…俺…もう限界…」
「だったらアイツらと交代しろ!」
「これが俺たちにできることだ!」
「医者だろ! 死神から奪い返すのが仕事だ!」 男、ダッシュテントへ!
「待って…待ってよ…」 もう一人、バタバタ追い!
….
「蓮!?」 ネネの目、マシン!
「なんで…怖くねえの…?」
「アイツ…あの人たちみたいに…」 ネネ、白布見て、手グイッ蓮へ!
「シノミちゃん…戸上さん…何のために命賭けてんだ!?」 ネネ、手バンッ!
「なんで…俺だけ…ここに…」
でも、さっきの言葉がドンッ!
「…これが俺たちにできること…」
「…死神から奪い返す…」
バシン!
「何やってんだ、石川ネネ!」 ネネ、ガバッ立ち、テントダッシュ!
………………..
「縫合針持ってこい! 俺が直接縫う!」 レイナ、傷ギュッ!
「輸血バッグ急げ!」
「抗痙攣薬追加! 急げ!」
「了解!」
ドドドッ…ドドドッ…
「よし、兵士さん、痛いぞ。耐えろ!」 レイナ、手ギュッ!
「準備OK? いくぞ!」 レイナ、針に糸通す!
っ……!
額汗、目ピクリもせず!
「よし! 輸血持ってこい!」
たっ!!!
…
「気をつけろ! 落とすな!」
…
…
バッ!
「先生、これ!」 ネネ、いつの間にか動いてた!
「ありがと!」 レイナ、サッ輸血!
……
「川崎さん、こっちも緊急!」
…
「川崎さん、新患者追加!」
…
「川崎さん、薬と包帯切れそう!」
…
負傷者ドンドン! 人手足りねえ!
ドン!
「先生、軽傷は私が!」
「重症は先生に!」 ネネ、目ギラッ!
「よし、指示に従え! 分かったな!」
「ハイッ!」
…………………………………………………………………………………
[現在に戻る]
ポツッ…ポツッ…
パラパラッ…
ザーッ!
ドドドッ!
…
「戸上様、小林さん、早く逃げなきゃ!」
「でも、みんなは!? クロガネさんたちは!?」
「議論してる暇ねえ、急げ!」 コウカ、二刀ギュッ!
「ここは私に任せろ! アイツらのことは後で!」
ドンッ!
「蓮!」
「ハル…アイツ…アイツ…」 蓮、指ガクガク、デカ怪獣!
...
ドォン…ドォン…
ヴォオオオオオ!!
「二人、走れ!」 コウカ、怪獣ダッシュ!
バタバタ…バタバタ…
ザァァァァ…ザァァァァ…
俺、蓮の手グイッ! 数歩で、見慣れた影!
「シノミ…?」
「何してんだ…」 シノミ、頭抱えて、瓦礫にゴロン!
雨の中、黒鎧がヌッ!
「やめろ…」
「ダメだ!!!」 俺、シノミへダッシュ!
….
あ゛っ……!
「小姐…きっと…洗脳されて…」
「安心しろ…俺が…正しい場所へ…連れ戻す…」 早崎、頭押さえ、ジリジリ近づく!
…
「アイツから離れろ!!」 俺、シノミと黒鎧の間ガツン!
「てめえ…またてめえか…」
「どけ…時間ねえ…アイツが来る前に…」
…
ドォンッ!
ドゴォォン!
怪獣、全部ブチ壊す! 家ひっくり返る! 木根っこからブッ飛び!
瓦礫、水、ブシャーッ!
風ゴウゴウ、雷ドカーン!
…
ドォン!
ギィン!
ガキィン!
俺の目、怪獣の皮膚の音にガッツリ!
「コウカさん!」
「何やってんだ!?」 俺、目パッ!
「あんな高さで…戦えるなんて!?」 蓮、ポカン!
…
「てめえら…何やってんだ!?」
「離せ!」 黒鎧、白鎧二人に腕ガシッ!
「閣下、命令です!」
「これ以上戦えねえ!」
「まだ…俺は負けてねえ…」
「皇族の命令です!」
「皇族の…!?」
「閣下、今の状況考えてください! カイジュウ+人間、両方相手に無理です!」
「分かった…!」 黒鎧・早崎、地面見てグッ!
「聞け、人間!」
「小姐、預ける!」
「何かあったら、海の残酷さを思い知れ!」 黒鎧、海にズブズブ!
…
「シノミ? シノミ、大丈夫か!?」
「ハ…ル…?」 シノミ、ボーッ俺を見る!
「立てるか?」
ズルッ——ガクッ、ドサッ!
「シノミ…ごめん…でも急ぐ!」 俺、シノミ抱っこ!
「頑張れ、シノミ! 助けに連れてく!」
「ハ…ル…」 シノミ、目チラッ、俺の服ギュッ!
ズシッ、ズシンッ…
「何だ今の!?」 蓮、俺を見る!
「話してる暇ねえ、急げ!」
………………………………………………………………………………………………………………..
バタバタッ、ザワザワ……ピッ、ピッ、ピッ──!
「嬢ちゃん、急げ! こっちも包帯!」
「はい!」 ネネ、綿ギュッ、ダッシュ!
ドドン、ドドン…ドドン、ドドン…
テント、ガタガタ! 水面、ビチャビチャ!
ヴォオオオオオ!!
………
バタバタ…バタバタ…
医者全員、外ダーッ!
「アイツ…一体…何!?」 ネネ、ガチッ、目パッ!
目の前、バカでかいヤツ! 岩ゴツゴツ! 緑の雷ビリビリ! 石がギラギラ!
「ヤバい!」 レイナ、無線ガバッ!
「第5軍団医療隊長! 誰か聞こえるか!?」
……
「緊急事態! 聞こえるか!?」
……
「Aegis 3号パイロット、要請受信! 状況を!」
「装甲カイジュウ! 高放射線! 緊急支援!」
「了解! Aegis 3号、距離2500m! 全力疾走!」
「それまで耐えろ!」
「了解!」
………………
「隊長、どうなった!?」 医者+負傷兵、ジーッ!
「全員、今すぐ避難! 交戦エリア回避!」
「必要最低限だけ持て! 急げ!」
「了解!」
「先生!!!」 ネネ、手バンッ!
「どうした、石川さん!?」
「蓮…シノミちゃん…戸上さん…こっち来てる!」 ネネ、三人指差す!
後ろ、クロガネさんグループ、フラフラついてく!
「アイツら見捨てられねえ!」
はぁ……
「無理だ、嬢ちゃん。今、アイツら+ここにいる全員、両方救うのは不可能!」
「現実受け入れろ!」
「でも…アイツら…すぐそこに…」 ネネ、後退、目グルグル!
「石川さん、気持ちは分かる。でも周り見て! 全部救えるか?」 レイナ、肩ポン!
………………………..
…………………………
「じゃあ…俺が…囮になる!」
「それで…アイツら…時間稼げる!」
「石川さん、言ってること分かってるか!?」
「分かってる! 分かってるよ!」
「ごめん、先生。でも友達が死ぬの、見てらんねえ!」
「命賭ける覚悟か!? 目を覚ませ!」
…
「よし、俺たちがやる!」 手がネネの肩ポン!
「おっさん…何!?」
「そのままの意味だ、嬢ちゃん。」
「見てみろ、俺たち。傷だらけ。」
「帰っても足手まとい。」
「だから…俺たちが責任持つ!」
「でも…みんな…」
「議論は終わり!」
「このボロボロの体で誰か救えるなら、それが最高の名誉だ!」
「それでいいだろ、川崎隊長?」 兵士、ニカッレイナへ!
「了解。皆、気をつけろ!」
「了解!」 兵士の背中、スーッ消える!
「石川さん、さっきの態度は置いといて。Aegis到着前に戦闘員避難だ!」
「はい!」
………………………………………………………………………………………………………………..
「主さん、また装甲か!?」
「今日3匹目だぞ!?」
「仕方ねえ、アタメ。俺たちしか対処できねえし。」
「それに、あそこにいる人間たち、命+未来賭けて戦ってんだ!」
「見捨てられねえ!」
「主さん、ほんとお節介だな!」
「まぁな。」
「アタメ、全力疾走!」
「了解!」
ギュオォォン!ドドドドドッ──!
また、あの瞬間が来る
無数のキャラが、人生の舞台へ飛び出す
妖しい空気の中
自分の鼓動を、
そのリズムに溶かしてくれ
P/S:
体、大事にしろよ。
楽しさに流されて、帰り道忘れるな。




