↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
超妹理論  作者: 揚羽常時
三年生一学期編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
368/368

水面に映る月3


「松皿」


 端的に昴先輩が頼んだ。寿司屋でのことだ。もちろん回らない方の。事ここにいたって文句を付けるのも何だから、渋々席に着く。緑茶を飲んで一息。松皿が差し出された。ウニを頬張る。うん。美味し。


「千夜寺も華黒くんに惹かれているんだね」


「ええ。鏡花は違いますけど」


「真白くん……か」


「純粋なところがありますので」


 ――それは褒めているのだろうか?


 少し怪訝になるわたくし。で、僕はどう態度を振れば?


「後はまぁ、色々と」


「本当に義姉君が好きなんですね……」


「そういう其方もね」


 少しの牽制。


「僕はまぁ兄君を憂いているのですけど」


 何故?


「僕の欲しい物を持っているからです」


 何よソレ?


「秘密です」


 サラリと下流に流された。


「君も拗らせてるねぇ」


 昴先輩は面白そうだ。然程かな。何となく面倒くさい感じは受けるけど、昴先輩の人の業を読み切る能力は信頼に値する。であれば不幸を売り物にしているのも事実なのだろう。


「で、統夜はどうやって僕の情報を?」


 鯛をハグリ。


「さてね。たまにアレは分からん」


「先輩がそう申しますか」


「実際に分からんのだからしょうがない。何にせよ第三の眼は持っていそうだな」


 聖王炎殺白竜波。


「先輩でも分からないってなると相当だね」


「おかげで華黒くんの事がよく分かる」


「セクハラです」


「別段プライベートは侵害してないよ」


 してると思うんだけど。そこはツッコむべきではないのだろう。肯定されると、それはそれで面倒になりそうだし。


「あなたはいい加減、兄さんから離れてください」


「華黒くんが離れるならね」


「恋人の権限を持ち出します」


 強力な建前だ。少なくとも昴先輩にとっては。


「酒奉寺に帰順しないかい? 千夜寺も付いてくるよ?」


「さして興味も」


「華黒先輩~」


「泣き落としは通用しませんので悪しからず」


 華黒らしい一言だった。


「結局ゴールデンウィークの間はいるの?」


「そのつもりです」


「じゃあこっちで保護しよっか?」


「いいので?」


「兄さん?」


「華黒は一緒に寝てあげて」


「先輩と一緒に!」


「兄さーんー?」


 厄介事の押し付けは僕の十八番だ。ハマチをアグリ。


「えーと」


 九十九が無念がっていた。


「兄君はソレを許容するので?」


「別段避妊も必要ないしね」


「むぅ」


 とは九十九の意見で、華黒の息吹。


「兄さんはよろしいので?」


「今更かなぁ」


 華黒を他に預けるのには抵抗がある。僕だってそのために壊れたんだから。でも水月に関しては然程苦慮もしなかった。コレも人徳かな?


「真白先輩のご温情に感謝を」


「良きに計らえ」


 うんうんと首肯。


「兄さ~ん~」


 あうあうあーと不満げな華黒。


「リハビリだと思って」


「兄さんと一緒に寝たいです」


「気が向いたらね」


 ソレは既に述べている。


「兄君って何者で?」


「そこら辺にいる一般市民?」


「それが白坂と酒奉寺を擁するのですか?」


「偏にね」


「なんの因業でしょう?」


「そこら辺は分からないかなぁ」


「真白くんが愛らしいのがいけない」


 一応男なんですけど……。美少女面であることは勘案しても。


 赤貝をハムリ。


「九十九くんも愛らしいよ」


「いや、それは」


「私じゃダメかい?」


「女性ですよね?」


「愛に性別は必要在るのかな?」


「水月の君にも言えますか?」


「言えるとも」


「ひ……っ!」


 怯える水月。むしろ千夜寺鏡花。


「大丈夫大丈夫」


 僕は水月の頭を撫でた。


「………………ぁ……ぅ……」


 鏡花が現われてしまった。相も変わらず「乙女の一念、岩をも砕く」……の有様で、むしろ安心すらするんだけども。


「大丈夫……?」


「………………大丈夫じゃ……ない……」


 ですよねー。精神障害患ってるし。それは僕と華黒も同じなんだけど。


「真白先輩。鏡花を攻略しないでください」


 水月に戻ったらしい。この辺のペルソナの使い分けは賞賛に値する。嬉しいことでは、本人等にしてはないんだろうけども。何となく……ね。


「華黒に頭を撫でてさせてあげよっか」


「是非!」


「却下」


「先輩~」


 たしかに華黒ならそう言うよね。今更に始まった事でも無い。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。