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巫女塚伝説  作者: 由紀乃
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第七幕 探索する者達

『○○様!酷いお怪我をしてます』


『……………』


『今日も妖退治をしてきたのですね。村の為に』


『…………………………』


『え、私ですか?えへへ、いつもと変わりません』


『………………………………………』


『あ、この傷ですか?ちょっと転んだだけです』



これは何だろう。誰かを手当てしているのだが、全身が真っ黒で顔とかも分からない。

でも、手の感触からして男性だとは分かる。

ごつごつしていて、指には傷があちこちある。

本当にこれは。



誰の記憶?




はっと目を開く。

天井に吊り下げられた桜の花飾りが見える。


「ああ、よかった」


横から声がしてそちらを見るとこちらを心配そうに見る神田と深山の顔があった。


「気分はどうだい?」


「あ………、けほっ」


声を出そうにも喉が渇いていて上手く出せないまま噎せっているとそっと上体を起こされてガラスに入った水を差しだされる。それを両手で持つとさらに支えるようにそっと手を添えられる。

冷たい水が喉を通り、潤っていくのを感じる。


「……………おいしい」


「目覚めてよかった。丸一日、寝ていたんだよ?」


ほっと安心したように深山が息をつく。しかし、丸一日寝ていたという言葉に目を丸くした。

おかしい。だって、私は遊戯に参加していて……………。


「声をかけても起きなくて、先生に診察をお願いしても様子を見るしかないと言われたんだ」


自分が異常な状態であったことに言葉を無くす。


「……………もしかしてだけど、また遊戯に巻き込まれたのかい?」


神田のその問いに頷いた。

そして、狐との遊戯で二人のゼミ生と会ったこと、賭けで勝ったのだが二人は何処かへといってしまったことを話した。


「まさに狐だね。言葉巧みに君を騙した」


「けど、二人はまだ生きているのは確定しましたね」


二人が話している間にふと部屋を見回す。

これは無意識に近かった。

自分の荷物、布団、天井に桜の花飾り、床の間に飾ってあった掛け軸……………。


「……………あれ?」


松竹梅が描かれていたはずなのに今は鮮やかな黄色のスイセンが一輪描かれていた。

やはり、寝る前に違っていたのは見間違いではなかったんだ。

でも、なんで変わっているの?


「そうだ。起きたばかりで申し訳ないけど、私たちが見つけた情報を共有したいんだが、いいかい?」


「あ、はい」


はっと我に返って深山の方を見る。


彼らは本戸に事情を話して協力を得て、巫女塚伝説や妖たちに関する資料を見せてもらったそうだ。そして、その中で遊戯に関する情報を得たと言う。

それがまさに巫女の死体を喰い、村人を殺しまわった時に妖たちが遊戯と言っていたことが分かった。


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