↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

113/198

第2話 魔法都市ザグラム

第2話 魔法都市ザグラム


 一行はそのままメルクを南下し、北東へと進んだ。

 冬の街道は凍えるようだったが、上等な荷馬車の中は暖かい。


 だが御者席だけは寒いままなので、誰が御者をするのか言い争いになったりした。

 寒さにキレるサリー、それにキレるスミス、両者を宥めるレンとノエル。


 結局、アルドの発案で女性の当番だけは短くするという事で決着した。


 数日後、そんなこんなで長く感じた街道旅もようやく終わった。


 「ついたーー!」


 御者席からレンが声をあげた。

 遠くに白く巨大な壁が現れたのだ。


 「あれだな。魔法都市ザグラム!」

 「長かった……!」


 アルドが天幕から顔を出し、スミスがため息をついた。


 「サリー様! 起きて下さい!」

 「ううん……起きてるわよ……」


 荷台で寝ていたサリーがゆっくりと身を起こした。

 そしてアルドの下から顔を出し、遠くに見える巨大な壁を見る。


 「防衛壁は変わってないわね、良かった。また認識阻害で通れるでしょう」

 「サリー、大丈夫なのか? 中には優秀な魔法使いがわんさかいるんだろ? 見破られたりは……」

 「ちょっと、私を舐めないでちょうだい! わんさか居る魔法使いの中でもトップクラスに優秀なのがこの私よ!」

 「さすがです! サリー様!!」


 自分に親指を刺しながら自慢げに言ったサリー。

 それを聞いて、ノエルはパチパチと拍手している。


 「もちろん信じているとも。だがサリー、何かあっては遅いのだ」

 「ありがと、アルド。でも安心していいわよ。だって認識阻害なんて魔法、私しか知らない理論だから」

 「え?」


 レンは思わず御者席から振り向いた。


 「そんなに凄い魔法だったの?」

 「術式自体は大して凄くないわ。むしろ既存の姿隠しや変化魔法よりはシンプルね。要するに、既存の魔法使いにはそんな発想がないから、そもそもバレるはずがないって事よ」

 「よくわかんねぇが、そんな物を創造できるサリーの頭が凄いってことか……!」


 ニンマリ。


 寝起きでご機嫌斜めだったサリーだが、スミスの一言で上機嫌になってくれた。


 「さささ! 魔法をかけるわよ!」

 「おう!」

 「よろしく!」


◇


 そうして一行は無事に大門を通過し、ザグラムへ入った。


 「な、な、な、なんじゃこりゃーー!!!」


 スミスが叫んだ。

 彼らの目の前に広がる光景に、サリーとアルド以外は度肝を抜かれた。


 立ち並ぶ塔のように高い建物、杖や絨毯に乗って空を行き交う無数の魔法使い、真っ平に舗装された無機質な道路。

 メルクや田舎村の風景しか知らないノエルとスミスは口をあんぐり開けている。


 レンはというと、同じく驚いている。

 魔法都市での記憶は実を言うとまだ曖昧にしか思い出していなかったため、新鮮な驚きだった。


 その光景は、自分が生まれ育った世界と似ていた。

 元の世界でたまに遠征して遊びに言った渋谷のような活気だ。


 「これが魔法都市……進みすぎだろ!! 文明!!」

 「す、凄すぎて理解が追いつきましぇん……」


 田舎者丸出しのスミスとノエルは頭を抱えた。


 「驚くのは後だ! まずは宿を探そう!」


 アルドは至って冷静に言った。

 それを田舎者二人は、信じられないもの見るような目で見た。


 「な、なんだ二人とも……」

 「これを見て、いつも通りのテンションか……これが、都会人ってやつか……!」

 「アルド様……私、少しショックです……メルクも十分都会だと思ってたのに……」

 「ああ、そういう事か。私も初めて来た時は驚いたさ。ただ、メルクはメルク、ザグラムはザグラムで良い所はそれぞれだからね」


 すると、背後からサリーが声をかけた。


 「そんなに気になるんなら、後で存分に探索してきなさい。楽しいわよ」


 サリーの言葉を聞いて、スミスは立ち上がった。


 「さっさと宿を探すぞ!」

 「現金なやつね……」

 「サリー、君にだけは言われたくなと思う……」


◎読んでいただき誠にありがとうございます!!◎


大変恐縮ではございますが〜

少しでも本作を気に入ってくださった方

面白いと思った方


評価とブックマークを頂けると大変嬉しいです


作者の日々の励みにもなりますので

お手数ではございますが

どうか、よろしくお願い申し上げます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。