858.氷の奥へ
「下がるごとに寒くなっていくな」
気のせいではないはずだ。霜はより厚く、風に舞う小さな雪は多くなっている。
俺たちのそばを流れる地下大河だけはさらさらと流れていた。
それ以外は完全に雪国の光景である。
「魔力も……さらに濃くなっている」
段々を下りながら、イスカミナとナナは地面から試料を採取する。
地面や壁を削ってガラスの容器に入れていくのだ。
「ふむふむ……。やっぱり魔力で形成された氷だね」
「もぐ! 自然の雪山とは違うもぐー」
俺たちは警戒しながら周囲を見張る。白く、雪が舞うせいで視界は良くない。
コカトリスも頭をぐるぐる動かし、周囲を照らす。
「広間の先はまだ続いているのか……?」
「おそらく……。まだまだ続いてそうです」
ステラが目を細め、広間の奥を見通そうとしていた。
「これ以上第4層に近くなるなら、寒冷地用の装備が必要ですね。帽子や靴……」
「そうだな。とにかく視界と足元が悪くなっている」
食料品や装備も俺の植物魔法でカバーはできる。
しかし俺に何かあると【ツンドラのコート】も解除されてしまう。
奥に行き過ぎると撤退も難しくなるからな。とりあえず大きな変化があるのはわかった。
「この広間を調べたら、一回引き上げよう」
他のみんなからも異論はなかった。ララトマがコカトリスに呼びかける。
「はいです! ぴよちゃんもそろそろ帰りますですよ!」
「「ぴよ!」」(はーい!)
うん? 地下コカトリスは全部で五体だが、あの二体は何をしてるんだ?
移動に手間取っている間に、二体だけ地面を蹴ったり、突っついたりしている。
「ぴよよ」(もうちょいー)
「ぴよよー!」(あと少しで掘り出せるー!)
「んー? 地面に何かあるみたいですー?」
「本当か!?」
氷の下に何かあったのか――コカトリスに駆け寄ろうとした瞬間、地面が揺れた。
「エルト様、奥から……!」
ステラがしゅっとバットを構える。
天井からぱらぱらと氷が落ちてきた。
巨大な何かが、こちらに向かってきている。視界が悪いせいでいまいちよく見えないが……。
「アイスゴーレムです!」
このたび、書き下ろしの漫画原作を担当させていただきましたーー!
タイトルは『禁獄の花嫁-呪われ少女は陰陽師様に寵愛される-』(漫画:鬼嶌このは先生)
大正浪漫の漫画です!
秋津洲帝国には、人に知られてはならないあやかしがいる。
母を亡くした彼方は、本来は陰陽師にしか見えないはずのあやかしが見えるため、婚約を破棄されて座敷牢に幽閉されてしまう。
そんな彼方を救ったのは黒髪の最強陰陽師様で――!?
↓の画像から飛べますので、なにとぞよろしくお願いいたしますーー!







