本当の話と隠し事
ジャマル一行が問題に直面している最中
哀はゴードンと話し込んでいた。
触れてはいけない禁忌の世界⋯
ゴードンは考古学者だと思われていたがその本質は
「ワシは古代人の末裔でな⋯リム達にもこの事は話しておらん
さっきお前さんが手にしたおとぎ話には続きがあってな
後に勇者とされた古代人の粗は繁栄と共にこの世を去ったとされておる。」
「ん?」
「そうじゃな⋯それはおとぎ話に書けばいい話の筈何じゃが、事実は違っていたんじゃ⋯」
そう話すとゴードンは真実のおとぎ話を聞かせてくれた。
その昔この世界には女神とエルフと精霊の3種族が存在し
その中で世界を豊かにする事を望んだ3種族は
女神が人を、エルフが従魔を、精霊が土地を創り共存し豊かに暮らしていた
だか、ある時その楽園での生活に欲を持った奴らが現れ
その欲は悪意という形で広がった…
人は悪意に満ちてしまい番となる女神に影響をもたらし魔神を生み出しだ
魔神が生まれたことにより浄化された土地は枯れ果て不浄に染まり、浄化をしていた精霊に影響をもたらし呪霊となり、不浄に染まった土地に影響された従魔には魔力が宿ったり魔物と変わってしまい従魔と番だったエルフはダークエルフへと変わってしまった。
女神と人か番となりエルフと従魔が番となり精霊と土地が番として保った均衡は全て崩れさり、
魔神と女神、エルフとダークエルフ、精霊と呪霊の対立が起きた。
聖なるモノに悪意は容赦がなく女神達は敗れる所だった
己の核と引き換えに祈る女神
己の核を引き換えに後世に託す力を残したエルフ
己の核を土地と融合させ浄化し今なお欠片となっても土地を守り続ける精霊
祈りにより天より命を受け生まれた男の子は勇者であり、
エルフが残した仲間と精霊が託した土地で魔神を封じ後の世では古代人の粗と呼ばれる様になった。
そしておとぎ話ではこの聖戦の後勇者は安らかに眠ったとされる。
でも事実はそのまま今世まで血は受け継がれてしまった。
「この昔は本来話してはならん内容でな、後世にその血が続く事を語ってはならんかったんじゃ⋯」
「(首を傾げる)」
「分からないと言った感じかの⋯理由は簡単じゃ⋯
その勇者はこの世の存在では無いからじゃよ」
哀は胸を締め付けられた⋯この世の存在では無い⋯だから話さない⋯つまり自分も?
「この世の存在では無い⋯が、存在し今世まで血は続いてしまった。
本来在るべきこの世の理と違う形⋯それは本来あってはいけないことなのじゃ⋯」
「なんで⋯」
「哀は初め古代語を話したじゃろ?
それだけでワシは少し救われた気がしての⋯そしてお前さんと⋯哀と話がしたかったんじゃ」
ゴードンの気持ちは少しだけわかる⋯
話しては行けない先祖の話⋯孤独⋯それ故文献や色々な古代関連を調べて楽になりたかったんだろう⋯
今ならまた昔のように話せるだろうか?
それでゴードンさんは理解して、少し救われてくれるだろうか?
少し悩みそして勇気を出して
『ゴードンさんはこの言葉が分かりますか?』
「おぉ!!やはり古代語で間違いない!安心せい、ワシは話せないが理解は出来ておるよ」
『いくつか気になる事があるのですが⋯』
「そうじゃろうな、少しづつ話をして行こうかの」
『私は⋯異世界人はどうなりますか?』
「1番不安だったじゃろうて⋯よく頑張った。それは少し長めの説明になってしまうのぉ⋯」
この世界には様々な信仰があり、
その中に魔神信仰という危険思想の人達が居るらしく、魔神復活に生贄を捧げ封印を解くという事を繰り返しているそうだ、
ジャマルさん達が森巡回していたのはそういった被害者を保護するためだそうだ。
そしてあの森で見つけた私もその被害者として見られている可能性があそうだ⋯
異世界人じゃなくて良かったけど⋯異常者と思われてるかもなんて⋯
(少し悲しい気分だ)
しかし、あの森で出会えたのがジャマさん達じゃなかったら、
その場で殺されるか良くても特殊機関に引き渡され今の様な自由はなかった可能性があったらしい。
本来はそうしていた皆が
シャルさんとゴードンさんの強い希望で保護をしてくれる形になったそうだ。
元々、ジャマルさんも特殊機関に疑問があったようで快諾までいかなくても折れて保護という形で対応してくれたそうだ。
そしてその特殊機関が最近問題に上がっていた。
本来精霊使いと言う浄化する魔法が得意な人達が機関に所属していて、先程の犠牲になった人達の浄化や教育に携わり社会復帰、または機関に所属し職員として働くらしいのだが…
最近は人手不足なのか、様々な種族が機関に所属し良くない噂が広まり始めのだ。
「彼処に行くと二度と出られない」とか「夜な夜な叫び声がする」とか⋯
真偽は不明のままなのだが、冒険者の中で相当の噂になっているらしく、数名のパーティが街の周囲を見回ったりの機関事を警戒したりしているそうだ。
そういった話を度々聞きつつ何か手掛かりになればと思った矢先
「そんな中ジャマルが見たのは変異した魔物じゃった」
少し緊張した声で話すゴードンさん。
この感じはきっと他にも何かあったんだろうと哀は感じ取った
ゴードンの目が揺れ、話に歯切れの悪さ感じたからである。
『私はこのまま話さない方がいいですか?』
「古代語はな、じゃが現代語なら問題ないじゃろうて、リム達を驚かすんじゃろ?ちと古い本じゃが⋯哀なら⋯」
そう言って子供のように笑い席を立つゴードン
元来イタズラ好きな人の様だ
そして本棚の奥から隠す様にしまっていた一冊の本を手哀の元戻っきた。
その本は少し分厚く今まで見た絵本や図録の様なものでは無いのは明らかだった。
これは哀の為でもありゴードンにとっても希望に等しい内容の本だった。
そしてこの時間は今までの孤独を紛らわせるゴードンにとっての癒しの時間となったのだ。




