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【書籍&コミック4巻発売中】世界で一番『可愛い』雨宮さん、二番目は俺。  作者: 編乃肌
四章

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86/112

コミック1巻発売記念SS『雨宮さんの怪文書』

コミカライズ単行本1巻が発売になりました!

その記念SSになります。

本編はお待たせしておりますが、すれ違う?ふたりを楽しんで頂けたら!

「ん、んん?」


 その晩。

 俺は風呂上がりのどら焼きアイスを片手に、部屋の床に胡座をかいてスマホを弄っていた。


 雨宮さんの影響か。

 すっかりどら焼きに目が行くようになり、最近のお気に入りおやつはコイツだ。


 ひんやり冷たいバニラアイスが、分厚い生地にサンドされていて食べ応えがある。少し溶けかけくらいが程よい食感で最高だ。


 ……と、雨宮さん並みの『どら焼き食レポ』をしてしまったが、その当人の彼女からメッセージが届いていたのであった。


「これは……どう解釈すればいいんだ?」


 スマホの画面に映し出されたのは、たったの二言。



【ズキズキDEATH】

【痛いです】



 やたら不穏な文字が並んでいるが、意味そのままで捉えていいのか……?


 雨宮さんはスマホ操作に疎く、メッセージにおいては誤字脱字のプロフェッショナルだ。以前よりマシになったとはいえ、暗号文になっている時も多々ある。  


 なのでまったく違う意味の可能性もあるが、本当にそのままだったとしたら……。


「……え、大丈夫なのかっ!?」


 俺は呑気にどら焼きを齧っていた手を止め、ガバっと立ち上がった。 


 勉強机に置かれたhikariのアクリルスタンドが、衝撃でパタッと倒れる。

 チアガール姿の激カワなそれは、美空姉さんが本日郵送で送ってきたもの。次のアメアメの雑誌の特典らしいが、今はそんなことはどうでもいい。


 素直に読み解くなら、雨宮さんは『何処かしらか怪我などをしていて、ズキズキ死にそうなほど痛い』ことになる。


 ちょっとドジっ子な気もある彼女のことだ、不慮の事故か病気などの恐れも……?


 そんな状況で、俺に助けを……ヘルプを求めてきたとしたら一大事だ。


「あ、雨宮さん……!」


 顔面蒼白になり、慌ててメッセージアプリについている通話ボタンを押す。

 プルルルッと響く呼び出し音が、焦れてやたら長く感じてしまう。


『は、晴間くん?』

「今どうしてる!? 無事か!?」


 食い付かんばかりの勢いで、真っ先に安否を尋ねた。

 雨宮さんは「え、えっと、なにが……?」と困惑気味だ。


「いや、雨宮さんが心配になるメッセージを送って来たからさ……!」

『メッセージ……?』


 きょとんとした反応の後、彼女は通話を繋いだまま確認したようだ。


 一、二、三と三拍空けて、凄い悲鳴が機械越しに響き渡る。


『ひゃあああああ! あのあの、あの! これは違うの! 寝ぼけていて、その! スマホを持ったまま家の居間でうたた寝しちゃって、晴間くんとhikariさんの夢を見ていたら、それで……!』


 俺以上の慌てっぷりで、雨宮さんは状況を説明する。心なしか涙声ですらあった。


 だから、つまり……?


「雨宮さんは特に何事もない……?」

『う、うん……本当にごめんなさい!』


 ようやく説明を一から十まで理解し、ホッとして再び座り込む。

 どら焼きアイスは溶けかけているが、なにはともあれ怪我や病気じゃないならよかった。


 謝り倒す雨宮さんに「寝ぼけていたなら仕方ないって」と笑い、明日も学校で会うことを想って、最後に「またな」と通話を切った。


 暗くなった画面に、再び安堵の息を吐く。



「それにしても、俺とhikariの夢って……」



 いったいどんな夢だったのか、聞き忘れたな。

 怪文書も実は夢に沿う内容だったのだろうか。


 それこそ明日、雨宮さんに改めて聞いてみよう。


 俺はそう決めて、大きくどら焼きアイスを齧るのであった。



 ※※※



 私……雨宮雫は、居間の食卓に突っ伏して、椅子から投げ出した足をバタバタさせていた。


 顔は真っ赤で羞恥で死にそう!


 さっきまで私は、晴間くんとhikariさんに挟まれて、レッドカーペットの上を歩くという頓珍漢な夢を見ていた。


 hikariさんは真っ赤なドレスを着ていて、晴間くんはタキシード姿。

 可愛かったし、カッコよかった……。

 そもそもふたりが同時に存在することが、あり得なくて夢なんだけど……! だけどね!


 私も水色のマーメイドドレスを着ていて、三人でたくさんの人たちから拍手されていたの。



 不思議で、でも心弾む夢。



 私を向いて微笑んでくれる、晴間くんとhikariさんにドキドキが止まらなくなっていたら……どうやら無意識に、手にしていたスマホで『私の気持ち』を文字にして打っていたみたい。


 しかも、それを晴間くんに送っていたという醜態!

 明日どんな顔して会えばいいか、まったくわからないよ……。



 晴間くんが文章を解読しないことを、祈るばかりです。



【ズキズキDEATH】

【痛いです】



 本当は……。



【好きです】 

【会いたいです】



コミック情報は活動報告に記載しておりますので、良かったらご覧ください~!

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【お知らせ】
GCN文庫様より、2025年1/20に第3巻発売決定、詳細は活動報告に☘
コミカライズも連載中☘

書き下ろしシーンも盛り沢山!なによりイラストが素晴らしい(◍>◡<◍)
なにとぞよろしくお願い致します!
― 新着の感想 ―
めっっっっっさくさ可愛い、、、、!
[良い点] SSでの雨宮さんの晴間くんの好きという感情を緻密に表現されていて良かったです。 [気になる点] 次のエピソードがもう待ちきれません!いつ投稿するんですか?
[一言] マジでおめでとうございます! ショタ愛好家としては嬉しい限りです。 はぁはぁ…………!!(歓喜)
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