表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
二度ある事は三度あってたまるかー!  作者: 音無歌音
出会い編
6/17

五度目の正直"卵の秘密"

「ここだよ!」


如月くんに言われ見るとそこには『ミラクル部』という板が掛かっているドアの前に立っていた。

私はドキドキしながらドアを開けた。


〈パンパンパーン!〉


「!?」


私はいきなりの破裂音にびっくりして尻餅をついた。


「大丈夫!?」


如月くんが手を差し伸べてくれた。私はその手を取って立ち上がると改めて部室を見回した。そこは綺麗に飾り付けされた部室だった。そこにいたのはクラッカーを持った五人の男子だった。

よく見て見ると朝ぶつかった向井先輩双子に若武先輩。それに多岐くんがいた。もう一人は見たことがない人だった。


「ミラクル部にようこそ」


その見たことがない人がにっこり笑って言った。


「僕はここの部長の二年B組、鹿野かの魅夜火みやび。よろしくね、野々原正凪さん」


「魅夜火…」


私は珍しい名前につい呟いていた。

はっ、と口を抑えると鹿野先輩は笑って「別にいいよ」と言った。


「ミラクル部ってなんですか?私がなんで呼ばれたんですか?」


私が質問をすると鹿野先輩は私のカバンを見つめてふっ、と笑った。


「そのカバンの中の卵に関係あるよ」

「えっ…」


私はいきなり卵のことを言われて戸惑った。何故カバンの中に入っていることが分かったのか。

するとそれに気づいたのか若武先輩はふんっと鼻を鳴らして言った。


「魅夜火は千里眼を使えるのだ」

「千里眼!?」


私は何かの冗談だと思ったが若武先輩を見ると嘘じゃないと思った。

確かに、千里眼が使えたら卵が入っていることも知ってて当たり前だ。

でも、そんな非現実的なことを突然言われても…

私がオドオドしていると鹿野先輩がクスッと笑って説明をしてくれた。


「その卵がこの能力を使わせてくれてるんだ。この卵はね、過去に辛いことがあった時誰でも何か願うよね?その願いが超能力的な形になって数年後に卵で現れるんだ。その卵からは妖狐が生まれるんだよ」


そう鹿野先輩が言った途端、鹿野先輩の後ろから白い狐が現れた。


「ヤッホー!うち天狐てんこ。よろしゅう!」

「……」


私が驚きを隠せないでいると、鹿野先輩は「はぁ…」とため息をつき天狐をあしらっていた。

すると続々とみんなの後ろから狐が現れた。


「俺、誠の妖狐の黒狐くろこ!よろしくな」

「僕はぁ、竜也の妖狐のぉ金狐きんこ〜。よろしくねぇ〜」

「僕はぁ、龍哉の妖狐のぉ銀狐ぎんこ〜。よろしくねぇ〜」

「あたし広大こうだい…じゃ分からないかな?えっと、多岐の妖狐の空狐くうこ!よろしく」


こんなにも突然たくさん出てきたから私は混乱するばかりだった。

すると空狐が如月くんの後ろに飛んで行って誰かを引っ張っていた。


「ほら!出てきなよ!」

「嫌です…」

「ほーら!」


そう言って空狐から引っ張り出されたのはまたもや狐。


「その…私…仙狐せんこ、です…」


そう言うと仙狐はすぐに如月くんの後ろに隠れてしまった。


「そう言うことだよ。ただ…」


そう言って鹿野先輩は私のバックを見た。


「二つもいることはないんだけどな…」

「えっ?」


私は急いでカバンを開けて卵を取り出した。

白い卵と緑色の卵。

私はそれを交互に見つめて大事にしまった。


「二つとも大事にします」

「それは良かった。僕たちはこの能力を使って困っている人を助けてるんだ」


そう言っていると、突然天狐が白い煙に包まれた。


「それと言い忘れてたけど妖狐は人間になれるんだ」


白い煙から現れたのは白の髪のショートカットの女の子だった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ