四度目の正直"ミラクル部"
昼休みになって私は正輝の教室に向かおうと立ち上がった。
何故かクラスメイト(特に女子)は私に近づいてこない。
失敗したなぁ〜っと思った。
教室を出ようとすると誰かに手首を掴まれた。
突然掴まれて引っ張られたので後ろに倒れそうになった。
「誰!?」
「俺!俺だよ!」
「オレオレ詐欺ですか?」
「違うよ〜!如月だよ〜!」
そう。こんなことをするのは如月くんだとわかっている。
でもこの子に関わるとなんだか色々とめんどくさい。
用事を聞いて早く正輝の教室に行こうと思って気のない声で聞いた。
「一緒にお弁当食べよう!」
「却下」
「即答!?」
こんな奴とお昼を共にするなんてあり得ない。
もっと教室で浮いてしまう。
こいつに関わりたくない。
「一人で食べるの?」
「弟と食べます」
「弟がいるの!?」
「そう。じゃ…」
出て行こうとドアの方を向くと襟を掴まれた。
グエッと声を出して私は怒りを押し殺して振り向いた。
「俺も行く!」
私は予想だにしない言葉に目が点になった。
こいつは何を言ってるんだ。
早く行かないと弟が食べ終わってしまうではないか。
私はそれを無視して教室を出た。
なのに如月くんは後ろからついてくる。
私は早足で教室に向かった。
「正輝!」
私が叫ぶと弁当を食べていた正輝が「ん?」と口に入れたままこちらを向いた。
その後から如月くんが追いついて来た。
すると教室は黄色い声に埋まった。
私は耳を抑えながら正輝の元に行った。
女子に囲まれている如月くんはこちらを見て助けを求めているが無視無視。
「正輝。もう食べ終わった?」
正輝は案外人気なようで男子と女子の真ん中にいた。
「野々原く〜ん。この子誰?」
「姉ちゃん」
そう言うと女子たちは「ええええ!?」と声を上げて私と正輝を交互に見た。
どうせ「かっこいい野々原くんの姉が美人じゃない」なんて思っているんでしょ。
そんな反応には慣れている私は正輝の周りにいる人たちに一緒に食べていいか聞いた。
すると少し眉を寄せていたがOKをくれた。
礼を言って正輝の隣に座ると女子の一人に質問をされた。
「野々原さんの彼氏さんですか?」
きっと如月くんのことを指しているのだろう。
「違うよ。ずっとつきまとううざいやつ」
私が即答すると「よかった」と胸を撫で下ろしていた。
きっとあいつはまぁまぁイケるから好きなのだろう。
まぁ、私はどこがいいのかわからないけどね。
一緒に食べていると放送が鳴った。
『野々原さん。野々原正凪さん。至急カバンを持ってミラクル部部室までおいでください。繰り返します…』
「ミラクル部?」
なんて怪しい部活なんだろう。
すると教室中の人たちが騒ぎ出した。
「あのミラクル部!?」
「ミラクル部がなんであんな子が…」
「羨ましい!」
なんなんだろう。そんなに有名な部なんだろうか。
すると如月くんが満面の笑みで私の手を掴み「行くよ!」と言って引っ張られた。
私は引っ張られるままついて行った。
一体ミラクル部ってなんなんだろう。
どうしてカバンを持って行かなきゃ行けないのだろう。
私は?がずっと頭の上で渦巻いていた。




