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理解できちゃいけない事ってあるよね

「何漫才やっているんですか、飲み物持ってきましたよ」

 神様が本当に飲み物を持って現れた。しかも三つ。これはお客さんを認識して記憶に残していると言う事だ、天変地異の前触れかもしれない。


「そこまで言わなくてもいいじゃないですか。まぁ前科がありすぎるので怒りませんけど、私だって他の神様に関わったという程のレッテルがあれば認識できますよ」

 認識できるじゃなくてしないだけでしょ、っと心の中で突っ込みを入れる。

 本人には聴こえているから良いのだ。僕にツッコミポジションを取られたら明日ちゃん嫉妬しちゃうからね。うんうん。


「それでですね、率直に申しますとその呪い的な物完全に解くのは無理でしょう・・・」

 ガン無視だ、普通に明日と話してやがる。・・・無視されるのメンタルやられるなぁ~

 神様がふとこちらを見て小さく笑った。ワザとやったらしい。神様の心はよもうとしても読めないので不便だ。一番わからないやつなのに。

 まぁ逆に僕が驚くような事をできるのも神様ぐらいのものなのだが。


 と、いつの間にか明日ちゃんが真っ白になって絶望している。

「ほら、意地悪はよしてちゃんとした案を言ってあげなよ。あるんでしょ」

「あら、ふふふっ、心を読まれたみたいです」

 そりゃそうだ、伊達に長く一緒にいない。

 神様が含みを入れて喋るときは大体解決法や改善法がある。決して悪い報告からという精神にのっとってやっているわけではなく、ただただ相手の反応が面白いからだ。

 勿論またその逆もしかり、含みのある言い方で良いことを言った日には厳重警戒だ、頭の中フル回転させて言葉と状況から最悪を予想して回避しなければならない。

 面倒くさい人だ。いや、神だ。


「まぁ!私の事をしっかり理解してくれているなんて、やっぱり鏡くんをパートナーに選んで正解だったわ」

 褒めたつもりはないのだが・・・褒められているっと思っているならそれでいいか。

「褒めてないことぐらいわかっています。で、本題の解決案、というより応急処置ですが、私の意識がある間だけなら何とかなりますよ」

 とのお言葉だが、先ほどのショックが大きすぎて明日には届いていないので、代わりに僕が返すことにした。


「具体的にどうやるの?」

「姿を元に戻します。さすがに私が寝ている間などは、他の神様の呪いが強くて維持できませんが、呪いをかけた本人が見つかるまでの間ならばどうにかしのげるでしょう」

「だよね~、明日に直接かかわった人だけならまだしも、間接的に関わった人たちまでの大規模記憶操作はいくら神様でもできないよね~」

 挑発気味に言ってみるが笑顔で無視され会話が終わる。

 本当にできるんだかできないんだかわからずじまいだが、神様が自主的に協力してくれるって言うんだから、ありがたく頼らせてもらおう。


 その後明日が目覚めるのを待ち状況を説明した。その時の表情と言ったらもう泣きそうなほど、感動していた。

 こういうのが信仰に繋がるのかもしれない、地獄に落としてからの糸で引上げみたいな?

 でも確かにこういう反応は面白い。神様の行動原理がまた一つ理解できた気がする。そして社会不適合者にも一歩近づいた。

「神様…雨の中わざわざ外に出るなんて非合理的だと思わないかい?」

「雨の日に毎回そんな事を言って会社に行きたくないと言いながら結局行く貴方の行動に比べれば理にかなっていると思いますよ」


(´・ω・`)…

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