ライフライン
台風凄かったですね…。
自分の地域も危なかったのですが、一応大きな被害はありまけんでした。
何とか無事に火を弱めることができた。ミロさんが持ってきてくれた木の実のおかげで少し目が覚めた私は、今度こそと火を見続ける。
「なぁなぁ、リコはねむくないのか?」
「大丈夫ですよ。ミロさんはお休みになってください」
見張りは私だけでいい。心配そうに私の顔を覗こうとするミロさんに向けて、私は精一杯の笑顔を向けた。
「でも、ねむいだろ。リコもねろよ」
「大丈夫です。それに、二人とも寝ている間に魔族に襲われたら困るでしょ」
「そんなのおこしてくれたらあたしが殺すよ」
「じゃあ私はミロさんを起こすために起きてますから、ミロさんは休んでてください」
「おー。…おー?」
一瞬納得したような表情を見せたが、すぐに首を傾げた。騙せなかったか。
「わかりました。それじゃあ交代で見張りをしましょう。2時間後にミロさんを起こしますから、私はその時に休みます」
「んー。それなら…」
そう言うとミロさんは横になり、すぐにいびきをかいて眠りについた。
2時間か。生憎今の私は時計を持っていない。これだと、何時間経ったかわからないな。わからないなら起こさない方がいいだろう、仕方ないことだ。
そうして結局一晩見張りを続けていたところ、朝起きたミロさんにかなり怒られてしまった。
「それじゃ、出発しましょうか」
時間をかけて風で消火し、再び拠点にできそうな場所を目指して歩き出した。隣では相変わらず、ミロさんがムッとした顔をしている。
「そんなに起こさなかったのが気に食わないんですか?」
「リコだってやすめばよかったのに」
「休んでましたよ。ミロさんがいたおかげで、安心して見張りができました」
「でもねてない」
「寝なくても休めたってことですよ」
「あーいえばこーいう」
「その言葉、そっくりそのまま返します」
会話はここで終わったが、ミロさんは未だブーたれている。
そうこうしているうちに景色が変わり、洞窟のような場所に辿り着いた。どうやら森の奥まで来たようだ。
「ここだったら、雨風を凌げそうですね」
「すげー。かなりおくまであるぞ、このどーくつ」
「あまり奥まで行かないでくださいね。ミロさんがいなくなったら困ります」
「わかってるって」
近くに水辺があればありがたいな。そう上手くは行かないとは思うが。
「ミロさん、近くに川がないか探しに行きますので、付いてきてくれませんか?」
「おー。いいぞー」
迷わないように、通りがかった木の幹に一つ一つ傷をつけていく。帰りにこれを辿って行けば迷うことはないだろう。暗くなる前に少しでも水への手掛かりが見つかれば良いが。
「なぁ、リコ」
「何です?」
「あのどーくつってさ、どこにつながってるんだろーな」
「さぁ…。もっと奥に繋がってるだろうとしか」
「ここよりおくって?」
「それは私にもわかりません。でも、あんまり遠くにいくと救助される可能性が低くなる可能性がありますから。行く時は二人で行きましょうね」
「おー」
そんな会話をしながらしばらく歩いていくと、水の流れる音が聞こえた。音の方角へ駆けつけてみると川が見える。まさかこんな近くに水辺があるとは。
できれば汲んで持ち運びたいところだが、持ち運びに使えそうなものがない。仕方ない、水が必要な時はここに来ることにしよう。水が飲めるとわかっただけでもラッキーだ。
「やりましたねミロさん。これで生活はできそうですよ」
「めしは?」
「動物とか木の実とかを狩ることになります。頼りにしてますよ」
「おー、まかせろー」
…待てよ。そう言えば動物を狩っても、解体しなきゃ食べられないよな。私、そんなことしたことないぞ。
「よし、じゃあさっそくみてくる!リコはここでまってろ!」
「あ、ミロさん!」
またもやミロさんはすごい速さで木々の中へ駆けていった。仕方ない、私はここで火を焚くことにしよう。煙が上がっているのを見れば、それがここへの目印になる。
ミロさんの帰りを待ちつつ、私は昨日と同じ要領で焚き火を行った。




